2009年8月26日水曜日

絵本講座

8月27日(木)絵本講座



大人のための絵本講座をしました。

ブリュッセルの外遊びの会会員のお宅での本講座と(参加者7名)16時から出張での絵本講座(参加者2名)と1日に同じ内容で場所を変えて2回実施しました。

内容は家庭での絵本の楽しみ方、いい絵本の選び方、読み聞かせの会などで子どもたちに絵本を読むときのポイント、読み聞かせが成功するためのサポートのポイントなどをおはなししました。


絵本の時間はお母さんとの幸福なひととき

子どもたちは、絵本を読んでもらうとき、その内容よりもまず、読み手(親や大人)と、絵本を介して
楽しいひと時がもてるということを大変よろこびます。その点で絵本は親と子の愛情たっぷりのコミュニケーションのために一役かってくれる媒体であるということです。ご家庭で絵本を読むというときになにか困ったり、悩んだりすることがあったら、この基本事項に立ち返るとよいでしょう。絵本の良し悪しよりもなによりもまず、その時間が親と子の喜びの時間であることが大事です。もちろん読み手との幸福なひと時が、よりよい絵本とともにあれば、やはり、もっと上質で豊かな時間になります。そこで、質のよい絵本の選び方が気になってくるわけです。絵本がよいものであればおざなりに読んでも良いかといえば、そうではなく、やっぱり愛情の感じられる雰囲気で読んであげることはどうしたって抜きにはできない一番大切なことなのです。

おしゃべりサロン3(子そだて勉強会)

8月25日(火)今日のテーマは「しつけはどこまで厳しく?」というテーマで開きました。

まず、しつけとは何なのか?わたしのイメージでは「~しなさい」というやつが「しつけ」です。

例えば

「~してはいけません」
「それはダメ!」
「~しなさい」

など子どもに何かを禁止したり、何かをなんとかしてさせようとするものです。

どんなにやさしく言ったところで、子どもはその内容が「命令」であることや「押し付け」であることはすぐに感じ取ります。言われることで余計に反抗したくなります。そこでお母さんはもっと強い口調で同じことを繰り返しいわなければならなくなります。そして子どもももっと意固地になり頑張る。そのうち大人の堪忍袋の緒が切れて最後は雷が落ちる、というパターンは参加者のお母さん方もほぼ毎日経験して頭を痛めていらっしゃるようでした。

では、しつけというのは命令口調でしかできないのでしょうか?

わたしはそうではないと思っています。

命に関わるような危険なことを止めるときには厳しくてもいいとおもうのですが、どんな些細なことにも同じように厳しく叱るというのはどうでしょうか?

そもそも、しつけというのは「帰ってきたら手をきちんと洗う」とか「食事のときはいすに座って食べる」とか何か目的があるのですから、目的が達成されればいいのですよね。

厳しくすることが一番よい方法なのでしょうか?目的を達成するのに一番近道だから厳しくするのでしょうか?

参加者のみなさんに「しつけってこわーく怒らないとできないことなんでしょうか?」「しつけって怒ったり怒鳴ったりすることなんでしょうか?」と聞きました。これはお母さん方が胸の中で自問してみるだけでもよいとおもったので、お答えを聞いたわけではなかったのですが、おそらく、みなさん、そうではないんだけれど、と思われたのではないでしょうか?「別に好きこのんで怒ってばかりいるわけじゃない、私だってもうすこし楽に子どもが言うことを聞いてくれたらうれしいと思うけれど、どうしたらいいのかよくわからない。だから悩んでいる。」という方が多いのではないでしょうか?


厳しくしているお母さん方の日々のストレスというのは相当に強そうですし、私も、やっぱり違うと思うのです。一番よいのは目的に親子ともできるだけストレスなくたどり着くことができ、かつ、子どもがきちんとなぜそうしなければいけないのかがきちんと理解できる方法は?

親子のストレスについて考えていくと、子どもが反抗したくなるような声のかけ方は逆効果で、やってみたくなるような声かけが大事でなはいでしょうか。そして、よい生活習慣をしっかり身に着けるという点で考えてみると、子どもが大人に怒ったり怒鳴ったりされるから、「しない、してはいけない」というそのときだけの理解ではなく「なぜそうしなければいけないのか」を本当に理解して、親がいないところでも実行できるようにするために、子どもがなるべく身をもって体験すること(頭だけでなく心から理解すること!)が大切で、大人はそれらを最大限に援助してやることが望まれているのではないでしょうか。


