フランすはバカンスドゥノエルという休暇に突入しました。今年のフランスはどうかしてしまったように雪雪雪!
こんな冬は23年ぶりとか。
さて、今日は休暇前に書いたエントリ-です。最近のフランス小学生の流行ものについて。
写真に協力してくれたこどもたちは今頃雪だるまをつくっているかな?
フランスの小学生に爆発的な人気の形状記憶の輪ゴムブレスレット。熱狂的な人気。私が思うに人気の理由は以下のとおり。
1 安価
2 持ち運び便利 ポケモンカードよりさらに小さいのに交換、収集できる。
3 友達と交換、自慢しあうなどコミュニケーションができる
ああ、お母さんと先生の困り顔が目に浮かびます。
宿題そっちのけです。
こんな風にさりげなくじゃらじゃらさせるのが子どもたちのステイタス。
人間はお金を交換する。それはお金に価値があるからではなくて、交換するから価値が生まれる。というのが民族学のマリノフスキーのお言葉。贈与に発生した不均衡に均衡をとろうとすることで贈与は続いていきます。
なんでうちの子はこんなただの輪ゴムを交換することに燃えてるのかしら?という母親の問いに民族学の巨匠は、だって交換するのが人間だからじゃん。と言っているわけです。
レヴィ ストロースは家族の構造も女の交換をつかって説明しています。交換があるとき、贈り物を受け取った側には借りができ、贈った側には貸しができます。この不均衡を取り戻すかのように交換は続いていきます。
そう考えると子どもたちの輪ゴムのブレスレットの交換の流行もとても面白いです。
この交換が大きな意味をもつようになったのは、やはりそれが価値があるものだからではなく、交換したから交換する価値があるものになったのでしょう。むしろあまり価値がない輪ゴムだから交換が始まりやすかったのではと思います。私も小学生くらいのときにキャラクターシールやにおい玉、かわいい便箋を1つずつ交換しては喜んでいたっけ。
お金だって、それ自体はただの紙切れや金属辺でしかないけれど、交換することで価値があるかのように私たちは錯覚しているから同じことですね。
学校というのは子どもにとって1つの社会。大人にはただの輪ゴムでも子どもにはいまや大人にとっての貨幣と同じくらい価値があることは疑いありません。この輪ゴムを1つしかもっていない子どもがたくさん持っている子どもをみる眼差しは例えば労働階級市民がブルジョワジーの生活を仰ぎ見るのと多分ほとんど大差ないと思います。この交換ブームがはじまるのがいつの時代も小学生低学年くらいなのも興味深いことです。
先日の国際会議のたくさんのプレゼンの中にも消費する子どもというテーマがあったのを思い出しました。
クラスメイトがよく知っているイギリスの先生らしいので今度本を貸してもらおうかな。
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