2009年12月29日火曜日

文科省:平成22年度政府予算案の概要

文科省のHPから誰でも登録できるメルマガより「初中教育ニュース第129号」2009.12.28に平成22年度の政府予算案の概要が送られてきました。私には公立高校の授業料無償化が最も興味深いです。後半は愛知県は岡崎市の小学校の校長の文章です。ベルギー在住の当ブログ読者の方にはゆかりの深い土地だと思うので載せてみました。日本の初中等教育の雰囲気が少しでも感じられたら良いと思います。

【政府予算案】平成22年度政府予算案の概要(初等中等教育局関係)

12月25日、政府予算案が閣議決定されました。初等中等教育局関係は以下の通りです。〔単位:百万円(括弧内は前年度)〕

○公立高校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金の創設 
393,269( 0)
概要:家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、公立高校の授業料を無償化するとともに、私立高校生等については、高等学校等就学支援金を創設することにより、家庭の教育費負担を軽減する。

○義務教育費国庫負担金等  1,596,527(1,654,045)
概要:教員が子どもと向き合う時間を確保するとともに、新学習指導要領の円滑な実施を図るため、4,200人の教職員定数の改善及び7,000人の退職教員や社会人等の活用を図り、教員が教育に集中できる環境をつくる。

○全国的な学力調査の実施  3,317(5,780)
概要:義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、そのような取組を通じた教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。また、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。

○地域に根ざした道徳教育の推進 706(1,336)
概要:学校・地域の実情等に応じた多様な道徳教育を支援するため、全国的な事例収集と情報提供、自治体による多様な事業への支援を行うことにより、道徳教育の充実を図る。

○外国語教育の推進 258(900)
概要:小学校外国語活動の導入等、新しい学習指導要領の実施に向けた条件整備を重点的に実施する。なお、「英語ノート」等については、平成23年度の小学校第5・6学年の児童等に対しては、これまでどおり無償配布する。

○芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進 10( 0)
概要:コミュニケーション教育推進のための具体的な指導法の開発等を行うこととし、「子どものための優れた舞台芸術体験事業」における成果や課題などを活用しながら、芸術表現を通じたコミュニケーション教育の推進を図る。

○生徒指導・進路指導等の取組の推進 491(1,237)
概要:生徒指導・進路指導は教科指導等とともに初等中等教育段階における学校教育の根幹となる重要な要素である。生徒指導では、問題行動等が複雑化・多様化し、対応・解決が一層困難な事例が増加しており、進路指導では、生涯にわたるキャリア形成の基本となる能力・態度を育成することが重要となってきており、全国的な充実が課題である。これらの課題への対応・対策として、外部機関等との連携協力、専門的人材の活用、対応プログラムの開発など様々なアプローチにより、事業を実施し、その有効性の検証と成果の普及を図る。

○幼児教育の推進 20,526(20,515)
概要:幼児教育の推進を図るため、幼稚園就園奨励費補助による保護者負担の軽減、幼児教育に関する諸課題について調査研究などを行う。

○特別支援教育の推進 7,973(8,011)
概要:幼稚園から高等学校までを通じて,発達障害を含む障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子ども一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行うため、就学指導コーディネーター等の活用を含めた特別支援教育の体制整備を総合的に推進する。

○外国人児童生徒教育の推進 16(301)
概要:公立学校に在籍する外国人児童生徒数や日本語指導が必要な外国人児童生徒数の増加を踏まえ、外国人児童生徒の学習を総合的に支援する取組を行う。

○教員の資質向上 469(1,216)
概要:教員養成・採用・研修の各段階を通じて教員の資質向上を図るため、教員免許制度の抜本的な見直しを含め、教員の資質向上策について総合的な調査・検討等を行う。

○学校運営支援事業等の推進(コミュニティ・スクール等) 300(664)
概要:保護者、地域住民が学校の運営等に関わり、保護者と学校と地域の信頼関係を深めるために、コミュニティ・スクールや学校評価・情報提供等の学校運営の充実・改善の取組を一層推進する。また、「質の高い教育」を提供する理念のもと、全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し教育格差を是正するため、初等中等教育改革の推進、帰国・外国人児童生徒の受入体制の整備を図る。

詳しくは、文部科学省ホームページをご覧ください。
(※文部科学省ホームページへリンク)



□【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第32回)
〔生涯学習政策局生涯学習推進課〕

「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実施するものです。シリーズ第32回として、愛知県岡崎市の取組をご紹介します。
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学校・家庭・地域の連携を密にする「放課後子ども教室」

愛知県岡崎市立細川小学校長 佐宗正義
本校は全児童503名の郊外に位置する田園の多い学区です。通学区域も広いことがあって、帰宅後の遊び相手がごく限られた子に限定せざるを得ません。こうしたことから、「進んで地域の~人・もの・こと~に学び、地域と連携を深めて開かれた学校づくりをめざす」を毎年重点努力目標にあげてきました。このような学区の事情からか昨年開設された「放課後子ども教室」は当初から保護者の関心は大変高いものでした。用意されたPTA研修室だけではとてもスペースが足りそうもなく、対象学年を3年生までと限定し定員40名の登録制で試行的にスタートすることになりました。教室は後半分を畳で敷き詰め、周りに書架を並べて腰掛けても、座っても、寝そべっても自由に活動できるように環境を整えました。開設当初は、異学年交流はほとんど見られませんでしたが、徐々に室内外での遊び、ボランティアさんを囲んでの活動にごく自然に異学年交流が見られるようになリました。年長の3年生がリーダーとなっている集団ではほとんど争う姿は見られず、私自身が経験した年長者がまとめる子ども社会特有の集団を思い出させてくれました。今では無償ボランティアも、将棋、民謡、折り紙、読み聞かせ、書道と幅広い分野にわたって学区在住の方々の登録があり、子どもは自由参加ですが、高齢者の方々との交流を心待ちにしているようです。2年目の今年度も対象は3年生までとしましたが、定員3倍余の123名の希望者があり、2名の管理指導員だけでは目が届かないと懸念していたところ、保護者が毎日交代でボランティア見守りをしてくれることになり、希望者全員の登録を認めました。見守りの保護者も積極的に子どもの輪の中に参加してくれ、子どもの実態に触れることができ、よい勉強になると喜んでくれています。



