2012年4月25日水曜日

モンテッソーリ理論実践研修で

会社の研修があって月、火と丸2日間エトワールの本社へいっていました。



内容は今回は3歳から6歳までの発達段階についてで、講師が好きなモンテッソーリ教育の実践と理論についてと教具作りでした。教具はアルファベットのモビールとカードを参加者の必要に応じて。

ざらざらした触感でなぞって覚えるカード

まあでも内容についてはとくに言いたいことないのです。既知のことだし同じ内容の研修をもう3回くらい受けていて新しいものではないからです。そもそもあまり参加希望者がいないという理由で強引に参加させられたわけで。


ただ、研修にでると他の家庭で働いている同僚たちや会社の運営スタッフのものの見方が良く分かること、フランスの社会の構造までかいまみえたりするのが興味深いです。毎回驚きと動揺と落胆とが入り混じったような気持ちになってぐったりして帰ります。


保育系の研修はいつも会社専属の講師の若い女性。私の嫌いな上から目線の『ダコー?(わかったぁ?)』連発なのにはいつもながら辟易..そしてもっとがっくりするのは他の参加者たちがロバのように扱われているのに気付いていないこと、家庭に介入する自分たちのこの仕事がどれだけフランス社会において重要な役割を担っているのかあまり認識していないらしいこと。

クレッシュの保育経験だけで知ったような顔で検討違いの講師のアドバイス、どれだけ家庭教育と学校の教育が違うかをいまいち分かっていない。

私は自分のしていることはただの子守りでなくソーシャルワークに属する仕事だと思ってます。外から相談に乗るのではなく、どっぷり家庭生活に入り込み、食事を共にし、まるで家族の一員のように支えるという点ではもっとも影響力のあるソーシャルワーカーだと思ってます。

それぞれの同僚の話を聞くと、私の担当家族のように安定した状況の家庭は稀で、病気の子どもを担当していたり、親の離婚、再婚で心に大きなダメージを負った子どもを担当していたりと家族の求めるものも多種多様でした。そこで思考錯誤しながらまるで家族のように一緒に悩んで相談に乗って、自分と家族の価値観の違いにぶつかって...とそれはそれは大変熱心に仕事に打ち込んでいるんです。

理論を知らなくても時に技術が足りなくとも自分で考えて柔軟にそれぞれの家族の要求に対応しています。長く同じ家庭に介入するからこその信頼関係もできていて、その人でなければできないという存在になっているケースがほとんど。いい仕事しているんです。


世界が認識しないなら、一番よく知る従事者が誇りと自信をもって仕事をしなきゃ。




家庭教育と学校教育の断絶についてはまた。



2012年4月23日月曜日

フランス大統領選挙

今日はフランス大統領を決める第一次投票の日でした。
それで思いだしたのですが、私が渡仏したのは5年前のこの時期でちょうど大統領選挙が盛り上がっているときでした。今月でフランス滞在も6年目に突入しました。


さて、大統領選挙、決選投票には予想通りオランド氏とサルコジ現大統領が残りとくに驚きもなかったんですが、あろうことか極右マリンヌルペンが20%近くも票を集めて第3位につけました。日本は格差社会といわれるようになりましたがフランスは階級社会が残っています。候補者も自分の支持層の階級をよくわかっているんでルペンなどは支持層の階級にむけてかなり具体的なアピールがされていたのでどの票をあてにしているのかが一目瞭然でした。

直前のトゥールーズの一件の影響も多少あるのでしょうが、社会的に弱い若者がナショナリズムを好み排他的な社会を望む傾向なのはフランスも日本も同じですね。どんどんその熱が上がっていてとても危険な状況になってきているとおもいます。フランスでも学校をドロップアウトして非行にはしったり、手に職をつけられないまま成人してしまう子どもが多いことが問題になっていますがあまりよい策は見つかっていないようです。そのあたりの研究はバンリューにある大学パリ8の看板分野らしいです。まあ、小手先だけ頑張ればいいというものでもないですよね...。社会のシステムが変わる気ない場合は現職の教師の負担がどんどんきつくなるだけ。こういう分野の研究もなんだか尻拭いをさせられているような、無駄な労力を消費しているだけなような気分になることが多々です。何を見ても聞いても、目先の利益にとらわれて教育の本質をないがしろにしている社会、というところにいってしまうんですよね。あらら、話が選挙から逸れました。変な天気でひきこもりの週末でした。

関連で読んだもの
ナショナリズムと集団性 内田 樹 先生
http://blog.tatsuru.com/archives/001692.php

2012年4月10日火曜日

セミナーと中華料理


先週末は他大学の研究センターで日本の教育関係のセミナーがあって行ってきました。
私はあくまでアソシエーションの研究をしているつもりで貧困研究のエキスパートでもなんでもないなのですが、修論を反貧困のアソシエーションに絞っていることもあって、「貧困のことやってる人」と思っていただいているようで...今回は子どもの貧困を主要な統計を出しつつ広く浅く紹介するということをお題としていただいていました。

統計をずらっと載せてハイ、と数字で見せるだけというのは日本とフランスの数字の出し方をそろえるときに気をつける点もあるけれど、基本的に作業みたいなもので準備はあまり面白くありませんでした。紹介するということに意味はあるのでしょうけれどただの文献翻訳でしかないような。まあ日本でどう取り上げられているのかをフランス語で紹介しているものは少ないのでどうしても広く浅く全般的な紹介程度になるのは仕方がないです。基本的な情報を知ってもらう段階でしかないのだとおもいます。異文化理解というのはいかに難しいことか。


文章は先生に見ていただきながら、というかむしろ先生のアシスタントという形になりそうですが、削ったり付け加えたりしてセミナーの目的である参加研究者の共著の出版物のほんの一部としてはなんとか使えそうだということで、優しい先生に感謝。私のような日本の大学に何のつながりもない学生でもウェルカムな雰囲気なのでありがたいです。

セミナーのあとは近くの中華料理に行きました。日本の研究者の方とお会いできて、たくさんお話を聞けて楽しかったです。むしろアフターがとても充実していたセミナーでした。



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