具体的にはまず、

「~してはいけません」よりは「~したらどう?」

「それはダメ!」よりは「~だったらいいよ」

「~しなさい」よりは「一緒にやろう」や「こうしたらできるんじゃない?」

というように努力しようという心持ちで子どもと接するということは、明日からでもすぐにできると思います。もしこれまで呪文のように「~ダメ!」とつい言っていたとしたら、意識し直すのは決して簡単ではないでしょう。でも、うまくできなかった、ということを考えるようになったというだけでも十分意味があるのです。無理せず、できることから続けていけばストレスに感じずにすみます。また、子どもの変化はすぐには目に見えるものではないので忍耐強く続けることが必要で、本当に大変なことですが、続けていたらいつかきっと子どものちょっとした言動を「これが成果かな?」とうれしく感じる一瞬がくると思います。

「育児」は、子どもを育てることでもあり、実は子どもに育てられることでもあります。決して一方通行ではないはずです。子育てをすることで自分もまた育てられる。そこを忘れてはならないと思います。

じつは「しつけ」という言葉には、親から子への一方的に命令し、行動を正す、というような印象があり、
私は非常に抵抗を感じる言葉なのですが、だからこそ、「しつけ」という言葉をテーマにいれて、実はそうではないんだ、ということをほんの少しでもお伝えしたいと思ったのでした。

子どもを育てていくうちに育児に関する悩みと出会ったとき、じつはそれは少しおおげさに聞こえるかもしれませんが、親になるもっと以前のこれまでの過ごし方により培われた価値観や性質、特徴、つまり自分自身との対峙であることは多いのではないかと思います。ですから、悩みにぶつかったときに「これは自分と向き合うよい機会」とまで思えたとしたら、自分自身の人間力というか、底力のようなものを成長させる好機となると思います。子育てをしていく中では自分の根底をゆるがすような問題を子どもに突きつけられることもあるかもしれません。けれどもそうしてことあるごとに自分と向き合い、立ち止まり、学びつづけられる人間はどこまででも何歳でも成長でき、とても豊かに生きられると思います。大人もずっと、生涯、学び続けるのです。

実は私が幼児教育の現場を離れ、今、お母さんや、お母さんにこれからなるだろう人の子どもとの接し方についていろいろ考えるようになったのは、子どもと接しながら、ある部分で自分が子どもに成長させてもらったという実感と、大人が学ぶこと、学び続けていくことの喜びや意味などを感じるようになったからに他なりません。大学院では「生涯教育」をテーマに教育を考えていけたらと思っています。しっかりと自分に向き合あう育児をしようとするお母さんにとっては育児はやはり大変豊かな学びのときとなると思っています。

2009年8月25日火曜日

外遊びの会8月24日


今日はストッケルの森へいってきました。

アスレチックや遊具はほとんどなく、野原があるばかりのところですが、子どもは自然さえあれば遊べるんですね。落ち葉をあつめて「落ち葉のシャワー」にしたり、お相撲をしたり、ひろい野原でかけっこをしたり、みんなで手をつないで「なべなべそこぬけ」やハンカチおとしをしたりと楽しい遊び方はつきませんでした。

雨がぽつぽつ降り出しても「もっと遊ぶ!帰りたくない!」というくらい子どもたちがとても楽しんでいました。写真は森の広場でのおやつの時間です。りんごのジャムをのせていただくクッキーと焼きおにぎりです。どちらも手作りです。あっというまになくなるくらいの人気ぶりでした。


室内では積み木やおままごとのほか、絵本もたくさん読みました。

手遊びのリスト
「しあわせなら手をたたこう」
「いっぴきの子ねずみが」
「ずいずいずっころばし」

絵本のリスト
「ぐるんぱのようちえん」
「わたしのワンピース」
他にもたくさん

☆読み聞かせ参加希望の方へお知らせ

絵本の読み聞かせと手遊びの時間を楽しみにいらしてくださる方がたくさんきてくださってうれしいです。会ではさまざまな年齢の子どもたちが一緒にひとつの絵本をみることになるので、内容はシンプルかつ大きいお子さんでもたのしめるような本を選んでいます。絵本の読み聞かせは食事の前後もしくはおやつの前後、解散前にすることが多いです。集合時間に集まった子どもたちの遊びの様子、おなかのすき具合、その日のお天気などなどにあわせて、頃合をみますので前後することはあります。読み聞かせに子どもを参加させたいという方は、できるだけ外遊びの会のはじまりの時間から参加されることをおすすめします。

2009年8月24日月曜日

おしゃべりサロン2(子そだて勉強会) 

