2009年12月29日火曜日

文科省:平成22年度政府予算案の概要

文科省のHPから誰でも登録できるメルマガより「初中教育ニュース第129号」2009.12.28に平成22年度の政府予算案の概要が送られてきました。私には公立高校の授業料無償化が最も興味深いです。後半は愛知県は岡崎市の小学校の校長の文章です。ベルギー在住の当ブログ読者の方にはゆかりの深い土地だと思うので載せてみました。日本の初中等教育の雰囲気が少しでも感じられたら良いと思います。

【政府予算案】平成22年度政府予算案の概要(初等中等教育局関係)

12月25日、政府予算案が閣議決定されました。初等中等教育局関係は以下の通りです。〔単位:百万円(括弧内は前年度)〕

○公立高校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金の創設 
393,269( 0)
概要:家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、公立高校の授業料を無償化するとともに、私立高校生等については、高等学校等就学支援金を創設することにより、家庭の教育費負担を軽減する。

○義務教育費国庫負担金等  1,596,527(1,654,045)
概要:教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、新学習指導要領の円滑な実施を図るため、4,200人の教職員定数の改善及び7,000人の退職教員や社会人等の活用を図り、教員が教育に集中できる環境をつくる。

○全国的な学力調査の実施  3,317(5,780)
概要:義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、そのような取組を通じた教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。また、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。

○地域に根ざした道徳教育の推進 706(1,336)
概要:学校・地域の実情等に応じた多様な道徳教育を支援するため、全国的な事例収集と情報提供、自治体による多様な事業への支援を行うことにより、道徳教育の充実を図る。

○外国語教育の推進 258(900)
概要:小学校外国語活動の導入等、新しい学習指導要領の実施に向けた条件整備を重点的に実施する。なお、「英語ノート」等については、平成23年度の小学校第5・6学年の児童等に対しては、これまでどおり無償配布する。

○芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進 10( 0)
概要:コミュニケーション教育推進のための具体的な指導法の開発等を行うこととし、「子どものための優れた舞台芸術体験事業」における成果や課題などを活用しながら、芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進を図る。

○生徒指導・進路指導等の取組の推進 491(1,237)
概要:生徒指導・進路指導は教科指導等とともに初等中等教育段階における学校教育の根幹となる重要な要素である。生徒指導では、問題行動等が複雑化・多様化し、対応・解決が一層困難な事例が増加しており、進路指導では、生涯にわたるキャリア形成の基本となる能力・態度を育成することが重要となってきており、全国的な充実が課題である。これらの課題への対応・対策として、外部機関等との連携協力、専門的人材の活用、対応プログラムの開発など様々なアプローチにより、事業を実施し、その有効性の検証と成果の普及を図る。

○幼児教育の推進 20,526(20,515)
概要:幼児教育の推進を図るため、幼稚園就園奨励費補助による保護者負担の軽減、幼児教育に関する諸課題について調査研究などを行う。

○特別支援教育の推進 7,973(8,011)
概要:幼稚園から高等学校までを通じて,発達障害を含む障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子ども一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行うため、就学指導コーディネーター等の活用を含めた特別支援教育の体制整備を総合的に推進する。

○外国人児童生徒教育の推進 16(301)
概要:公立学校に在籍する外国人児童生徒数や日本語指導が必要な外国人児童生徒数の増加を踏まえ、外国人児童生徒の学習を総合的に支援する取組を行う。

○教員の資質向上 469(1,216)
概要:教員養成・採用・研修の各段階を通じて教員の資質向上を図るため、教員免許制度の抜本的な見直しを含め、教員の資質向上策について総合的な調査・検討等を行う。

○学校運営支援事業等の推進(コミュニティ・スクール等) 300(664)
概要:保護者、地域住民が学校の運営等に関わり、保護者と学校と地域の信頼関係を深めるために、コミュニティ・スクールや学校評価・情報提供等の学校運営の充実・改善の取組を一層推進する。また、「質の高い教育」を提供する理念のもと、全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し教育格差を是正するため、初等中等教育改革の推進、帰国・外国人児童生徒の受入体制の整備を図る。

