「かくれんぼ」は誰もが経験したことのある遊びの一つだと思います。フランスではカシュカシュ(動詞のcacher=隠すから来ていると思う)と言います。
小さな子どものかくれんぼは「頭隠して尻隠さず」
私がフランスでみている子どもたちは兄弟二人ともかくれんぼが大好きです。このところ毎日お風呂に入った後、両親が帰ってくるまでかくれんぼをするのがお決まりのパターンとなっています。
トマは、お兄ちゃんのテオが先にお風呂に入っている間に、決まってとなりの部屋に隠れます。ある日トマがそこに隠れているのをわたしがすぐにみつけられなかったので、それ以後、かくれんぼというといつもそこに隠れるんです。
さすがに毎回同じ場所だと私もどこに隠れているか最初からわかっているわけですが、本人はものすごくうまく隠れたたつもりでいるので、「どこかなぁ~?」など言いながらうろうろしてから見つけています。何度やっても、ものすごくうれしそうです。
「かくれんぼ」のどこに面白さを感じているのか、何をもって「うまく隠れた」と思っているのか
最近は、お兄ちゃんのテオが「トマは今日もベッドに隠れているんだよ~」といって、私より先にトマを見つけることがあります。テオに「ほら、やっぱりここだよー」と見つけられたトマは「言うなーっ!嫌な奴め!」といってものすごい高い声で絶叫、顔を真っ赤にして怒ります。「そんなに怒らなくても」とおもわず笑ってしまったことがあるんですが、めざとく見つけられて「笑うなー!!」とすごい剣幕で怒られました。反省です。
彼は今、自分の姿をうまく隠すことにのみに関心があるようです。うまく布団にくるまることに楽しさを感じています。ですから、「一緒にかくれんぼしようよ、僕、赤ちゃんのベッドに隠れるんだ!」と、隠れる前に自分が隠れる場所を意気揚々と言ってってしまうことも度々です。テオに「いつもそこに隠れてるよね。だから僕もう知ってるんだ。」と言われても「ここが僕の一番いい隠れ場所なんだぜ!」と自慢気です。そして私に見つけられると「うまく隠れたでしょ?」と毎回(笑)。
ただ、もっとすごい例があって、それはベルギーのむすめちゃん(当時3歳、仮称)なんですが、彼女は鬼の真後ろで目をつぶって「隠れ」ていました(笑)
これは、幼い子どもは他の人の視点でものをみることができない、といういことをよくあらわしています。トマは足の先まで隠そうと熱心なので、当時のむすめちゃんよりは、ちょっと進んでいるのでしょう。
こうして子どもたちは遊びの中で他の人の視点に気づき、自分中心の思考から脱出していくんですね。この自己中心→他から見た自分の視点という変化は人間が自分以外の人への配慮や思いやりを学ぶ、初期のプロセスの一つと言えるでしょう。子どもの発達への本能が子どもを「かくれんぼ」という遊びに駆り立てています。だから、フランスでも日本でも世界中で「かくれんぼ」が幼い子どもに人気なのはまったく不思議なことではありません。大人はそのプロセスをこころゆくまで経験させてあげたいものですね。
2 件のコメント:
むすめちゃんは今5歳ですが、まだ同じ場所にかくれるのが好きです。。。そして、自分で「ここにかくれてるよ~」と言ってしまったり。
かくれんぼの進化をみていると子どもの成長がみれて
おもしろいですよね。
むすめちゃんの母より。
むすめちゃんのお母さんじきじきにメッセージ!ありがとうございます^^!そうそう、かくれんぼもなかなか奥が深いんですよね~。
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