二回目のおしゃべりサロン。今回のテーマは「子どもと楽しく食事をしていますか?」ということで食事にまつわるお悩みについての意見交換とアドバイス中心の内容でした。


まとめる時間があまりないので以下、使用したテキストの抜粋をのせるのみですが・・・。

苦手な食べ物があって、当たり前、食べたくないときもある。それでも一週間ぐらいの幅を通してみるとバランスが取れていて、子どもが元気な様子なら心配ないでしょう。そのくらいゆったりした栄養管理で、肩の力を入れすぎない食卓作りを考えてみませんか。(特集 どうする?野菜嫌い! 子育て情報誌 コミュニケーション30号)

「食べるときにしつけや教育をすることはどうでしょうか。食欲がなくなり、消化液や唾液も出てこなくなります。楽しく食事ができることを優先に考えて欲しいですね。野菜が嫌いだったら、フルーツを食べればいいのです。自分の作ったものに子どもを合わせるのではなく、子どもに合わせて好きなものを創ってあげて欲しいと思います」(精神科医 佐々木 正美のアドバイス 同上の特集ページより)
我が家のこんな工夫

・一緒に下ごしらえを
・プランターで栽培
・自分が買ってきた野菜
・自分で収穫した野菜  (同小冊子 同特集より)

2009年8月23日日曜日

ブリュッセルの絵本屋さん

絵本屋さんに行ってきました。「こどものための本」と書いてあります。
ブリュッセルについて2日目で初めて町にでました。一人でふらっと出かけて、近所の商店街へ。ほとんどステイ先のお宅と公園のですごす日々で、いろいろ忙しいのですが、気分はすごくのんびりです。
ブリュッセルの空気はパリよりずっとのんびりしている気がするのは私だけ?





前回の滞在でみつけた絵本やさんで、絵本を一冊購入しました。本当は他にも2,3冊気になった本があったのですが、フランスに持ち帰ることを考えると、ためらってしまいました。どちらにしろフランス語の本なのでフランスで探したほうがいいということに。


絵本屋さん Par quatre chemin UCCLEというコミューンにあります。






今日選んだのは「くまくん、こわがらなくてもいいよ、ぼくがわるいやつらからまもってあげる」という意味の長い題名のついた絵本です。相棒のぬいぐるみくまくんと森へ出かける小さな男の子のお話です。物語絵本の基本構造ともいえる「ゆきて帰りし物語」となっているところや、着ぐるみのパジャマを着て森に出かけるところ、森のなかに恐ろしいけものがいる(かもしれない)という設定、イラストのタッチ、どれもモーリスセンダックの「かいじゅうたちのいるところ」と同じで、雰囲気がとてもよく似ています。

はじめは僕が守る、と息巻いていたのに、だんだん、森にいるかもしれないわるいけものたちがこわくなってきて、くまくんに頼るようになり、少しずつくまくんが大きくなっていく様は、子どもの自立心と依存心の有り様を非常によくあらわしています。このくまくんの大きさが変化するというのがこの本のファンタジーです。この絵本のオリジナリティでもあります。絵には余分なところがなく、やさしく落ち着いた色使い、こまかな表情も描いており、子どもに共感されそうな絵本だと思います。ただ、ひとつだけ残念な点があります。そのせいで、この絵本は名作にはなれないだろうと思ってしまいました。この男の子がどうして森に行くことになったのか、そこが描かれていないのです。どうして眠る直前の男の子がわざわざ森にひとりででかけていくのか?そこが描かれていないのです。これは大きな描き落としだと思います。子どもが共感できるためには、物語の始まりに、子ども(とすべての読者)が納得する理由がきちんとなくてはなりません。「かいじゅうたちのいるところ」にはしっかりとこの点が描かれています。これが名作たる由縁でしょう。物語には、物語の始まる理由がきちんと描かれているからこそ、しっかり帰ってこられるのだと思っています。本当に良い絵本は絵やストーリーの一部のみからでは判断できず、すべての必要な要素が一冊にきちんと盛り込まれているかどうかをしっかり見定めないといけないという良い例だと思います。

でも、せっかく他の面では良い絵本なので、お手伝いしている育児サークル(外遊びの会)で子どもたちに是非読みたいです。物語の始まりの部分におはなしを付け足して読んでみることにしようと思います。作者の作品であるひとつの完成した絵本に生意気な試みをして申し訳ない気もしますが、絵本は子どもの文学作品の一つであると同時に子どもと大人が一緒に楽しむ道具の一つとも言ってよいのではと思っています。足りない要素があれば足して、この本がもっと活きるようにすればよい。そう思います。


絵本の作者のHP

Martha Alexander
http://www.geocities.com/scbwihawaii/members/alexander-m/alexander_m.html

2009年8月22日土曜日

おしゃべりサロン(子育て勉強会)

