2010年10月27日水曜日

今年度最初の授業

相変わらず授業があるかどうかすらよくわからないうちの大学。今はストに加えて秋休みで秘書課の女性がバカンスに出かけてしまったため問い合わせることもできず...。

そういうわけであまり期待しないで出かけましたが予定通りセミナーが開かれて無事に今年最初のセミナーに出席できました!!

驚いたのは先週このセミナーにいなかった人って誰?と先生に聞かれたこと。どうやら授業は先週から始まっていたらしいのです。でも完全封鎖されていたのに一体参加した生徒たちはどこから入ったのか・・・?結局謎のままとなりました。

さて、やはりセミナーに出席すると、モチベーションが大変刺激されます。今日のタイムテーブルは以下の通り。

  9時-12時 セミナー1 研究日誌の研究
12時-18時 セミナー2 社会分析学

セミナー1のかなり雑な自分のためのメモ的要約。

■マニフェスタシオンの際に学生と触れ合って大変興味深かったという話。
今は執筆活動で忙しいのでマニフに参加できないが、本当は博士課程の学生や教授陣と3時間でもマニフェスタシオンを企画実行できれば一年間ちいさな講義室で授業するよりも面白い経験になると。教育学部の教授はみんなマニフ大好きなのです。

■先生自身のライフヒストリーとライフワーク、著書の紹介

■アイデンティティの複数性について
人はみんな複数のアイデンティティをもって過ごしている。
人はみんなその瞬間ごとに違うアイデンティティを持ちながら過ごしている。
矛盾しながら生きている。例 エコロな人が近くのスーパーに行くために車を使うとかね。

■アイデンティティ複数性についての歴史の変遷
少し昔は家族、企業、国家、の大きな3分類→今はもっと複雑でたくさん。その中でどうやって自己形成をすればよいのだろうか?人間が機会の一部のように働く社会、現在のサルコジ率いるフランス、つまりはもっと働き、もっと稼ごう路線のこの国で人々は本当の自由を獲得することが難しくなっている。

■communauté de référence
というのが幼少期から形成される。自分の経験から複数の参照できるカテゴリーを引き出して
一瞬一瞬違うアイデンティティを生きている人間。

■人間は文化に拠る生き物。人間は時間の区切りを持つ。
例 猫と人間   

■本
時空を超えて影響を与えうる

■まとめ
真に自由に、インテリジェントに生きるためにはとにかくこの事柄をつねに考えること、自分で乗り越えようという意思をもち続けること重要。

2010年10月26日火曜日

引越しします。


あと2年くらいはフランスにいそうな感じなので、実はずーっとよい物件を探していたのですがようやく新しい住居がきまりました。場所は同じくヴェルサイユです。お城を基点にするとちょうど反対側に20分から25分。ややパリ方面に上る感じです。バスを使わないと結構駅からは遠いけれど、静かなレジデンスの敷地ないの建物の最上階。

よく知っている韓国人と日本人と一緒にシェアしようか、という話が急に持ち上がったので、ここ最近はまた本腰を入れて探していました。パリの住宅難ほどではないのかもしれないけれど、外国人学生にはハードルの高いフランスでの良質な物件探し。フルタイムで仕事をもっていて生活は英語メインで済ませている友人に代わってまだ大学の始まらない私が物件探しのほとんどをまかされることになって実はかなり精神的にストレスでした。私たちもフランス人からみれば移民ですから、エージェンスでは私一人で行くとかなり冷たくあしらわれたり、内見させてくれても、何週間も待たされて他の人に取られてしまったり。いかにも表面上は平等を取り繕うフランスらしいですが、ぎりぎりのところまではいけるのに、肝心な契約書のサインとなるといろいろ理由を並べて日取りを決めてくれない。だから望みをかけて待った末に最終的にダメなことが多く、結局膨大なエネルギーと時間のロスになるだけ。そのディテールをまるごと経験するのが直接コンタクトを取る私で、ストレス全部背負わされているような気がして、正直もう無理かなと思っていました。
それが最後はあっさりと良縁に恵まれてトントン拍子に決まり、他2人もそれぞれよい働きをして協力できた感じだったし、なにより3人ともとても満足しているので、ベストな物件にきまったと思っています。全部で見学した物件は4つ。シェアする分、上限額に多少の余裕があったのがかなり良かったと思います。