詳しくは、文部科学省ホームページをご覧ください。
(※文部科学省ホームページへリンク)



□【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第32回)
〔生涯学習政策局生涯学習推進課〕

「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実施するものです。シリーズ第32回として、愛知県岡崎市の取組をご紹介します。
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学校・家庭・地域の連携を密にする「放課後子ども教室」

愛知県岡崎市立細川小学校長 佐宗正義
本校は全児童503名の郊外に位置する田園の多い学区です。通学区域も広いことがあって、帰宅後の遊び相手がごく限られた子に限定せざるを得ません。こうしたことから、「進んで地域の~人・もの・こと~に学び、地域と連携を深めて開かれた学校づくりをめざす」を毎年重点努力目標にあげてきました。このような学区の事情からか昨年開設された「放課後子ども教室」は当初から保護者の関心は大変高いものでした。用意されたPTA研修室だけではとてもスペースが足りそうもなく、対象学年を3年生までと限定し定員40名の登録制で試行的にスタートすることになりました。教室は後半分を畳で敷き詰め、周りに書架を並べて腰掛けても、座っても、寝そべっても自由に活動できるように環境を整えました。開設当初は、異学年交流はほとんど見られませんでしたが、徐々に室内外での遊び、ボランティアさんを囲んでの活動にごく自然に異学年交流が見られるようになリました。年長の3年生がリーダーとなっている集団ではほとんど争う姿は見られず、私自身が経験した年長者がまとめる子ども社会特有の集団を思い出させてくれました。今では無償ボランティアも、将棋、民謡、折り紙、読み聞かせ、書道と幅広い分野にわたって学区在住の方々の登録があり、子どもは自由参加ですが、高齢者の方々との交流を心待ちにしているようです。2年目の今年度も対象は3年生までとしましたが、定員3倍余の123名の希望者があり、2名の管理指導員だけでは目が届かないと懸念していたところ、保護者が毎日交代でボランティア見守りをしてくれることになり、希望者全員の登録を認めました。見守りの保護者も積極的に子どもの輪の中に参加してくれ、子どもの実態に触れることができ、よい勉強になると喜んでくれています。



さて、どんな感想を持ちましたか?「キャリア教育」、「外国人児童」など、ちらっと読みだけでも日本がどうしたいのか、ということはわかるんですが、「英語ノート」「教師の質向上」「生徒指導」など、私には「???」な言葉が目白押しです。文科省の提言や決めごとっていつも理想は立派だけど手段となると重要単語の切り張りみたいな印象なんですよね。思考が浅く「根」が無いと思います。日本にもすばらしい先生はいるんですがエリート教育推進派の「偉い」方の意見が強いようで、善良な市民代表的な先生が頑張って嘆願してもなかなか国民に届かないんですよね・・・。早期の外国語教育で巻き返そうというつもりなのでしょうが、またどうも方向を間違っているような・・・。きちんと教えられる教師もいないからとりあえずありあわせの教師でも対応できる「ノート」でっていうのなら、日本人の英語嫌いが進むだけのような気は・・・しないんでしょうね。やっぱりゆとり教育の痛手を味わってもこれってことは、なんでこんなに思いっきり方向を間違えてしまうんでしょう。私は「根」が無いからだと思っています。根がしっかりしていない植物はどんなに水や養分があっても実りません。ふわふわ浮き草のように世間の評価に翻弄されてうわべだけ取り繕っているようにしか感じられないのは私だけではないはずです。「英語」「外国語」教育と書くのも不思議です。異文化を知るための外国語という意味を込めたいのならフランス語もアラブ語も中国語もやって欲しいところですね。世界は英語圏だけでできているわけではありません。むしろその事実を教えることが異文化教育ではないでしょうか。ああ、本当に真意が理解できなくて困ります。

近況

今日明日と職場の研修です。研修先でシンクロニシティがあってちょっと運気が上昇している気がします。冬休みはやること山積みですが、とにかくするべきこと、目の前のことに没頭できるように頑張ります。