今日はおしゃべりサロンと銘打って子育て勉強会を開きました。

おしゃべりサロンの様子

13時からと15時から、各1時間半ずつ、合計11名のお母さんが参加、2組にわかれて2回開きました。シッターにあたったメンバーの方、この日のために来てくださったシッターの方、どうもありがとうございました。おかげで、腰をすえてじっくりとお話することができました。


今回テーマは「子どものほめかた叱り方」ということにしました。これは主催者の方と相談して決めました。子そだてに、たった一つのよい方法なんてないのに、なんだかHOW TOものっぽくってどうかな、と思っていましたが、「叱り方」というのはお母さん方にとって、かなり気になるキーワードなんですね。

話の内容は、ちょっと脱線しつつも、「叱り方」に関してがとても多かったと思います。反対に褒め方については意見ゼロ。親子の日常ではかなり叱る・叱られる回数が多く、皆さんこれについて頭を悩ませていらっしゃるようでした。

考えてみれば、それは無理もないことです。ずーっと一緒にいると、人間だれしも良いところばかりではなく、むしろ悪いところに目がいってしまって気になって仕方ない野ではないかと思います。この人のここをなんとかしたい、と頑張ってみるけれど、でも余計悪い結果になって悪循環。ご夫婦同士、恋人同士にだってよくある話ではないでしょうか。そう考えると、相手が子どもっていうだけで、子育て論の枠をこえて、これはもうコミュニケーション論でもあるんですよね。とくに親子は同じ遺伝子をもっているし、もともと一体だったわけですし、どうしたって似ているところがありますから、余計難しいのでしょう。

自分の嫌な一面をわが子の中にみつけて、つい叱りたくなってしまう、というのもよくあることです。


悪いところを叱るよりは、良いところを伸ばす

それなら、思い切って逆転の発想で、ネガティブな部分を直そうとするのではなく、ポジティブな部分をのばしてあげることに重点をおいてみませんか?


「褒める」でも「叱る」でもない感覚:
丸ごと受け入れていることを伝える


・その裏にある大人の価値観をまず確認

でも「おにいちゃん(おねえちゃん)さすが!」という褒め方は、よくないときいたことがある、というお母さんもいらっしゃって、ではどんな褒め方がいいのか、という話になりました。上の褒め方があまり、好ましくない、というのはまさにその通り。子どもによい兄(姉)であるべし、という無言の圧力、親の価値観のおしつけが感じられるからです。子どもはお母さんに愛してもらいたいので、お母さんが理想とする子どもになって、「いいこね」といわれたいがために必死に、親の思う「いい子」になろうとします。褒めるときは自分が何を良しとするのか、どこを理想とするのか、という親の価値観が非常に深くかかわってきます。子どもを褒めるときにはそのあたりまでよく考えないといけないので、なかなか難しいですね。


・子どもに与えてもらっているものを考えてみる

とかく、小さなわが子に対しては、「何かしてあげる」、というつもりになることも多いかとおもいますが、「叱る」「褒める」どちらも親が子どもになにかをしてやる、という行為をさす言葉で、実はどちらも好きではないのですが、「叱る」にばかり注意が行きがちなお母さんには、いいところをのばす、という視点をもてるように、とおもって「褒める」ことも同じくらいしたほうがいい、と話しました。しかし、子どもが一番親に欲しているのは丸ごと受け止めてもらうことです。自分自身だって、弱いところ、嫌なこころがありますよね?子どもだって、親だって完璧ではありません。すぐに遊び相手に手を出してしまう子を叱るお母さんだって、人間関係がうまくいかずに悩むこともあるでしょう。完璧でない私、いろいろなことが大人になっても器用にできない私なのに、子どもはそんなお母さんでも親として丸ごと受け止めてくれているのです。お母さんも、子どもが自分の理想とする子どもと違っていたって、まるごと受け止めて欲しいと思いますし、丸ごとを受け入れていることを子どもにわかりやすくシンプルに伝えて欲しいと思います。


次回のテーマは「子どもと楽しく食事をしていますか?」です。
8月23日の夕方からの予定です。

2009年8月21日金曜日

外遊びの会2009年 8月21日




今日は早速外遊びの会があって、26名の方とにぎやかな一日を過ごしました。午前中は公園で思い切り遊び、お昼も芝生の上でお弁当をみんなでいただきました。

午後は室内に設定したレストランごっこが大人気で、かなり長い時間よく遊んでいました。まったく、お仕事熱心な子どもたちです。これが、午後の室内遊びの遊具の設定です。


今日は私のこの夏初めての親子での活動日でした。子どもたちの遊び日の様子が予測のつかないところが多かったので、お店屋さんごっこやおままごとなど柔軟に対応できるようなベーシックなおままごとの設定をしました。すぐに遊べるように整えてあることで、子どもたちの「遊んでみたいな」という気持ちを掻き立てます。とくに3歳以下の子どもたちは自分で遊具を設定したり工夫したりするのは難しいので、大人の環境設定が遊びに大きく影響します。外遊びの会ではハイハイやヨチヨチ歩きの子どもも大きな子どもたちと一緒のスペースで遊びます。