さて、どんな感想を持ちましたか?「キャリア教育」、「外国人児童」など、ちらっと読みだけでも日本がどうしたいのか、ということはわかるんですが、「英語ノート」「教師の質向上」「生徒指導」など、私には「???」な言葉が目白押しです。文科省の提言や決めごとっていつも理想は立派だけど手段となると重要単語の切り張りみたいな印象なんですよね。思考が浅く「根」が無いと思います。日本にもすばらしい先生はいるんですがエリート教育推進派の「偉い」方の意見が強いようで、善良な市民代表的な先生が頑張って嘆願してもなかなか国民に届かないんですよね・・・。早期の外国語教育で巻き返そうというつもりなのでしょうが、またどうも方向を間違っているような・・・。きちんと教えられる教師もいないからとりあえずありあわせの教師でも対応できる「ノート」でっていうのなら、日本人の英語嫌いが進むだけのような気は・・・しないんでしょうね。やっぱりゆとり教育の痛手を味わってもこれってことは、なんでこんなに思いっきり方向を間違えてしまうんでしょう。私は「根」が無いからだと思っています。根がしっかりしていない植物はどんなに水や養分があっても実りません。ふわふわ浮き草のように世間の評価に翻弄されてうわべだけ取り繕っているようにしか感じられないのは私だけではないはずです。「英語」「外国語」教育と書くのも不思議です。異文化を知るための外国語という意味を込めたいのならフランス語もアラブ語も中国語もやって欲しいところですね。世界は英語圏だけでできているわけではありません。むしろその事実を教えることが異文化教育ではないでしょうか。ああ、本当に真意が理解できなくて困ります。

近況

今日明日と職場の研修です。研修先でシンクロニシティがあってちょっと運気が上昇している気がします。冬休みはやること山積みですが、とにかくするべきこと、目の前のことに没頭できるように頑張ります。

2009年12月18日金曜日

雪とクリスマス休暇のはじまり

今年2度目の雪が降りました。初雪はヴェルサイユのほうが早かったようで、パリに住んでいる人たちは今日が初雪と言っていました。それほど遠くないのに、お天気が違うのですね。

あまりよく降るので、交通機関の運行状況が心配だし、寒いし、雪用の靴は持っていないし・・・と、かなりくじけそうになりながらも午前中の講義に出てきました。今年度最後の授業でした。来週からはバカンスで大学も閉まるのでずっとしなければと思っていた前期に登録した授業の追加と確認も済ませたので、行った意味はまあまあったものの雪で郊外線が徐行運転になり息は大幅遅刻、帰りは途中の駅でなぜか降ろされて寒い中電車をまつはめになったりと、やはり交通機関に多少影響がでていて往復で約4時間半ちょっとかかりました。(通常は3時間)いつもは本を読むか課題を進めるかしている道中ですが、今日はひたすらぼーっと窓の外を眺めていました。冬景色ってほんとうにいつもと違う世界のように見えます。パリに住んでいるとほとんど観ることのないであろう遠まきからのこの景色は郊外に住む人の少ない特権といったところでしょう。

私の良く使う線はラデフォンスのビル群をつき抜けパリの左半分をなぞるように大回りして下り、その後南西のヴェルサイユに向かって進むのですが、途中エッフェル塔、サクレクール寺院、凱旋門が一度に観られます。景観もさることながらこれらをさえぎる高い建物がないということにいつも感心してしまいます。


午後は9月からレギュラーでしているチャイルドシッターをしてきました。子どもたち(6歳の女の子と3歳の男の子)は降り積もったふかふかの雪に興奮気味。学校から戻るとそのまま庭で遊びはじめ、あっという間に大きな雪だるまをつくってしまいました。子どもたちは寒くてもとても元気。むしろ雪のおかげでますます元気でした。仕事おさめだったこともあり子どもたちと家族からそれぞれクリスマスのプレゼントをいただきました。家族からは雪の結晶の模様がついたかわいらしい陶器、子どもたちからは私の似顔絵のプレゼントでした。私がなぜかインディアンの格好をしている楽しい絵でした。わたしはというとお気に入りのお店でずいぶん前にこの日のために購入していたスウェーデンの木のおもちゃを男の子に、天然素材の子ども用ブラシを女の子に、家族には夕食に日本のカレーをつくりました。

「また来年ね、よいクリスマスを!」という挨拶をするといよいよ今年も残りわずかという感じです。日本よりも一週間くらい休暇の始まりが早いのでどうも慣れないのですが、とりあえず、今日はホットワインで乾杯です。

2009年12月15日火曜日

セラピーワークの画材について

2月24日から始まるアートセラピーワークに必要な画材のなかでとくに事前購入をおすすめ
するものについての詳細です。


パステル(アルテミス)
http://www.pentagram-paris.com/p4r128-artemis-craies-pastel.html


ブロッククレヨン(ストックマー)
http://www.pentagram-paris.com/p4r110-blocs-cire-stockmar-waldorf-mix-dans-une-boite-metallique.html



その他、お手玉も入手困難かと思います。手作りするのがよさそうです。ネットで検索するとたくさんでてきます。

パリの画材屋さん&手作りお手玉の会ができたらな~と思っています。

2009年12月14日月曜日

アートセラピー連続ワーク@パリ開催!!



日本から講師をお呼びしての本格的な芸術治療のトレーニングワークです。

フランス在住の方々のためにシュタイナー研究家で、日本で多くのワークを開催されてきた江口一政さんが日本より渡仏し、短期集中型の特別プログラムを組んでくださることになりました!

同じハウシュカ理論ベースの芸術治療をパリで学んでいる日本人が江口さんの日本での活動を知り、メールでの交流がはじまったのがこのワークが実現する運びとなったきっかけです。江口さんはシュタイナー研究家でもあり、日本語でおはなしを聞けるまたとないチャンスです。

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日 時:2010年2月24日(水)~26日(金)
    3日間連続6コマ(1日2コマ)

    ①10:00~12:00
    ②13:00~15:00

場 所:パリ市内を予定

参加費:210ユーロ(6コマ分全納)
    お休みされても返金は致しません

持ち物:パステル 15色~
    ブロッククレヨン(シュトックマー社)
    画板(600×450mm)
    カメラ(記録用として、デジカメ、携帯電話でも可)
    お手玉(2~3個)

申込先:ブログ左上のEMAILアドレスへお名前、電話番号(任意)、をお知らせください。
    

※ 画板は代用ができますが、パステル・ブロッククレヨンは必須です。パステルに関してはホルベイン社のセミハードタイプがおすすめですが、フランスでは手に 入りにくいです。フランスではシュタイナー学校で使われるアルテミス社のものがおすすめです。植物性の優しい色合いです。上記画材を購入できるお店は限ら れています。こちらからネットで注文ができます。フランス現地スタッフおすすめのお店です。
→ペンタグラム http://www.pentagram-paris.com/



内容:

■アートワークとは何か どんなことをするのか
現代人の特徴として、とても思考的に生きています。物事を考え、理解し納
得しないと行動できません。よく質問を受けるのですが、言葉で聞いて頭で
理解できるようなことならば、わざわざアートワークを使う必要はないはず
です。そこには自分の知覚、感覚を通しての体験でしか認識できないこと(自
分の内側の積み重ね)をアートワークで行います。
具体的には、パステル、クレヨン、色鉛筆、水彩、粘土、木炭などを使い、様々
なテーマに沿って表現してもらいます。自分から外に出された表現は、その
人のその時の状態を表しています。それをまず見て、良く観察し、そして知り、
受けとめ、受け入れ、更に変化し昇華する事で本当の自分になっていく過程
を学びます。