外観は何の変哲もない面白みのない四角い集団住宅の一番上の階、しかもエレベーター無し!なのは正直古いヴェルサイユらしい建物が希望だったのでかなりいまいちでしたが、内装がとてもきれいで部屋割りがよく、私たちには住み易そう。ちょっと下町っぽい雰囲気も外国人にはちょうど良いかなと思うし、バスタブもあるし、小さくても部屋がきちんと分けられているのでお客さんを呼ぶ部屋もある、駅までのアクセスも今より少しはよいし、大家さんは英語の達者な同じくアジア系の男性(私の他2名はイングリッシュスピーカーなので好都合)ということで、私たちにはこれ以上ないくらいの良い条件でした。細かい交渉点と不明な点もすべてクリアでき、昨日、早速鍵を受け取ることができました。ただし家具なし物件なので、まだすぐには完全に引っ越せません。ひとまず寝具や家具一式そろえるためにIKEA等のお世話になりそうです。

これが新居の写真。





急にやるべきことがどっさりになりましたが、引越しは念願だったのでとってもうれしいです。

ところで今日も大学に一応、行ってきます。

無駄足になる率80%。

でも学生主導のストの場合は現地に行く以外に知る由がないので仕方なし。

C'est la France !!

今日もめげずに頑張ります。






2010年10月24日日曜日

ストライキの後日談

1個前のエントリーでストライキ一日をつらつら書いたのですが、

時々読んでいるね式さんのフランスブログをたまたま見ていたら
ちょうど私の遭遇したストライキのことが少し詳しく書いてありました。

何でもなんでも警察官が発射したフラッシュボールというものが一人の高校生の顔に命中して深刻な傷を負ったらしいです。

こわいこわい。

それでも昨日は大学は開いていて、(かなりびくびくしながら学校に行った)ようやく学生証が手に入りました。はーよかった。やっとほっとしました。

さて、色々合った今週。週末を迎えて今日は気づけば一日3食とも日本食というまったく和風な食生活でした。とくに親子丼がおいしくて最近定番になっています。

フランス的なものとはちょっと距離をおきたい。

そんな無意識が食生活に如実にあらわれているんでしょうね。

今度日本に帰るときは和食器を少し持って帰ろうかと思います。

2010年10月19日火曜日

パリのストライキ体験

もしも、あなたがフランス留学中のパリ大大学生で、パリ郊外にすんでいるとしたら今日はこんなサバイバルな一日。

。。。。。

あなたは6時に起きてまず交通機関の本日のストライキ状況をネットでチェックします。

ちょうどいい時間につく電車は本数が少ないので座れません。日本の地下鉄並みの満員電車にゆられて小一時間。

ようやく大学の入り口にたどり着いたらなあなたは大学前にものすごい人がいるのに唖然とします。

ビラ配りの学生がいるのですぐにストライキだとわかりますが、一縷の望みをかけてひしめき合う人をかき分けて行けるところまで行ってみると椅子を積み重ねてつくったバリケードで入り口の扉はすべてブロックされています。

大学完全封鎖です。

講義室に入れないのでもちろん授業はありません。

あなたにとって椅子&テーブルバリケードもはや見慣れた光景ではあるけれど、往復3時間の無駄足をした事実をすんなり受け止められずしばし呆然とします。

しばらく他の学生と様子を伺っていると、日本語を勉強してみたい、というフランス人に話しかけられますが、今全然日本語教えるとかいう気分ではありません。あまりに質問攻めにするので適当に話を切り上げて、今来た道を戻ることにします。

また1時間半電車にゆられてようやく次が降りる駅です。

はぁー。

深いため息とともにとりあえず無事に戻れたことにあなたは一瞬安堵。

すると突然

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン! 

ホームに電車が滑り込むと、おたけびをあげながらあなたの乗っている電車の窓を外側から叩く200人位の高校生集団に目を疑います。

ドンドンドンドンドン ギャーギャーギャー 

たくさんの高校生くらいの若者が私の乗っている電車の窓ガラスを外側からたたいて何か叫んでいます。

Danger !! Danger !!