部屋の入り口付近は絵本やパズルなど、静かな遊びがじっくりたのしめるようにしました。一部屋におままごとコーナーと絵本コーナーのおおきく2つのコーナーをつくりました。



子どもたちがくると、レストランごっこがすぐにはじまりました。子どもたちは主にお店屋さんです。お客さんはレストランに招待されたお母さんたちです。メニューは食べ物がたくさん描かれている絵本です。





明日は子育ておしゃべりサロンという親向けの勉強会を一日2回開きます。今日も、午後子どもたちが落ち着いて遊んでいる隙に、お母さん方とたくさんお話して、盛り上がったし、資料の一部もお渡しして、ちょっとした勉強会のようでした。

明日はお子さんをできるかぎり預けあって、お母さんだけの時間をつくるので、もうすこし落ち着いて話しができると思います。すでに12名が申し込まれていて、どんなふうに話題がふくらんでいくのかとても楽しみです。

みんなが帰ったあとは、イタリアンファミリーのお食事のお誘いにわたしも便乗して、おいしいピザを山ほどいただきました。デザートのパンナコッタとアイスロールケーキまで手作りでとってもおいしかったです。イタリアに行ってきたばかりで、ちょうど古いイタリア映画をみてきたばかりだったことも重なって、おしゃべりも楽しかったです。テーブルではイタリア語、フランス語、英語、日本語、と4言語が飛び交う、インターナショナルなディナーでした。

2009年8月12日水曜日

ブリュッセル「外遊びの会」に到着 


フランスを離れ、おととい19日からベルギーに来ています。ベルギーまではいつもEUROLINESという会社のバスを利用しています。行きは大変スムーズで休憩を含め3時間半くらいで到着しました。今回でたしか5回目の滞在です。

ベルギーといえば曇天の灰色な空。しかし今年はこの国としては信じられないくらい暑いです。こちらではブリュッセルの「外遊びの会」という現地の日本人の親子を対象に活動している育児サークルの夏休みの活動を約2週間お手伝いをします。今回はほぼ毎日催しを企画しているのでこの1,2週間はフランス・ベルギー間でメールをやりとりし、内容をつめてきました。いよいよブリュッセルの熱い夏のはじまりです。ブログにお知らせもかけないくらいてんてこまいでしたが、今年もたくさんの方との出会いがほんとうに楽しみです。どうぞよろしくお願いします。

以前の外遊びの会についてのエントリーは右側の目次「外遊びの会」タグからご覧いただけます。

TOEIC TOFLE TFI メモ

TOEIC、TOFLE、TFI などがオンラインで申し込めるサイト

https://www.fr.etsglobal.org/store/index.php

TOEICの頻出単語など無料で試験対策ができるサイト
http://www.toeicbook.com/tango/tangoindex.html

TCFの申し込み案内ページ
http://www.french-course-paris.com/news/tcf.php?rub1=Learn%20French%20in%20Paris&rub2=TCF

アリアンスTCF申し込み
http://www.alliancefr.org/article.php3?id_article=543#

2009年8月4日火曜日

自己肯定感を育てる眠る前の「おはなし」

夏の夜の思い出

暑くて寝苦しい夜には、母親が添い寝して、私が眠るまでうちわで扇いででくれたのを思い出します。一体いつまで扇いでいてくれるのか、本当に眠るまで手をとめないでくれるのか薄目を開けて確認しながらも、いつのまにか眠ってしまう、というのが常でした。今思うと母親への絶対的な信頼感、親の無条件の愛というのは、こういうところで感じていたように思います。実際はクーラーの冷風の方が涼しいとしても、お母さんのうちわに勝るものはないわけです。

眠る前のおはなしタイム

うちわとともにおすすめなのが、夜のおはなしです。私の母もよく昔話や、昔話をリメイクしたようなへんてこなおはなしをしてくれたものです。暑くて寝苦しい夜には、しんとした夜のひんやりとした空気が浮かんでくるようなおはなしをつくってみるのはいかがでしょう。部屋を暗くして、小さなあかりだけにするか、ろうそくをともすなどして、そのまま眠れる状態にして、子どもに添い寝して、おはなしをはじめます。