■アートワークを通じて学べること その目的
アートワークの過程は人生を歩む事に似ています。人生に起こる様々な障害
(問題や病気など)は、歩む人生の導き手でありサインです。同じ様にアート
ワークを行うプロセスで起こる課題は、各々の眠っている自分への導きのサ
インです。それは、アートの先に自己教育、そして更に自己調整、自己治癒へ
とつながると考えます。アートを通して、段階的に自分を見つめ、無意識下
に眠っていた自分、または様々なこだわりや思い込み、執着を発見し、本当
の自分になっていこうとするところに学び(教育)があり、そのハードルを1
つ1つクリアしていくところに変化(治癒)が起こっていきます。

■3回(6コマ)コースでできること
素材に馴染み、素材を通して、自分の様子を段階的に知ることができます。
そして表現する事への抵抗をなくし、自分へ向き合う為の準備ができます。
(個人差はあります)


※前日23日にはイントロダクションもかねて講師紹介と軽食をとりながらの懇親会を行う予定です。23日については参加費5ユーロ+軽食実費(懇 親会参加希望者のみ)です。よくわからないのでいきなりワークに参加するのは不安、という方はまずこの前日のイントロダクションに参加されることをお勧め します。イントロダクションでは参加に当たってのワークへの取り組みの姿勢など、心構えについて詳しくお話を聞けるチャンスです。当ワークに参加希望の 方、ご興味のある方、質問などはお気軽にメールにてお問い合わせください。

♪フランススタッフよりコメント♪
当ワークはアートセラピーを地味~にライフワークにしている私が、江口さんのワークに参加したいがために思い切って立ち上げたイベントです。これ までの交流ですでに多くの気づきがあり、このイベントの実現までのプロセス自体に重要性を強く感じており、私の中でのワークはすでにスタートしています。 参加を検討しているあなたのワーク当日までのプロセスにおいても、さまざまなレベルでの自分と向き合いがあり、ワークまでたどり着くことを願っています。 この告知を目にした時点から、またはここにたどりつく前のあなたの心の有り様から、このワークの一部ということがいえます。ワーク当日までの導き手になる ような、言葉をみつけたらこのコミュのトピックにのせていきますからこまめに遊びにいらしてください。遠方で今回は参加できない方にもワークを通して橋が かけられたらうれしいです。

広告を置いてくださるお店や、置きに行ってくださる方は随時募集しています。また、
興味のありそうなお友達をご存知でしたら、ぜひ教えてあげてください。

2009年11月27日金曜日

大統領とコネがある人以外はディプロムを

ちょっと貧血気味で、朝が少しつらいです。血の気のある身近な出来事を一つ。



Union nationale des étudiants de France(UNEF)


パリ13大学のセミナーに出たときに、大学の前のバス停で大変目につくポスターがありました。


学生連合組合は学生が連帯して、学生の権利を主張したり、大学改革に反対するストを起こしたりします。日本ではあり得ないくらいのかなりどぎつい主張のこもったポスターが学生運動の元気な大学にはよく見られます。彼らにとって保守派政党のトップであるサルコジ大統領は何よりの敵です。

今回のポスターは最近話題になった23歳の大学生で大統領息子のジャン・サルコジ氏のラデフォンスの地区整備公社l'EPADの次期官庁への次期就任をめぐっての痛烈な批判です。まあ、2年ほど市の幹部をやっていたとはいえ、大学2年生に在学中にこのようなポストあきらかにコネなので、学生のみにとどまらず、市民から「納得できん」という多くの批判にさらされて、結局自ら辞退することになったようです。

関連記事フィガロ(仏)

今回のはジャン・サルコジ氏の顔がばーん、と出ていて、


仕事を見つけるならサルコジに連絡しよう!

年齢:23歳
学歴:学士2年目
給料:月8500ユーロ
推薦者:サルコジ大統領

他のすべての学生のために、高等教育機関を民主化しよう。
(わたしが見たポスターには「他のすべての学生は、高等教育機関のディプロムをとりましょう」とありました。)

一番下に、「あなたもニコラ・サルコジに志願書を送ろう!unef.frに連絡を」

とあって、unefのページにいくと、サルコジ大統領に彼の息子と同じ長官ポストへの志願書を送りつけられるページがあり、志願書の前文を読むことがえきます。内容をざっと読んでみると

「大統領殿、ディプロム取得状況とは裏腹に、若者の失業率は28パーセントにもなっています。自分は学位取得が一番よい方法と信じ、経済的な苦しさを乗り越えてディプロムをとりました。それでも研修や短期契約のポストしか見つかりません。でも、先日もっとよいほかの方法をみつけました。それは、推薦されることです!。あなたは求職者を支える力があるように思われます。 ジャン・サルコジ氏になされたeラデフォンスの整備公社長官へのポスト提案は私にとって興味深いです。私は高等教育 機関のディプロム取得したのでをあなたにこれを渡すチャンスがあります。月8500ユーロの給与は今の状況からまちがいなく抜け出せるし独立した住居も見 つけられます。普通は雇用者は私たちにディプロムを求めるし、短期契約の仕事つくのにだってたくさんの経験を求めます。でもあなたの介入のおかげで、以後は ディプロムと経験がなくても・・・・」

等々好き放題彼らの主張が書かれてあり、学生ならではユーモアと皮肉満載でかなり笑えます。


経済的な困難にも負けずに学位を取った、という一文は日本の大学のべらぼうに高~い学費からすると、だれでも無料で入れる大学の制度があるのに経済的なつらさを訴えるなんて、要求しすぎでは?と見える部分ですが、いわゆる「成功者、勝ち組」になるための切符であるグランゼコールでの就学に関しては、学校によってはそれなりに親の収入がないと払えない額を払わなければはいれなかったり、社会階層によってほとんど生まれたときからグランゼコールにいくようなコースを歩むことが不可能だったりするので、そういった大学以上のすべての高等教育機関社会格差、不平等にたいする不満がこめられているのです。

フランスのグランゼコールについて
日本ではフランスのグランゼコールの位置づけについてはまだあまり知られていません。フランスの大学というと、日本人に思い浮かぶのは多分「ソルボンヌ大学」と呼ばれるカルチェラタンの大学でしょう。しばしば、ネット上でもソルボンヌ大学がフランスの最高峰の教育機関であるかのようにたかく評価されているのをしばしば目にします。しかし、実はフランスの大学というのはバカロレアという高校卒業時期に受ける試験に合格した学生は、どの大学にも受け入れてもらえます。学部の得意分野、伝統もありますから、なにを基準に見るかによるかと思いますが、ナポレオンの時代から、フランスの社会の重要どことを担うのはグランゼコールの卒業生と決まっています。そして、このグランゼコールに入学するには、日本以上に厳しいともいえる選抜に勝ち抜かないといけません。「エリート」育成に関して言えば、超競争社会です。学費は学校によりますが商業やMBAなどは日本の大学以上に高いところもあります。今詳しくは確認しないのではっきりいいませんが、年間数十万円とか、学校によっては100万円、200万円とかするところもありと聞きます。フランスでは、「国民すべての人に等しく学ぶ機会を」をスローガンにすべての国立の教育機関の授業料を無料としていますが、じつはフランスの社会を動かすエリートへの道は大学にはほぼ皆無といってよく、ごくごく限られた人にしかその道は開かれていません。

