「プロ弁護士の思考術」(矢部正秋 PHP新書)という本を読み始めたら、「考える遠近法」というのがでてきて、ちょうど考えていたことにヒットしたのでメモしておきます。
問題に適切に対処するためには、高所から風景の全体を見渡すことが大切である。しかし、遠くばかりを見て、足元の溝に落ちてはならない。ときに近くを見て、ときに遠くを見る「考える遠近法」こそが、自由自在に考えるために必要である。(P.6)
という箇所。
まず思い浮かんだのは、私の水彩のアトリエ。筆をとって、色彩にどっぷり浸り、自分の内に集中する活動と、画用紙から少しはなれて観察することを繰り返すことが非常に大切。
また、今週、大学の授業で口述発表で私がテーマに取り上げたレヴィ・ストロース。ボロロ族やナンビクワラ族とともに暮らす、フィールド・ワークをミクロの視点とすると、そこから彼らの社会構造を見い出し、彼らは野蛮ではなく、論理的な「野生の思考」の持ち主である、と結論し、西洋の常識を覆したのがマクロの視点。
レヴィ・ストロースは「考える遠近法」が非常に上手な人だと思います。よい思考のありかた。簡単なようですが、意識しないとなかなかできない。実行するのは意外と難しいものです。
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