ブリュッセルの「外遊びの会」で8月4日に行った「親子にじみ絵ワークショップ」の様子です。
少し前のトピックでお知らせした「親子でにじみ絵ワーク」の事後報告です。
ワークショップには外遊びの会の会員親子10組が参加しました。
会員の希望者ですぐに定員になっていたこと、私のブログの読者にほとんど該当者はいないこともあって、お知らせではなく事後報告で記録しておくことにしました。
「青い小鳥」と「黄色の小鳥」が子どもたちに「お話のできる絵の具」をプレゼントしてくれました。
こどもたちはお母さんと筆と絵の具でお話をするイメージで描き出しました。
「お母さん、ここに描いたらだめよ~!!」
「なんで~?お母さんここに描きたいのに。」
全体的にはとても落ち着いた雰囲気。穏やかで幸福な時間でした。
にじみ絵は8組の親子が初めての体験でした。画用紙は市販の薄めのA3、絵の具は植物性のシュトックマーを使いました。紙は大きめのたらいを使って水に浸しました。ボードはDIYショップで大きなベニヤ板をちょうどいい大きさにカットしてもらったものを使いました。耐水性の面でプラスチックの板のほうが向いていますが高くつくのが難点です。
後半はお母さん同士で描くペアも。
親子のペアはきれいな緑色が自然に生まれます。
母と子の距離の近さ、というか「一体感」が感じられ、大変興味深かったです。
他人同士は色が混ざるのに時間がかかることが多いのです。
色は親子で相談して好きなほうを選びます。途中で交代する親子もありました。
筆を洗うための水で遊んでいるところ。今回は単色なので色はあまり混ざりませんでしたが、それでも子どもは水の色が変化するのに大変な興味を示している子もいました。この子のほっぺたが青いのはお母さんとフェイスペイントをして遊んだから。思い切り楽しむには絵の具がついても気にならない服を用意すること、それから少しくらい汚れても気にしないことです。
ガラスの瓶は取り扱いに注意が必要ですが、色の変化を楽しむには好都合です。筆や瓶をを洗って片付けるのも遊びのうちです。大人とペアを組むことで絵の具の取り扱いについて留意する必要が少なかったのでその点はとてもスムーズでした。場所と道具さえあればもう何組か増えても一度にできそうです。
目的と経緯
ちなみに、今回のワークショップの目的は「親子で楽しい時間を過ごすこと」でした。お母さんが自分の子どもと一緒に、対等な立場で遊べるようにという祈りからです。
「会話をするように一筆ずつ順番に描く」というルールは子どもと親との対等なふれあいを生むのではという予想があり、去年絵画療法のスタージュに行った際に体験したペアでのにじみ絵体験を親子ペアにアレンジしてやってみることにしました。
感想
今回一番印象的だったのは「お母さん、次描いていいよ~」と母親のほうを振り返る子どもの安らいだ笑顔です。親が描いた線の上を同じようになぞる、色の上に色を重ねる、という子どもが大半で、きれいな緑色に仕上がるペアが多かったのが大変興味深かったです。親子は(心理的な)距離がとても近いのですね。子どもの無意識が表れ出たようでした。言葉での会話がうまくかみ合わないと感じている親子やこどもと自分との心理的な距離を知りたいと言う場合に有効なのではと思いました。
また、子どもが絵を描いているとき、「こんな風に描いてみたら?」、「こんどは黄色を使ってみたら?」、「筆は優しく扱いなさい」とかつい言ってしまいがちな方は普通の絵の具でかまいません、絵の具での対話を試してみてください。参加してくださったお母様方、本当にありがとうございました。感想やご意見が大変励みになります、コメントにてお気軽に送って下さいね。
にじみ絵
にじみ絵はシュタイナー幼稚園や小学校で子どもたちが親しんでいる絵画表現です。私がフランスで通っているアトリエや学ぼうと思っている絵画療法もこの手法のものです。翻訳途中の資料があったりして、まだこのブログではまだにじみ絵に関して書ききれていないのがはがゆいのですが、今後も関連ページを増やしていく予定です。現在までの関連ページはブログ右端「パリでシュタイナー」のラベルにまとめてありますのでお時間があればご覧下さい。
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