話の方向がそれました。フランスの教育システムについてはまたの機会にまた詳しく触れたいと思います。とにかく普通の学生が声を上げるというのは日本では68年の学生運動以降ほとんどないことですが、ここフランスでは共産主義がまだまだ左の代表として普通の大学生の味方的な印象があり活発に活動しています。去年の大規模な大学改革の余波もあり、学生が政府に声をあげるということがいたって日常の風景としてあります。

日本はというと、世襲議員ばかりの政界、政治に無関心な若者たち。「親の七光りは許さん!」と学生が徒党を組んで主張をする、というこはまずあり得ないですね。学生連合組合のストには極端で暴力的な活動を指揮するコミュニストとのつながりがあることなど指摘されていて、決してそれらすべてを肯定、援護するものではありませんが、「どうせ変わらない」「自分には関係ない」と言う声がすぐに聞こえてきそうな日本の若者(自分も日本人で若者ですが棚にあげます)には、血の気の多いフランスの若者のエネルギーを空輸して注射したいくらいです。新型インフルエンザにも勝てるかも。

そんなことを思いながら最寄の駅に着くと、駅前の献血カーがとまっていて、寒い中、カフェを一杯やっているフランス人達が列をなしていました。

「ただでさえ寒くてエネルギー使うのに他の人に渡す分の血があるなんて、やっぱり体力あるな。しかも外で立って待つの無理~。」

なんてふらふらしながら「血」の違いを感じたのでした。

輸血でもしたら私もちょっとフランス人っぽくなるんでしょうか・・・。



2009年11月24日火曜日

アートセラピーのアトリエ 

イザベル先生が名刺をつくってきていました。私が取り組んでいるのは「土」です。一ヶ月ほど同じ紙で「わたしの土」を描いています。とくに見本はなく、イメージしながら好きな色で描きます。

私も携帯の待ちうけ画面も実は、この自分の「土」の一週目に描いたものに設定しています。記録用に、と思って携帯に記録しただけだったのですが、これがなかなかよいのです。ちょっと疲れたときなどに、そっと携帯をのぞくだけでかなり癒されます。とくに授業中など、頭が「思考」に傾いているときはとてもよい効果があるようです。今日からはお財布の裏ポケットに先生の名刺を入れて持ち運べる「癒し体験」の環境改善です。

写真は後ほど。

社会学系の授業


インタヴュー

今日は行動学、社会分析学系のセミナーの課題で、パリのとある独立行政法人のオフィスに出かけて、インタヴューをしてきました。ここの行政法人が抱えているとある問題に関してインタヴューを行うためです。幸い教授のアシスタント的な役割をしている社会学者の先生がとても親身な先生で、外国人留学生である私によさそうなクライアントをみつけてあげる、と優しいお声をかけていただきました。アフリカ人と聞いていたのに、フランス人の女性でしたが、すごく聞き取りやすいフランス語だったのにはかなり救われました。2週間後には報告・分析のためのセミナーがあるので早急に録音したインタヴューを原稿に起こさないとなりません。やってもやっても新たな課題が溜まっていきます・・・。


社会学
私の通う大学の社会学部は3年目以降は教育科学部に吸収されるかたちになっているので、教育科学学部における社会学系の授業であるにもかかわらず、それほど教育寄りでなく、普通にどっぷり社会学というものが多い気がします。教育学というと、先生を目指す人のための学問というイメージがありそうですが、教育学はとんでもなく幅の広い学問です。社会学、心理学、精神分析学、言語学、美術、とにかくなんでも「教育」という観点からふれている場合、教育科学をしている、といえる、という感じです。興味は尽きませんが、あまりに幅がひろいのも困り者です。

2009年11月22日日曜日

internet復旧

約一ヶ月前からネットのモデムが故障して、ネット難民となっていましたが、ようやく本日モデムを買いに代理店にいくことができて、つい先程復旧しました。大事なメールを読む程度しかできなかったので、ブログを更新するのは後回しになっていたので、書きたいことがメモ帳にたくさんたまってしまいました。ぼちぼちアップしていく予定です。

2009年11月8日日曜日

余談 娘ちゃんとハロウィン

ブリュッセルでハロウィンの夜、娘ちゃんのうちに狼とかぼちゃのおばけがやってきました。その日はハロウィンの夜だったので、上の階に住む小学生の男の子たちが仮装してお菓子をもらいにやってきたのです。

ものすごくリアルな凶暴そうな狼のマスクにに一同ぎょっとしつつ、ありあわせのお菓子を用意。その間、むすめちゃんは目をまんまるにして、怖いながらも目をそらせない様子。 お母さんが用意してくれたお菓子を男の子に渡すときも無言でひたすら凝視。「でも、ほんとうのおばけじゃないよ!」と娘ちゃん。

彼らが帰った後は、早速再現にとりかかるのが娘ちゃんらしいところです。親戚の結婚式でもらって大事にとってあった砂糖菓子の包みをおもむろに開いて、ソファの上からばら撒きはじめました。

ん?何か違う・・・・?

そう、彼女が経験したことのあるお菓子に関するイベントごとのなかで一番印象にのこっているのは、この夏、イタリアで結婚式に参列したときの人々が砂糖菓子を投げるシーン・お菓子を渡す、というハロウィンのこの場面で彼女のなかでなにかがフラッシュバックしたらしいのです。

「お菓子くれないと、いたずらしちゃうぞ、って言ってね。そしたら投げて、そしたら拾うのよ!」とアクセル全快のむすめちゃんでしたが投げたそばから愛犬Bちゃんがお菓子をねらっているし、床に落ちたお菓子は食べられないし・・・ということで、ひとつひとつ折り紙にくるむことにしました。

それからお面もあったほうがいいということになりました。
「何のおばけがいい?」とたずねると「こわ~いおおかみ!」と即答する娘ちゃん。

ストックマーのクレヨンとLAYLAの色鉛筆で色をつけると「こわ~いおおかみ」どこかメルヘンチックでやさしい仕上がりになりました。

※娘ちゃんはステイ先の5歳の女の子です。とても元気!