私のつくったおはなし

私は8月の後半にホームステイするベルギーのお宅の女の子にお手紙に、こんなおはなしをかきました。


                ~なつのよるのおはなし~

なつの子は ねむるよ 

つきの りんごの きの したで。


お魚と いっしょに 泳ぐよ ゆめの中。


おとうさんが さっき おふとんで 

きかせてくれた おはなし。


きんいろの おほしが ふたっつ  池に おっこちて


お魚の くびかざりに なったって。

おやすみ なつの子 また あした。

おやすみ おやすみ また あした。

(送ったものには、「なつの子」の部分に女の子の名前をいれました。)

たったこれだけの短い詩です。これでも立派なおはなしになります。この子のお家ではお父さんも自作のおはなしをつくるのを愉しんでいるので、お父さんを登場させました。シュタイナーのおもちゃのお店でみつけたポストカードの絵からイメージしたものです。


もっと短くてもっと単純でもいいので、おはなしをつくる才能がないとあきらめずに。たいそうなものでなくていいんです。大好きな人がそばで語りかけてくれる、ということ自体が子どもにとって大事です。こういう短いおはなしならば、何度か繰り返したり、でてくるものを魚じゃなくて、うさぎにしたり、くまにしたり、子どもの名前やお母さん、お父さんの名前に変えてもいいのです。

身近で起こったことをおはなしに仕立てるのも良いです。

たとえば、今日公園に行ったらすずめが水たまりで水浴びをしていたのを一緒に見たのなら、

「おふろが好きなすずめさんのおはなし」とか。


では突然ですが、ちょっとここで、おはなしミニ講座、やってみましょう。


~眠るまえのおはなしづくりミニ講座~



子どもが喜ぶおはなしづくりのポイント



ポイント1-子どもにわかる、親しみのある言葉を使うこと。


例えば、先のように公園ですずめが水浴びをしていたのに出くわしたときのことをおはなしにするとき


「今日公園に行ったらすずめが行水していました。」
 
と語るのはあまりおすすめしません。「行水」という言葉は大人はわかるけれど、幼い子は理解できずおはなしの世界にスムーズに入れないいと思います。語るほうも単なる説明になりがちで、次に続きにくいです。

「OOちゃんとお母さんが公園にいくと、すずめさんがお風呂にはいっているところでした。」


こんな風に語ってみましょう。

「OOちゃんと同じで,頭を洗うのが大嫌いでした」

とか

「お風呂にはいるきれい好きなすずめさん」に対抗してお風呂がきらいなすずめを登場させたり、

「その後、服をきて、おめかししてお出かけしました。」


というふうにしても愉しいおはなしが続きそうです。

残念ながら「水溜り」が「水溜り」にしか見えない方も、「子どもの言葉で易しく語る」のが難しい方も、ちょっと訓練すれば、きっと子どものものの見方を思い出せます。子どもを観察して、子どもの視線の先にあるもの、子どもの発言などから子どもが何を考えているか想像する、という訓練です。これさえ突破してしまえば、子どもと過ごすことは発見にみちていて、大変面白いことに気づくことができるはずです。そして、子どもがおはなしづくりの天才であるのがわかるでしょう。

それから、子どもは動くものが大好きなので、植物よりは動物、乗り物などを主人公にするのがよいです。

また、けして、教訓的ではないものにしてください。いくらやさしい声で話しても教訓は教訓と子どもにはすぐわかります。特に一日の終わりにはその子がまるごと、そのままの存在を認められているという実感を持てるお話をしてあげてください。難しいことではありません。その子が喜ぶはなしならいいのです。



おはなしをするときのポイント

ポイント1-話し手が落ち着いた気持ちで語ること ポイント2-ゆっくりと、眠りを誘うような小さな声で語ること

おはなしを親や養育者が語ってくれることに、子どもは他に替えがたい喜びを感じます。

一日、この世界を冒険してまだ心身の「波風」がおさまらない子どもたちも、大好きな人からおはなしを聞くことによってその波を静め、心地よく夢の世界に入っていけます。

ポイント2-子どもができるだけ落ち着いておはなしを聴けるようにしてあげること


例えばおはなしをはじめる前に

-部屋のカーテンを閉める
-寝室にろうそくをともす
-家族に「おやすみなさい」を言う

などを習慣にすると子どものほうでもスタンバイに気持ちが向くでしょう。

管制塔(養育者)から冒険船(子)へ「そろそろ母港へ向けて戻ってきなさい」とサインが送られるわけです。子どもを養育する人はよいサインを早め早めに出すことが求められるわけです。子どもは一日の過ごし方を予測し、計画し、実行することがまだできません。よい生活のありかたを子ども示すのは親、養育者の役割です。サインを早めに、というのは子どもの生活を導く大人の意識するとても大切なポイントですが、忘れがちなところなので、また違う機会に書くことにします。ここでは、子どもの方でもおはなしを聴ける状態をつくってあげる、ということだけ挙げておきます。


