2008年7月5日土曜日
小さな完ぺき主義者の処方箋
とある普通の仏家庭の子どもの世話をするようになって一ヶ月。
子どもたちの気質、親の子どもへの接し方などがだんだん見えてきた。
まず3歳のMARINE
食 食は細い、あまり興味がない。
好きな食べ物 フルーツ
食事のとき自分のフォークとナイフとスプーンが一つでもなかったり、間違ってユナのものがセットされていると軽くパニックになり激しく泣き出す。やりたいことができなかったり、意にそぐわないことがあるとひたすら泣く。結構引きずって30分くらいは泣き止まない。たくさん話すが小さい声でふにゃふにゃと話すので何をいいたいのか私はあまりわからない。「オムレット」のことを「オプレット」といったりするので幼さゆえのつたないしゃべりというところもある。体つきは華奢で顔は細長く全体的に鋭い印象。
2歳のYOUNA
食 食べることは喜び。気分によっては好きなものも食べない。
好きな食べ物 グリンピースとにんじんの缶詰の「汁」、ヨーグルト、パスタ、バゲットの内側の白いところ。
最近は自分でいろいろやってみたい時期らしい。自分でオムツからパンツに履き替えたいが、上手く出来なくていじがやけて軽くパニックになり泣く。でも手伝おうとするととても怒る。マリンのマネをしたい。言葉は3語くらいの短いフレーズ、もしくは単語と指差し程度。
外見は丸顔で愛嬌があり、愛されやすい。(実際両親はユナにたいしてはマリンに対してよりかなり甘い。声のトーンも少しあがる。)
お姉さんは割とこうなりがちだが、この家はかなり愛情の比重がユナにある。ちょっと気の毒。
そして2人とも神経の鋭いところがあり、自分に問題がおきると錯乱する。お母さんは弁護士でとてもしっかりした女性。お父さんもかなり厳しくするのもあり、2人とも強烈な完璧主義者の性質が感じられる。お母さんはとてもスリムにもかかわらず、台所の棚に大量のダイエット食品が積んである。日本人並みにサランラップを使ってフランス人にしてはかなり几帳面に食材を保存している。完璧を求める性質の遺伝が感じられる。
この家族への処方箋、それは
ずばり 「ユーモア」!!
こういう子どもにはリラックスが必要。
時には親が自分のまぬけな一面やふざけた一面を見せるのが一番。
この家族、とても真面目で健康や食事のバランスにもかなり気を使っていて、あまりチョコレートやおやつを与えないようにしている。メニューも肉と魚と野菜のバランスを考えて毎日準備する私のためにメモを残しておいてくれる。又、食事のときようの子どもの椅子が2人ともによういされているところは素晴らしい。食事のとき、市販のよだれかけや紙ナプキンで子どもの口周りを拭う家庭がほとんだだが、「これはとても便利なのよ。古くからアルフランスの知恵」といって「セルヴィエット」という白い布のナプキンを使っているのも素敵。
だけどお風呂上りに腹おどりとか(さすがにそれは普通しないか)は絶対しない生真面目さ、厳格さが残念。ユーモアが足りない。とくにお父さんの言動からは「子どもには大人の失敗知る姿は絶対に見せてはいけない」というような雰囲気がいつも漂っているのが私にも息苦しいぐらいだ。両親がすべてのオーガナイザーであることを子どもにわからせようとする高圧的な言葉賭け。私の苦手なフランスのしつけというやつだ。
もっと気楽に、楽しくやればいいのに~と思ってしまう。人間の多面性や息の抜きどころを両親から学ばずしてどう学ぶのか。私が割とすぐに子どもと仲良くなれるのは、子どもにバカをやってみせるからなのである。今日はわざと子どもに「ボンジュ~マダムプチコション(子豚)」「マダムプリンセス。アレジー(お姫さま こちらへ)!」などと呼ぶのが大好評で、「こんどはマダムバレン(くじら)って呼んで~!」などと言われて盛り上がった。
些細なことに目くじらを立てて子どもに言い聞かせているお父さんは、わき腹をこちょこちょくすぐってしかめっ面をなしくずしにしてしまいたくなるのだ。
怖くて出来ないけど。
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