2009年11月3日火曜日

いちばんはじめのクリスマスのおはなし


今日は外遊びの会の主催で、以前から準備をしていたクリスマスの人形劇劇をしました。
お人形は会員のお母さんの有志の方による手作りの力作です。丸みを帯びてふわっとした雰囲気がとても愛らしいお人形です。ベビーカーできた小さな子から小学生までのさまざまな年齢の子どもたちとお母さん方が参加してくださいました。

日本ではクリスマスといえば、サンタクロース、もみの木、プレゼントという3点セットをまず思い起こされる方が多いことと思います。クリスマスの本当の意味に触れる機会をもってもらえたらと思って、今回はベルギーにやってきました。待降節の前にクリスマスの生誕劇をどうしても子どもたちにみせたくて、時期的にはて少し早いのですが秋休みで仕事がないのと大学がたまたま授業のない時期が重なり、チャンス!と思い、このお話をするためにやってきました。

遠方から出かけた先でこうしたお話会をするに際しては、毎日顔を合わせる幼稚園の先生と子どもとは関係性がまったく違います。テーブル劇をはじめてみる子、私と会うのがはじめての子の心をお話に向けられるようにいざなうところで大変な注意を要します。お話をしっかり頭にいれて、お人形のよい動かし方を確認することはできても、子どもたちをいかにお話へといざなうかという部分はその場でないとできないことで、おもしろいところでもあり、ドキドキするところでもあります。(育児サークル等のリーダーや読み聞かせの読み手をされる予定のある方、してみたい方は絵本自体の読み込みや活動のコンテンツの準備に目が向きがちになるかと思いますが、そこへどう子どもたちの意識をいざなうかというところもぜひ意識してみてください。)今回は「おはなしこびとさん」とお母さん方のご協力で静かなお話のひとときをもてたこと、ありがとうございます。

今日はシュタイナー系のピアニスト西原さんもご参加くださって、本当のクリスマスの意味について劇の後にお話を伺うことができたのは非常にうれしいことでした。

待降節を前に、クリスマスを迎える準備をはじめられ、本当のクリスマスになじみの薄い私たち日本人には今日はちょうどよい準備の時節だったように思えてきました。

暗い世の中で、赤ちゃんイエスの誕生を信じて待っていた人々の「信じて待つ」という行為はわたしたちが忘れてしまっていることです。「子どもの育ちを信じて待つ」こともまた。。。

2009年11月1日日曜日

お話会 10月31日

今日はブリュッセルの外遊びの会の主催で会員の保護者向けのおはなし会を開きました。テーマは「自分が好き、といえる子に」でした。日ごろの子育てのお悩みについてのお話についてみなさんと意見交換と日本の子どもの自己肯定間の低さについてなどが主な内容でした。自分が好き、といえる子どもになるには、お母さんやお父さん、身近な大人に「あなたが大好き」といわれることが必要でしょう。自分が愛されている自身がある子どもは人にも優しくできます。優しくされたことがないのに、もしくは十分愛をもらっていると自分が感じていないのに、他の人に自分の愛情をわけようとは思えません。自分の子どもの自慢をするよりは自分の子どもの悪いところを言い合うのは、すべての国の人に共通するものではありません。日本人の謙虚な国民性も絡んでいるのでしょうが、それでも、例えば親同士のおしゃべりの中で、子どものマイナス面をはなしているときにそれを子どもが聞いてしまうことなどは、注意して咲けることができるでしょう。子どもは基本的には褒められたいです。母親というのはいつも子どもと一緒にいるし、子どもが一番甘えられる存在なので、よいところよりも、子どものわがままさなど、悪いところばかり目だって見えます。それでも、他のお母さんから見れば、ものすごくうらやましく見える部分もあったりするものです。このあたりはお母さん方同士で具体的に他のお子さんのよいところを話あったりして、みんな「よその子」はよいところもきちんとみているのに、自分のお子さんのよいところにはなかなか気が付かないというのが面白いところでした。どんなことでもよいので、一日最低3回はその子のありのままを受け止めてあげるための言葉がけをしてみる、というのはどうでしょう?うまくできたことをを褒めるのではなくて、なるべく当たり前とおもっているようなことを喜ぶとよいと思います。しっかり2本足で歩けることだってよいのです。なにかできたときばかり大喜びするのも考えものです。むしろ、「なにもできない自分でも、間違ってしまった自分でも、お母さんは自分のことを大好きでいてくれる。」と子どもが思えるように声をかけたり、スキンシップを取りましょう。

子育てには唯一一つの正解はありません。誰かにアドバイスをもらっても結局は自分がどうするかです。お話会終了後は自分の内面と向き合うことの大切さについて話が膨らみました。
母親としてでも、妻としてでもない、自分自身とじっくり向き合う時間。子育てをしながらなかなかとれるものではありませんが、参加者の中にはセラピストのブログを読んで子そだてとは切り離して、自分の心の持ちようについて考える時間をもつことでずいぶん子育てに対しても気持ちがかわって悩みがなくなった(あるけれど気がかりにならなくなった)という方もいらして、非常に深いところまで話をすることができました。参加してくださったみなさん、お忙しい中どうもありがとうございました。

11月2日は外遊びとクリスマス人形劇があります。お楽しみに~。

※今回紹介したテキストは塩見先生の「親子ストレス」佐々木正美先生の「子どもへのまなざし」という本です。外遊びの会の文庫で貸し出ししています。

2009年10月31日土曜日

ブリュッセルにショートステイ中

またまたブリュッセルに来ています。外遊びの企画で明日10月31日に保護者向けのお話会、11月2日には親子で楽しめるクリスマスの人形劇をする予定です。10月は書きたい記事がなかなか書けずあっという間に終わってしまいました。11月は内容は短くてもちょくちょくこ更新したいと思っています~。

2009年10月9日金曜日

お茶会&人智学協会の公開講座参加イベント


mixi「パリでシュタイナー」コミュニティからイベントのお知らせ☆



 
<日時> 10月24日(土) 15時00 


<待ち合わせ場所> メトロ 4番線 VAVIN 駅 改札


<参加費> 実費のみ

お茶代実費+講座参加費(学生5ユーロ、一般7~10ユーロ)


<タイムスケジュール>

15:00~ 近くのカフェでお茶 
        
17:15~ 人智学協会の公開講座

講師: ミシェル・ヨセフ 

テーマ:

« Comment un acte devient-il libre lorsque se rencontrent son motif qui s'individualise et son mobile qui s'universalise ? »


19:30 頃  講座終了後解散


<内容詳細>

親睦や情報交換のためのお茶会&公開講座参加のイベントです。

お茶会では私からはこの冬開催予定のシュタイナー系のイベントのお知らせをしたいと思っています。

楽しい交流の会になればと思います。お茶会の場所は近くのカフェ、場所はその場で決めましょう。

コミュニティの参加者を対象としています。コミュニティには mixi「パリでシュタイナー」コミュニティ

からどなたでもご参加いただけます。


ご注意:

・公開講座にお子さんは連れてゆけません。

・たまたまパリのご旅行予定の方もご参加いただけます。

・お茶会だけ、講座だけの参加もokです。


<参加申し込み方法>

■ mixiで申し込み

当コミュ管理人までmixiのメッセージでこのイベントに参加される旨、お名前、mixiのニックネーム、携帯の電話番号(任意)お知らせください。追ってこちらの連絡先をご連絡いたします。

■当ブログで申し込み

今ご覧の方はメールアドレスにお名前、携帯番号をお知らせください。メールアドレスは右上のプロフィールにあります。コメント欄は見落とすことがあるので必ずメールでお願いします。