総勢200人はいます。

お勉強嫌いの若者の便乗ストだろうと察したあなたはほっとしたのも束の間、あなたの頭の中に危険予知サイレンが鳴り響き、あなたは身を硬くします。


ドアが開いたとたんに雪崩のような勢いで乗車してくるであろう高校生軍団に巻き込まれないように、ドアから少し下がったところで身を硬くしてドアが開くのを待ちます。この混乱の中で電車ホームの間に落っこちたとしたら、明日まで誰も気づいてくれないかもしれませんから。

ドアが開いて、予想通りの雪崩込み乗車に、細心の注意を払ってなんとか電車脱出に成功します。


駅を降りるとあなたは、今度は警官たちが警棒を振り回して片っ端から若者たちを捕まえている最中の光景にまたまた目を疑います。頭の頭の中の危険探知サイレンはマックスに鳴り響きます。

振り上げた警棒に間違って頭を殴られないように、また、興奮しすぎたのかヒステリーを起こしてて転がっている若者とそれを介助する女子一団を踏んづけないように、あなたは細心の注意を払って駅を出ます。


駅の周りにもまだ残軍がかなりいる近くのバス停を避けて、できるだけ安全そうなルートで1つ先の停留所からバスに乗り帰宅。

無事に帰れたことを電話で友達と報告し合いお互いの無事を確認します。

ようやく少し落ち着きを取り戻し、パソコンでメールをチェックすると学校のセクレタリアからメールが届いています。

........................
みなさん、

今日の授業は中止になりました。次回の開講は未定です。

10時30分
.........................

10時30分!!

時計を見ると現在11時です。

あなたは予知能力がある人以外は学校に行って確認するしかなかったということだけを確認します。

そしてせめてこの経験をあたかも自分が体験しているかのように読んで何か感じてもらえれば

少しは無駄足の慰めになるかも、などと思いつき、ブログに書かずにはいられません。


。。。


はい。

というわけで書いてしまいました。

ちなみに、以前もストライキについて書いている通り、私は全てのストライキについて否定的なわけではまったくありません。かなりの不便があっても、根本的に何か大事なことを変える必要があるのならば仕方ないと思っています。

多分私が読む人が体験しているかのように書きたかったのは、薄っぺらなわたしの肩書きでは伝わらない、フランスで学ぶということがどういうことなのか、というのをちょっとでもリアルに伝えたいからです。

大規模無期限ストライキのような秩序が乱れた社会の中では、普段は隠されている社会のいろいろなひずみがあらわになるもののようで、郊外から別の郊外へとパリを電車で横断していると、まるでフランスの社会を輪切りにして横から見ているような感覚になります。

これだけ突きつけられるようにフランスの厄介事を毎日次々に見せていただきますと、もしかして留学生活で大事なのは、大学の授業で何を学ぶかよりもむしろ、このフランスの社会の空気を肌で感じることに尽きるのではないかと思えてきます。そしてそこから何かを得ることができるようになることがあれば、それもすばらしい収穫なのではないかと。

ただ不便だ、危険だ、というような嫌悪や苛立ちで過ごしてしてしまうのは簡単です。実際私もその場に行ってはまさにただの殺気立った雰囲気に飲み込まれた人でしかなかったです。でもやっぱりそれだけではただの観光客と変わりないフランスしか知りえないのだと思います。多くの留学生がただ嫌悪感をあらわに書きなぐっているだけなのをよく見かけるのは、とてもよく共感できる反面、それだけで最後までフランスをもっとよく知る機会がないまま帰ってしまう人を残念に思います。だから、自分でもよくよく気をつけないと、と思って整理がてら書いています。書くことは自分の主観的な体験に距離を置いて観察するのを容易にしてくれるから、本当はもっと毎日感じたことを書き綴ることを習慣づけないといけないと思います。

今日出くわした若者たちも、危険な場所から遠く離れて観察対象としてみれば、なぜ、あれだけフラストレーションをためているのか、疑問が湧いてきます。明らかに他のストライキとは異質のフラストレーション。その彼らの鬱憤を肌で感じた、そのことが何かの理解に役立つこともあると思うのです。

ということで、毎日が同じようで退屈ならばフランス留学をおすすめしますよ-。
想像もつかないことがたくさん本当に次から次へと起こります。


ジンジャーティーでも飲んで午後は少し休むことにします。

2010年10月18日月曜日

ヴェルサイユ宮殿の村上隆作品展

伝統を守り続けたい派とアヴァンギャルド歓迎派とで賛否両論激しく対立しているという村上隆氏の作品展@ヴェルサイユ宮殿。この日曜日行ってきました。

参加している日仏交流のアソシエーションで、私もイベントを一度くらいは立てないといけない雰囲気だったので、では、家から近いし、日本人だし、という単純な理由で行くことにしていたのでした。 

