(前回続き)
「どっちにしろ子育ては大変」
「大きくなってからでは余計に大変」
ということが言えると思います。
子育ては体力的にも精神的にもかなりなエネルギーを消費します。
でもほとんどの場合、続けるしかありません。
ただ、ずっと100パーセントでやろうと思ったらとてもじゃないけれど持ちません。
人間ですから完璧な子育てなど無理です。
ずっと全力投球しなければいけないというのではなく、頑張りどころを間違えないこと、
要所をしっかり押さえることが大事だと思います。
要所は何かというと、愛情をわかりやすく子どもに伝えるということに尽きます。
子どもにはっきり伝わるシンプルな愛情です。子どものためを思って早くからたくさん習いごとに行かせる人がありますが、子どもが頼んでもいないのに親の勝手にしている場合、それは愛ではなく、エゴといいます。
頭のいい子どもをもった親になりたい、という自分の欲求を満たしたいからする、という、自分への愛、自己中心的な愛です。
愛情をわかりやすく子どもに伝えるとは、どういうことかというと、子どもが望むことを大人が喜んでしてあげることです。私は子どもを甘やかしたくない、という親がありますが、これは甘やかすこととは違います。基本的信頼感をつくるために、欠かせないことなのです。
親が自分の欲求にいつも心から応じてくれる。
その安心感から基本的信頼感が生まれ、他者への思いやりや共感の心が育つのです。
具体的には、子どもが抱いてほしがったら、そのときこちらがここらから喜びを感じて抱いてあげることです。お腹がすいたら微笑みながらお乳をあげることです。
子どもの健やかな発達、人格形成の第一歩はこういった親との情緒を含んだ関係から始まります。これらの意見は、児童精神科医の精神科医佐々木正美先生がエリクソンやワロンの理論のもとによく言われていることです。保育に携わる多くの人も共感、納得していますから、子どもの本質を少しでも知る人にとって現在主流になっている見解です。今、ちょうど授業でやっているところですが、人格形成、自己意識形成における情緒、愛着の果たす役割についてはフランスの心理学者ワロン(とくに発達心理学の分野で有名です。)がその重要性を強調しています。
愛着が基本的信頼感を生む。
子どもの発達の本質のひとつです。
こうした時代、国にかかわらず、変わらない子どもの本質というものがあるのですから、それに適した子育てをすることがよいのは当然のことだと思います。
ですから、子どもの本質の理解につとめ、子どもの本質に適した応対をすることが子育ての正しい方向と考えます。
こどもは親に絶大な信頼と愛情を寄せます。甘えつつ反抗します。
それが子どもの本質です。
それを「迷惑」だと思うのならば、子どもの本質をもっと知って欲しいと思います。
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