☆講座だけの参加希望の方はその旨もお知らせください。

☆私も参加者の一人です。講座に関するお問い合わせは直接人智学協会までお願いします。


この会を通してよい出逢いががありますように。

2009年10月8日木曜日

大学シーズン開幕 大学の友達

今日はPARIS13大学とPARIS8大学の授業を午前午後と一コマずつ受けてきました。大学の授業は日本の倍で一コマ3時間。久しぶりに長時間フランス語漬けになりました。このハードな感じ、本格的に「シーズン開幕!」といった趣です。

パリ13大学の方は初めてだったので、教室の場所がわからず、今日は違った意味で苦労しました。学部の事務室で教室を聞こうにも、受付に人がいないのでそれすらわからず、パリ8大学に学校電話で問い合わせてもつながらなず、ようやく見つけた教育科学学部の掲示板に表示してあった教室にいってみたところ、そこには見たことのない教授が。その教室の学生に聞いたところ私の授業はF318号室に変更になったといわれたのでF棟にいってみると、今度はF棟の案内に300~316までしか番号がない・・・。結局教室をみつけたのは到着から約1時間後、そこは、最初に探したF棟の「元」316号室。よくみると、なんとF316号室の「6」をだいぶ昔に油性マジックかなにかで「8」に変えてあるではありませんか。自分のクラスを見つけるのも能力の内、とでも言わんばかりの不丁寧さ。「わからなかったらその辺の人に聞け。」なんですね。ご丁寧に変更先の部屋を掲示板に書いてくれるとは限らない。これがフランス流、と思えどなかなか慣れません。


それでも大学に行くのが結構楽しい私。今日特筆すべき良かったことは台湾人の女の子たちと友達になったことです。研究テーマがかなり近く、しかも日本に留学していたので日本語がわりと話せる人だったのでした。メンタリティの近いアジア人は一緒にいるとかなり安らぎます。授業の前や行き帰りの電車の中などで私は中国語を彼女から、彼女は日本語を私から教わるという交換授業をすることにしました。なんと私と同じ県に在住だったので明日は一緒に学校に行きます。




大学エントリーをつくるか迷ったのですが、いまのところ大学系の記事は「教育」のトピックにまとめます。

2009年10月7日水曜日

シュタイナー関連 公開講座情報


人智学協会の公開講座 スケジュール


OCTOBRE 2009

3 octobre Maurice Le Guerranic : « Capital – Travail – Marchandise, trois concepts fondamentaux de la vie sociale à comprendre pour réaliser la tri-articulation de l'organisme social. »

10 octobre – Dr Marc Villégas : « La pensée est-elle immortelle ? Thomas d'Aquin contre Averroès. »

17 octobre – Mia Boutemy : « Le processus U – dans la biographie des hommes et des organisations (cosmobiographie pratiquée par Mia Boutemy). »

avec projection de transparents

24 octobre Michel Joseph : « Comment un acte devient-il libre lorsque se rencontrent son motif qui s'individualise et son mobile qui s'universalise ? »

31 octobreJean-Paul Hornecker : « Les archanges, leurs pays et leurs langues. »

直接問い合わせしたいことがあるので、いづれか一回でも参加したいと思ってます。出席できる日があったら直前に管理人をしている「パリでシュタイナー」に一緒にいきませんか?のイベントをのせますね。月末はベルギーへ行くので31日以外、多分17日(土)になると思います。

今度のブリュッセルでの企画はクリスマスのイエス様生誕劇です。そろそろ練習を始めます。





2009年10月5日月曜日

早起きは三文の徳

ようやく学費を支払い学生証を手にしました。

さらっと書くとこれ一行ですが、フランスでは学生証をもらうだけでも結構なドラマがあります。

実は前回あまりにも学生課が込んでいたのですでに今日は2度目のリベンジでした。7時30に家をでて会館の9時ちょうどに到着し半日はつぶす覚悟でした。

5分前に到着、すでに並んでいる人は2人だけ。雨ざらしの中待っていると後から来た男子学生に「あっちで待ったら濡れないよ」と5メートルくらい離れた建物の下で待とうといわれたけれど、ちゃんと並べない国フランス、そんなことしたら99パーセントの割り込み率が予想されます。(コレに関しては前回のNUIT BLANCHEのエントリーをどうぞ。)彼の提案はなんとなくかわしてそのまま待ちました。

9時になったのにまだ仕事の前の一杯、とコーヒーをゆっくり片付けておしゃべりしている建物の中の事務員の方々に「さむいよ~雨で濡れるよ~、とりあえず中で待つから入れてよ~」と視線で訴えかけること数分、無事3つの窓口の一つにトップバッターで処理してもらうことができました。

私と同じ頃から待っていた第一陣の人が手続きをはじめて1分もしないうちに10人くらいの列ができていました。手続き関係は何でも2倍くらい手間取ることを想定して準備万端にしておかないと、大変なことになります。

首尾よく一番でブースにたどり着いたものの、学生課のコピー機が調子が悪くて。学生証の修士課程の入学許可証課程承諾書のコピーが何度やっても紙詰まりでグシャグシャになって出てくるという、アクシデント発生、1「もしや、また出直しか?」とブースについてもドキドキしっ放しでした。結局グシャグシャの書類コピーを手アイロンで伸ばしてなんとか学生証と交換してもらいました。明日が期限なのでぎりぎり間に合いました。

ついでに掲示板を見に事務室へ行ったところ、昨年度のクラスメイトとばったり会って情報交換。10月1日から授業の登録が始まったらしいので、そのまま秘書室で登録を済ませて、興味のあるほかの学部の授業の登録の仕方も聞くことができたので結果オーライ。

教訓:学校の手続きは準備万端にして朝一で行くべし。

2009年10月4日日曜日

NUIT BLANCHE


昨日は育児サークルを見学&お手伝いした後、パリに繰り出しました。

目的は

NUIT BLANCHE

直訳すると白い夜ですが、徹夜するという意味があります。

パリの市庁舎や教会、建物の壁などに光と映像をつかったとコンテンポラリーアートが出現し、人々が夜通しそれらを観て歩き回るパリ市公認の夜のアート散歩イベントのようなものです。ゲイであることをカミング・アウトしたパリ市長ドラノエ氏の発案で始まって、たしか、今年で8回目の新しく始まり、割と定着したパリ行政公認のイベントです。

私は2年前に参加したのが初めてで今回が2回目。

出やすく帰りやすいパリの中心シャトレ地区の

サント・スタッシュ教会
ポンピドゥーセンター
ノートルダム寺院

のあたりに行ってきました。夜に身軽に動けるのが独身の特権!と少し粋がって帰りは深夜バス覚悟で出かけたものの、人の多さと眠気のために、お目当てのリュクサンブールの界隈の展示も見ずにパリ中心部の展示があるあたりを1時間~1時間半くらい散策して、終電に乗って帰って早々に退散してきました。