2009年12月18日金曜日

雪とクリスマス休暇のはじまり

今年2度目の雪が降りました。初雪はヴェルサイユのほうが早かったようで、パリに住んでいる人たちは今日が初雪と言っていました。それほど遠くないのに、お天気が違うのですね。

あまりよく降るので、交通機関の運行状況が心配だし、寒いし、雪用の靴は持っていないし・・・と、かなりくじけそうになりながらも午前中の講義に出てきました。今年度最後の授業でした。来週からはバカンスで大学も閉まるのでずっとしなければと思っていた前期に登録した授業の追加と確認も済ませたので、行った意味はまあまあったものの雪で郊外線が徐行運転になり息は大幅遅刻、帰りは途中の駅でなぜか降ろされて寒い中電車をまつはめになったりと、やはり交通機関に多少影響がでていて往復で約4時間半ちょっとかかりました。(通常は3時間)いつもは本を読むか課題を進めるかしている道中ですが、今日はひたすらぼーっと窓の外を眺めていました。冬景色ってほんとうにいつもと違う世界のように見えます。パリに住んでいるとほとんど観ることのないであろう遠まきからのこの景色は郊外に住む人の少ない特権といったところでしょう。

私の良く使う線はラデフォンスのビル群をつき抜けパリの左半分をなぞるように大回りして下り、その後南西のヴェルサイユに向かって進むのですが、途中エッフェル塔、サクレクール寺院、凱旋門が一度に観られます。景観もさることながらこれらをさえぎる高い建物がないということにいつも感心してしまいます。


午後は9月からレギュラーでしているチャイルドシッターをしてきました。子どもたち(6歳の女の子と3歳の男の子)は降り積もったふかふかの雪に興奮気味。学校から戻るとそのまま庭で遊びはじめ、あっという間に大きな雪だるまをつくってしまいました。子どもたちは寒くてもとても元気。むしろ雪のおかげでますます元気でした。仕事おさめだったこともあり子どもたちと家族からそれぞれクリスマスのプレゼントをいただきました。家族からは雪の結晶の模様がついたかわいらしい陶器、子どもたちからは私の似顔絵のプレゼントでした。私がなぜかインディアンの格好をしている楽しい絵でした。わたしはというとお気に入りのお店でずいぶん前にこの日のために購入していたスウェーデンの木のおもちゃを男の子に、天然素材の子ども用ブラシを女の子に、家族には夕食に日本のカレーをつくりました。

「また来年ね、よいクリスマスを!」という挨拶をするといよいよ今年も残りわずかという感じです。日本よりも一週間くらい休暇の始まりが早いのでどうも慣れないのですが、とりあえず、今日はホットワインで乾杯です。

2009年12月15日火曜日

セラピーワークの画材について

2月24日から始まるアートセラピーワークに必要な画材のなかでとくに事前購入をおすすめ
するものについての詳細です。


パステル(アルテミス)
http://www.pentagram-paris.com/p4r128-artemis-craies-pastel.html


ブロッククレヨン(ストックマー)
http://www.pentagram-paris.com/p4r110-blocs-cire-stockmar-waldorf-mix-dans-une-boite-metallique.html



その他、お手玉も入手困難かと思います。手作りするのがよさそうです。ネットで検索するとたくさんでてきます。

パリの画材屋さん&手作りお手玉の会ができたらな~と思っています。

2009年12月14日月曜日

アートセラピー連続ワーク@パリ開催!!



日本から講師をお呼びしての本格的な芸術治療のトレーニングワークです。

フランス在住の方々のためにシュタイナー研究家で、日本で多くのワークを開催されてきた江口一政さんが日本より渡仏し、短期集中型の特別プログラムを組んでくださることになりました!

