絵画治療としてにじみ絵を描くとき、私は、自分が自分の外の世界から受けた影響を観察することと同時に、「感情を体験し直している」と感じます。これをここでは主観的な行為ととらえています。自分の感情から離れて眺めること、自分の外側の世界が自分の内側に与えた変化(感情)を感じること、どちらも現在の自分を知り、未来に生かすための大事な振り返りだと思っています。
「日常の小さな一つ一つの事々によって自分がどのように変化したか、感じたか、と自分に問う作業」を不機嫌な気分になったときの例にあてはめて具体的にするならば「自分がどんな風に、どのくらい不機嫌になったかを後から意識的に体験し直すこと」です。
たとえば、周囲に過度に影響されて自分の気持ちがよくわからなくなってしまった人、トラウマを乗り越えようと苦しんでいる人は、まず自分の感情を「感じる」ことがまず重要になるのではと考えます。描くことは自分の感情に気づくと同時に、感情を少しずつ放出させる効果があるとおもいます。
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