面白かったことといえば展示内容よりは、この国の列の作り方。

まったく、超のつくほどの適当さなんです。

一番並んでいたノートルダム寺院ときたら、

並んでいるのか並んでいないのかわからない

どこが最後尾だかわからない

よく観る列はなんとなくできているだけで整備役の人はなく、ガードマンが入り口付近の並んでいない人だかりをどんどん入れているという、生真面目に並ぶのが無意味な状態になっていました。私の観察では並んでいるのはフランス人よりは観光客(英語や他の言語がよく聞こえたので)が多く、横からどばーっと入っていくのはフランスの人のようでした。

企画者のイベント説明が動画でみられます(仏語)
http://www.evous.fr/musique/Nuit-Blanche-2009-concert,8119.html

プロフィール

自己紹介

ご訪問ありがとうございます。パリ郊外に住んでいます。パリ大学教育学修士。最新記事に簡単にアクセスできるRSSリーダー購読がおすすめ。励みになるのでお気軽にコメントください。

趣味

2009年9月29日火曜日

パリ大学院新年度の始まり

9月28日(月)

ようやく大学がはじまりました。6月半ばで授業が終わったような気がするのでなんだかんだで約3ヶ月半くらい大学から遠い生活をしていました。

今日は修士課程の第一日目、内容説明のためのオリエンテーション的授業がありました。教授がずらっと並んで自己紹介、シラバスを観ながら2時間の説明、その後は生徒たちが6人くらいのグループをつくって、午後の質問の時間に備えつつお互いの研究計画や授業のプランのことを話す時間でした。

私は昨年度、何度かクラスが一緒だったフランス人の女の子、パリ8の社会学部から来た女の子
アメリカはフィラデルフィアからフランスに来て2年の社会学をやっていた女の子、北アフリカ出身と思われる文学部から編入した女の子、思春期の男の子に奮闘中、仕事もしているアフリカ出身のご婦人という構成のグループで話し合いをしました。大学を卒業しているかそれに準じる経験を学位と認めれたかして来ている学生なので、当たり前ではあるけれど学生の問題意識ややる気は学士のときよりやや高いと感じました。


パリ8大学の修士課程はパリ13大学と共同で研究チームを組んでいるので、キャンパスも2つ、教授陣も2つの学校に分かれ、選んだ授業によってあっちこっちと行くことになります。

Université paris 13 nord
http://www.univ-paris13.fr/


授業のタイプは

伝統的な毎週一回のスクーリング型
2日、もしくは3日間の集中型
ハイブリッド型
通信教育(Eラーニング)

と4つあり、働いている人や病気の人、育児中の人でも学べる配慮がされています。

前期は4つの分野、後期は5つの分野から大体2単位ずつとることになります。各分野の中にハイブリット授業やスクーリング授業があって、内容もそれぞれ違うので授業のスケジュールはかなりややこしい!

私と友人はすでに知っている教授もいたし、パリ8の多種多様な授業の形態についても経験があったので、シラバスを読むだけで大体のところは決めていたので、初めてパリ8で学ぶ学生に情報を提供するのが主になりましたが、修士論文のテーマについてもう決めたか、将来どんな職に就きたいか、就けるのか、という話になって他の学生の状況や考えを知ることができました。

これまでの自分と似たような歩み、学びをしてきた人、似たような問題意識を持つ人たちと、一緒に学んでゆけるというのはすごく恵まれたことですね。仕事でも何でも興味深いところはあるし、学ぶこともあるけれど、授業に出ているときは、本当に居たいところにいる自分を実感します。本来一日出席するべき授業を早々切り上げたとはいえ、モチベーションの維持のためや交流のためにもやっぱりスクーリングにして良かったと思いました。

2009年9月14日月曜日

大学卒業と新年度の準備


大学修了と修士課程入学


9月17日(木)の委員会の決定で、学部を無事修了することができました。
なにが一番大変だったかというと、実は語学や課題提出もろもろよりも何よりも体力と時間を学業にあてる気力、精神力を保つことでした。

というのも私は私費留学生なので、自分でなんとか生活費も工面しないといけなかったからです。3つの家族の育児・家事ヘルパーを掛け持ちしてあっちこっちで仕事をしながら学業も、というのは今思ってもよくやったな、と思います。

でも、大学に行くことは私にはとても楽しみなことだったし、このような状況でもなんとか学位が取れたのは大きな自信になったし、くじけずに続けて本当に良かったと思っています。大学を進めてくれた友人や支えてくれた友人、人生の先輩方に感謝しています。


修士課程の内容


同じ大学の学部修了生はほぼ自動的に修士課程への登録を受理されるので(実はこの進級システムがよくわかっていなかったのでひやひやしていたのですが)同時に大学院入学のお許しも得られました。正式に認められるまでは何が起こっても不思議ではないフランス。これでようやっとほっとできた次第です。大学卒業して修士から留学、というのがフランス留学のよくあるパターンですから、一般的にみれば、ようやくスタートラインに立たった、という程度なのかもしれませんが、学士をこちらでしたことは私自身の学びとしては大変価値のあることだったので、非常に良かったと思っています。

さて、そういうわけで、また「フランスの大学院」という未知なるゾーンへ突入しました。修士のカリキュラムは主にセミナー出席と課題提出もしくはテストや口頭発表、そして30枚から70枚程度の修士論文の作成です。

セミナー形式の授業は集中して2日間だったり、3ヶ月のうちの3日間だったり、毎週決まった時間だったりと日程がまちまちで非常に予定が立てにくいのが難点です。シラバスをネットでダウンロードして授業内容を調べ、興味のあるものを中心に予定組み立ててますが、教授に実際会って、授業で話を最低1コマ分くらいは聞かないと、わからないことが多いので、せっかく組み立てた予定も絶対変更ないとは
いえません。


通学のメリット、デメリット

多いときはほとんど毎日週5で通っていた通学の負担が少しは軽減されそうですが、それでも私は最初の一コマ目は時間の都合の付く限りどの授業にも出てみたいので、やはり仕事をしながら通学するのはハンデがあります。けれども実際に授業に出ることには大きなメリットがあります。

それは

・先生の意図や考え方がよくわかる。
・いやおうなくフランス語を長時間聞くことになるので語学力維持になる。
・モチベーションを保てる。
・クラスメイトと直接交流ができる。特に働きながら通学している人の話を聞けるのは貴重。

などたくさんあります。

パリの大学のいくつかには通信で受けられる学部もあり、通信で続けることも考えましたが、それでもやはり通学するメリットを考えて、通学することにしました。

今年度は仕事を極限まで減らして人間らしい生活を心がけます(笑)。

2009夏ベルギー外遊びの会滞在まとめ


2009年8月19日から31日までベルギーのブリュッセルの活動記録です。
活動に参加したブリュッセルの育児サークル「外遊びの会」での催しのまとめ記事です。

各催しの詳細にこの一覧からアクセスできます。

ブリュッセル外遊びの会に到着
おしゃべりサロン(子育て勉強会)テーマ「子どもの褒め方叱り方」

外遊びの会Wolvendael公園と室内遊び
おしゃべりサロン2(子育て勉強会)テーマ「子どもと楽しく食事をしていますか?」
外遊びの会 ストッケル 野原でかけっこ
おしゃべりサロン3(子育て勉強会)テーマ「しつけはどこまで厳しく?
絵本講座
外遊びの会 お買い物とすいとん作りの回
外遊びの会 番外編 ゲンクの民芸博物館
ブリュッセルの絵本屋さん 