同じハウシュカ理論ベースの芸術治療をパリで学んでいる日本人が江口さんの日本での活動を知り、メールでの交流がはじまったのがこのワークが実現する運びとなったきっかけです。江口さんはシュタイナー研究家でもあり、日本語でおはなしを聞けるまたとないチャンスです。

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日 時:2010年2月24日(水)~26日(金)
    3日間連続6コマ(1日2コマ)

    ①10:00~12:00
    ②13:00~15:00

場 所:パリ市内を予定

参加費:210ユーロ(6コマ分全納)
    お休みされても返金は致しません

持ち物:パステル 15色~
    ブロッククレヨン(シュトックマー社)
    画板(600×450mm)
    カメラ(記録用として、デジカメ、携帯電話でも可)
    お手玉(2~3個)

申込先:ブログ左上のEMAILアドレスへお名前、電話番号(任意)、をお知らせください。
    

※ 画板は代用ができますが、パステル・ブロッククレヨンは必須です。パステルに関してはホルベイン社のセミハードタイプがおすすめですが、フランスでは手に 入りにくいです。フランスではシュタイナー学校で使われるアルテミス社のものがおすすめです。植物性の優しい色合いです。上記画材を購入できるお店は限ら れています。こちらからネットで注文ができます。フランス現地スタッフおすすめのお店です。
→ペンタグラム http://www.pentagram-paris.com/



内容:

■アートワークとは何か どんなことをするのか
現代人の特徴として、とても思考的に生きています。物事を考え、理解し納
得しないと行動できません。よく質問を受けるのですが、言葉で聞いて頭で
理解できるようなことならば、わざわざアートワークを使う必要はないはず
です。そこには自分の知覚、感覚を通しての体験でしか認識できないこと(自
分の内側の積み重ね)をアートワークで行います。
具体的には、パステル、クレヨン、色鉛筆、水彩、粘土、木炭などを使い、様々
なテーマに沿って表現してもらいます。自分から外に出された表現は、その
人のその時の状態を表しています。それをまず見て、良く観察し、そして知り、
受けとめ、受け入れ、更に変化し昇華する事で本当の自分になっていく過程
を学びます。

■アートワークを通じて学べること その目的
アートワークの過程は人生を歩む事に似ています。人生に起こる様々な障害
(問題や病気など)は、歩む人生の導き手でありサインです。同じ様にアート
ワークを行うプロセスで起こる課題は、各々の眠っている自分への導きのサ
インです。それは、アートの先に自己教育、そして更に自己調整、自己治癒へ
とつながると考えます。アートを通して、段階的に自分を見つめ、無意識下
に眠っていた自分、または様々なこだわりや思い込み、執着を発見し、本当
の自分になっていこうとするところに学び(教育)があり、そのハードルを1
つ1つクリアしていくところに変化(治癒)が起こっていきます。

■3回(6コマ)コースでできること
素材に馴染み、素材を通して、自分の様子を段階的に知ることができます。
そして表現する事への抵抗をなくし、自分へ向き合う為の準備ができます。
(個人差はあります)


※前日23日にはイントロダクションもかねて講師紹介と軽食をとりながらの懇親会を行う予定です。23日については参加費5ユーロ+軽食実費(懇 親会参加希望者のみ)です。よくわからないのでいきなりワークに参加するのは不安、という方はまずこの前日のイントロダクションに参加されることをお勧め します。イントロダクションでは参加に当たってのワークへの取り組みの姿勢など、心構えについて詳しくお話を聞けるチャンスです。当ワークに参加希望の 方、ご興味のある方、質問などはお気軽にメールにてお問い合わせください。

♪フランススタッフよりコメント♪
当ワークはアートセラピーを地味~にライフワークにしている私が、江口さんのワークに参加したいがために思い切って立ち上げたイベントです。これ までの交流ですでに多くの気づきがあり、このイベントの実現までのプロセス自体に重要性を強く感じており、私の中でのワークはすでにスタートしています。 参加を検討しているあなたのワーク当日までのプロセスにおいても、さまざまなレベルでの自分と向き合いがあり、ワークまでたどり着くことを願っています。 この告知を目にした時点から、またはここにたどりつく前のあなたの心の有り様から、このワークの一部ということがいえます。ワーク当日までの導き手になる ような、言葉をみつけたらこのコミュのトピックにのせていきますからこまめに遊びにいらしてください。遠方で今回は参加できない方にもワークを通して橋が かけられたらうれしいです。

広告を置いてくださるお店や、置きに行ってくださる方は随時募集しています。また、
興味のありそうなお友達をご存知でしたら、ぜひ教えてあげてください。

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