おはなしの語る準備、聞く準備が双方でできたら、あとは愉しい時間をすごすのみです。


大好きな人がおはなしをきかせてくれることを通して子どもは自分が愛されるべき存在であることを確認することができます。これが一番大切なことです。そして、こうした経験の積み重ねにより自分が愛されるべき存在であるのと同じように、他人もまた無条件で愛されていること、愛されるべき存在であることを認識します。自分を大切にし、また他人も同じように尊い存在として接することができる、そういう人に育ちます。


ですから、ここではおはなしをすすめましたが、「自分が愛されるべき存在であること」を確認できることなら、正直言ってなんでもいいわけです。

おはなしする時間がとれなければ、子どもの顔をみて「大好きだよ。」とにっこり微笑むのでもいいし、数分ひざにのせてゆらゆら揺らしてあげるんでもいいのです。

一日の終わりに毎回幸福な気持ちでいられた子どもとそうでない子、その差は今はわからなくても、大きくなったときにその子自身が感じる自己肯定感に大きく影響することでしょう。

ですから夜のこどもに語って聞かせる「おはなし」の効果は、日々実感できるほど大きなものでないとしても、確実に子どもの将来を明るくするものだといっていいでしょう。あなどるなかれなのです。

うちわで扇ぐ手間。おはなしを考える手間。確かに手間と言えば手間ですが、子どもは手間隙かけて育てるものです。その手間も、ちょっと普段の目線を変えるだけで、自分の愉しみにすることができます。もちろん、もともと子どもにおはなしをするのが大好きで愉しくてしかたないという人もいますが今回は、苦手とする人も愉しくなるように、と願って書いてみました。

正しく愛された子どもは、正しく人を愛するようになります。

子どもが「おはなしなんて、はずかしいからいい」と言う程大きく育ってしまってからではできない愛情
のかけ方です。

寝苦しい夜には涼しくなるような「おはなし」をひとつ、考えてみてはいかがでしょうか?








2009年8月3日月曜日

こどものあゆみ7月・戦いごっこは暴力ではない

昨年9月にはじまったトマとテオの家でのシッターをして感じた二人の成長の記録をもとに、彼らのあゆみをもう一度振り返ってみることにしました。

前回「こどものあゆみ」を書いたのは2008年の11月11日でした。

現在はトマ 4歳 テオ 5歳になっています。


1、 2人とも家に着くとまず第一に手を洗うこと 

2、 風呂場に飛び散ったお湯を自分で拭くこと

3、 靴下をくっつけてから洗濯かごに入れること


ができるようになったとそのとき書きましたが、じつは毎回必ずするようになったのは1の手洗いくらいで、あとはそのときの子どもの気分によってしないこともあります。靴下をくっつけるのはこの家の習慣です。テオはできますが、トマはまだできません。


昨年秋に課題(私が勝手に課題だと思うことをあげたものです)として書いたこと


1、家に着いたらコートとマフラー、通園かばんを所定の位置に置くこと。
 
2、セーターを一人で脱ぐこと。

3、 上の方のボタンの着脱

についてはだいたいクリアしましたけれど、するかしないかは子どもの気分次第です。ボタン掛けは二人ともだいぶ成功率が高くなりました。自分で挑戦する意欲はなかなか高いです。


私が感じた10月からの変化は以下の通り


トマ

1.テオとけんかした時、嫌なことがあったとき「ママー!!」と母親を求めて泣いていたのがなくなった。

2.髪の毛を洗うのはいまだに苦手だけれど、泣くことはほとんどなくなった。

3.語彙がいちじるしく増えて、話し方がものすごい生意気になった。


テオ

1.お風呂の水をいれて、服を脱いで湯船に入るまで一人でできるようになった。

2.アルファベットや小さいものがうまく書けないので、たくさん練習させられて嫌になってきている。





戦いごっこは暴力ではない

さて、これも成長過程の変化なのでしょうが、二人に共通する最近の特徴があります。それは、時々悪ふざけが過ぎること。幼稚園に勤めていたときはどうしていたっけ?と思い出しながらどんな風に対応していました。


力試しがしたい

私は、この二人の悪ふざけの無意識の目的は、力試し・相手の限界を知るということだと思います。私の隙をついて「つっついたりおしりを叩いたりしては逃げる」を繰り返して私が「じろり」と視線を送ると「きゃあー!」とボーイソプラノで歓喜します。たいてい二人だけで遊んでいるんですが、一日中、二人きりも飽きるので、ときどきは一緒に遊んで欲しいということでしょう。近所の友達の家に遊びにいったり、公園に行ったりできるといいのですが、雨が降って遊びにいけず、エネルギーが有り余っているのにやることがない、面白いことなんかないの?という状況のときは私をつっつきはじめます。