ごてごての、いや、重厚な装飾で四方を囲まれたお城の中に突然下の写真のようにつるんとしたコンテンポラリーアートが鎮座しているわけなんですが、同じくディテールに凝ったカラフルで派手派手しい物体も負けずに存在感があって、不思議と違和感は前回のアメリカのアーティストのときほどはなく楽しくみてきました。

緑色に集中するとき、自分の中には反対に捕色の赤が作用するといいますが、屈託のない笑顔で咲き誇る村上フワラーたちにも同じような効果が期待されているそうです。

他にも私たちから見える部分はポジティブな表情なのに、裏にはドクロが隠されている金色の像がありました。うすっぺらな金メッキの輝きもなんだかうそっぽく、そのあたりにも作者の意図が感じられる気がしました。



日本の観光グループがたくさんいたのですが、ガイドの日本人の方がこれらの作品を完全無視で一生懸命当時のロワイヤルファミリーの暮らしぶりを説明していたのが妙な感じでした。

たしかに、初めて宮殿にきてこの展覧会にあたったら、ちょっとびっくりしてしまうかも。

2010年10月11日月曜日

授業がまだはじまりません。

このところお天気が続いていてうれしいです。

パリでは寒くなる前の最後の日光浴を楽しむフランス人のみなさんがカフェのテラスにずらりと並んでいます。

いよいよ新学年が明日から始まる、はずだったのですが、来週に延期とメールが来ました。
前々から仕事の予定を変えてもらっていたのに、学校が前日に授業を延期だなんて。ほんとうにフランスでは何が起こるかわかったものではありません。

実は明日から大規模なストライキが始まるので、その影響かと思われますが、もう少し早くわかっていれば....。ストライキの国フランス。

フランスのオーガナイズのゆっくり加減に呆れ気味です。せっかくだから明日はゆっくり好きなことをして過ごそうと思います。パリに買い物があるので電車が動いてくれることを祈ります。

2010年10月4日月曜日

パリで教育学を学ぶには

マロニエの実があちこちに落ちている秋のパリ。日の入りがずいぶん早くなりました。

今日はパリで教育学留学をお考えの方へ超基本的な情報です。

教育科学学を勉強できるのはパリでは

パリ第5大学
パリ第8大学
パリ第10大学

の3つです。
パリ5は医学部で有名。パリ8は私の通っている大学です。
パリ10はナンテール大学ともよばれているとおり、パリ南西部郊外のナンテールにあります。
パリ8とパリ10は総合大学。パリ5は医学部と教育学部と他にいくつかだったと思います。

ネットでカリキュラムを調べられるので便利です。大体のことはわかりますよ。フランス語の勉強にもなりますから辞書を引き引き、調べてみるのが良いと思います。


人によって感じ方がそれぞれなのと、自分の通っている大学以外は良く知らないので安易におすすめはできませんが、パリ8は立派な図書館があるのと、教授と生徒の距離感が近いのでとても気に入っています。スノッブな大学生活とは程遠い、とてもラフな大学と言っていいと思います。地域柄か、外国人もしくは移民の学生がとても多いです。廊下などではアラブの言葉や中国語他いろいろな言語が飛び交っています。白人の以下にもフランス人、という学生が非常に少ないのが特徴です。移民国家フランス。本当のフランスの姿を目の当たりにしているようで興味深く、私にはなんでもものめずらしく面白いです。教育学部の得意な分野もやはり移民関係の研究のようです。伝統的な学校とはまったく逆の前衛的な雰囲気で学生たちがとても元気です。私は反対側の郊外在住なので自宅からものすごく遠いのだけがネックです。

私の場合は教育学といっても研究内容はほとんど社会学といってよいので、社会学部でもよいかんじです。実際パリ8の社会学部はリソンス3年次からは教育科学学に統合されています。

※学部と書きましたが学科にあたるんだと思います。私の所属は人文科学学部 教育科学学科に相当するとおもいます。分かりやすく学部としました。


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