お兄さんのテオは「一緒にかくれんぼしようよ」と提案できるので、そういう場合は一緒に遊びます。でも、単に「おしりを叩いては逃げる」がどんどんエスカレートして何もしていないのに平手でバシバシ叩かれてとても痛いことがあります。私の反応を面白がって、やめて欲しいと本気で言っても通じない。

私は、これは遊び相手を求めるとともに「どれくらいやったら怒るか、どうやって僕を叱る人か」を確かめているんではと考えました。

こういうとき、ただのつまらない大人と思われたくない私。どんなにイラッとしても怒鳴り散らしてベッドにつれていくというフランス人のお決まりの「おしおき」だけはしたくない。

そういうときは、もうコレしかありません。


一対一でガチ勝負(笑)



ただし、これは「遊び」としてします。

私はこれを「戦い遊び」とか「戦いごっこ」とか言っています。フランス語では知りません。

遊びにはルールがあるので、まず大事なルールを伝えます。

初めての相手にはルールは1回につき1つか2つだけに絞ってあとは大目に見るのがコツです。

最初からルール全部は理解できませんから一回につき1つのルールを体で覚えるようにしていきます。

このとき守ってもらったルールは

私がこの遊びに応じるときだけ、子どもたちは蹴ったり叩いたりすることが許される

ということでした。二人でかかってくる・戦いごっこをして いないときに不意打ちをする、などルールを守らない場合は

「ルールを守らない人とはもうあーそばない。」

と怒った口調で言って、私は遊ぶのをやめます。

遊ぶときは大人とか子どもとかは関係なく対等だからです。

(このときわたしは子どもとまったく対等な友達の一人であり、よき生活者のモデルにもなっています。)

ただし、体の大きさと力の強さには差があるので、そこはこちらが力を加減して「対等」にします。具体的に言うと、私は主にメッタ打ち(テオはいつても両腕ぐるぐるパンチ)して来る相手の手をなるべく封じ込め、攻撃をかわしつつ、子どもに尻 もちをつかせるようにします。そして絶対勝ちます。ここもポイントです。真剣に戦います。私のルールでは床におしりがついたら負けですが、このときはまだそういうルールまで話せる段階ではなかったので、テオが勝てないことを悟ったところでやめました。私の勝ち。トマはそれを見て恐れ入って「そんなのバカげてる!!」と捨て台詞を吐いて、逃げたので不戦勝でした。


「戦いごっこ」にも意味がある

このくらいの男の子が戦い遊びが好きなのは昔から「ちゃんばら」遊びがあることからもわかります。(フランスでは昔から騎士ごっこでしょうか。子どもたちがよくしています。)これが始まるのは幼稚園では4、5歳が多いように思います。時々3歳児も影響されて見よう見真似でやったりします。

大人、とくに保育者でも母親でも、女性の多くは子どもが暴力的な遊びをするのを極端に嫌う傾向があり、そういう遊びをしてはいけない、と止めに入ろうとすることが多くあります。

しかし、多くの子どもがその年齢で求めることというのは、必ず必要があってしているのだと考えられますから、こういった一見乱暴な遊びにも意味があるはずです。

本当のところはもっといろいろな理由があるかもしれませんが、私は少なくとも

「本気で叩かれたらすごく痛い、だから誰かを叩くのは僕もやめよう。」

と叩いたり叩かれたりする経験を通して学ぶことができるという点で、力の弱い幼いときに思い切りこういう遊びをするのは意味があることだと思っています。

ですから遊びの範囲内で、ルールを決めて、子どもがそういう経験をできる場をつくってあげることができれば、一見暴力的な子どものエネルギー発散も「遊び」の枠に入れてあげることができます。


昔はもっと親や大人が介入せず、ガキ大将からなる上下関係のなかで学べたことが多かったのでしょうが、現代は大人が成り代わってあげないと、こうした遊びをうまく楽しむことが大変難しいので、こうした大人の子どもの欲求への深い理解が現代ではより求められているといってもいいでしょう。

まあとにかく、子どもは全身全霊かけてくるので、結構痛いです。

腕が真っ赤になり、激しく疲れます。

体力に自信がなければご主人に代わってもらうとか、何か代案を探してください。

でも是非からだを鍛えて、一回くらいはやってみてください(笑)。

その後の子どもたちの変わりように気づくはずです。

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