10日間という短い滞在だったのですが、いままで滞在したどの時よりも、参加者のみなさんと深く交流することができたと実感しています。今年は毎日なにか催しがあったので、毎日のようにお会いできた方が多かったからだと思います。

外遊びの会はいまのところまだそれほど大きな組織ではなく、ベルギーのお母さんたちによる小さな手作りの会ですが、だからこそ誰もが参加者であると同時に主催者側にもなれます。誰も参加しなければ、会の存続さえ危うくなってしまうような心もとなさがある反面、「こんなことしてみたい」という人がいれば、どんなことも実現できる可能性があり、いかようにも発展していくことが可能ということですね。外遊びの会がこれまで歩みを進めてくることができたのは、この会をはじめられたKさん以外にも、参加する方の積極的な関わりがあったからなのでしょう。

私は、これからも大好きなブリュッセルの外遊びの会がすこやかに育って、ずっと続いて行って欲しいと思います。今、参加者は主にお母さんと子どもですから、わが子のためにとある程度の年齢までの参加を考えていらっしゃる方が多いかと思いますが、ほんとうのところ、参加者ご本人は子育て支援の担い手でもあります。かかわり続ける人がいることにより、会が発展し、それが社会貢献になるからです。

いつか会を卒業した人たちが世界中に「外遊びの会」をつくる、なんていうのも楽しそうですね。実際日本にいてもパリにいてもできることはたくさんあります。私も積極的な参加者の一人としてこれからもいろいろな形でつながっていたいと思います。

次回はクリスマスの人形劇をしに、11月に数日滞在する予定です。

これからもよろしくお願いします。

2009年9月3日木曜日

ゲンクの民芸博物館(外遊びの会番外編)

8月30日(水)


外遊びの会のご家族を募ってのお出かけ企画がありました。ブリュッセルから車で一時間ほどのゲンク(オランダ語だとゲンキと発音するようです)という町にあるテーマパークにいってきました。


入り口付近の並木道お天気ですが、肌寒く秋の気配がほんのり。



昔の村をそのまま再現しているところで、古い家の中には当時の服装のスタッフが手仕事をしたり、スープをつくったりしています。暖炉の火は本物です。ここではおばさんが編み物をしていて、手作りの人形が買えるようになっていました。

家の外観はこんな感じ。

竹馬のような遊具。ここは子どもたちに大人気でした。一日ここで過ごせそうなほど。屋内にも素朴な遊具がたくさんありました。



パン屋さん。大きな田舎パンがたくさん並んでいました。


陶芸が体験できる家。小学校中・高学年くらいかとおもわれる子どもたちが、足でまわすろくろをつかってや陶芸体験をしていました。すごくたのしそうでした。


ボードゲームの小屋。すごろくやドミノ、ビンゴなどが各テーブルにセッティングされていました。子どもたちにはむずかしいものも多かったのですが、独自のルールを考えてそれなりに楽しくやっていました。よく見ていると、すごろくもルールがめちゃくちゃだったりしますが、なぜかそれでも続くんですよね。

ベルギーの最後の日曜日、普段はなかなかお顔のみえないお父さんたちにもお会いできてたし、一日のんびりすごせたし、良い一日となりました。

2009年9月2日水曜日

お買い物と手作りすいとん汁(外遊びの会8/28)

8月28日(金)

この日は、夏休み最後の外遊びの会ということで、いつもと一味ちがったお買い物イベントを企画してみました。みんなでおやつのお味噌汁の材料を買いにいくというものです。もちろんいつもどおり親子での参加になりますが、子どもたちにお財布をもたせて、「くださいな」というのをやってもらいました。

午前中たっぷり公園で外遊びして、公園でピクニックランチをした後、みんなで近くの八百屋さんに出発しました。







個人商店の果物と野菜を売る店まで徒歩約20分。お店には買い物に来ていた他のお客さんがすでに列をつくっていて、待てない子もいるかな?と思いましたが、お母さんと一緒によく並んで待ち、みんな買い物をすることができました。

お買い物は、八百屋のおじさんに欲しいものを伝えて、とってもらうスタイルです。スーパーとはずいぶん勝手が違うので、いつもスーパーで買い物を済ませているお母さんや、ベルギーに来て間もないお母さんの中には子どもたち同様ドキドキのお買い物体験だったのではないでしょうか。



主催者のお宅へもどって、お味噌汁に入れるすいとん作りもしました。やわらかくて肌触りのよい小麦粉の生地は冒険した後にほっとしたい子どもたちを癒してくれたようで、みんな熱心に丸めて、たくさんのかわいいすいとん団子ができあがりました。プログラムを立てるときには静と動のリズムが交互に繰り返されるように気をつけています。お味噌汁は大人気であっという間に間食。いつも家ではあまりお味噌汁を飲まないという子が、このときは何度もおかわりしていたというお母さんも嬉しい声も聞こえてきました。たくさん野菜が入っているので、本当においしいし自分が作ったすいとんが入っているのもうれしいですね。「わたしのつくったすいとんが入ってる!」と口々に言うのがすごく可笑しかったです。思い入れがある食べ物をいただくとさらに食事が楽しいものとなりますね。みんなで食べる喜びもさらにお味噌汁をおいしくしてくれたのでしょう。


生涯毎日つづく食事のときを、「楽しい時間」と思える経験はとても大切だと思います。




八百屋のおじさんにもらったおつりを宝物のように大事にポケットにいれていた女の子、その子にとっては、お金の価値以上に貴重なものになったようです。

2009年8月26日水曜日

絵本講座

8月27日(木)絵本講座



大人のための絵本講座をしました。

ブリュッセルの外遊びの会会員のお宅での本講座と(参加者7名)16時から出張での絵本講座(参加者2名)と1日に同じ内容で場所を変えて2回実施しました。

内容は家庭での絵本の楽しみ方、いい絵本の選び方、読み聞かせの会などで子どもたちに絵本を読むときのポイント、読み聞かせが成功するためのサポートのポイントなどをおはなししました。


絵本の時間はお母さんとの幸福なひととき

子どもたちは、絵本を読んでもらうとき、その内容よりもまず、読み手(親や大人)と、絵本を介して
楽しいひと時がもてるということを大変よろこびます。その点で絵本は親と子の愛情たっぷりのコミュニケーションのために一役かってくれる媒体であるということです。ご家庭で絵本を読むというときになにか困ったり、悩んだりすることがあったら、この基本事項に立ち返るとよいでしょう。絵本の良し悪しよりもなによりもまず、その時間が親と子の喜びの時間であることが大事です。もちろん読み手との幸福なひと時が、よりよい絵本とともにあれば、やはり、もっと上質で豊かな時間になります。そこで、質のよい絵本の選び方が気になってくるわけです。絵本がよいものであればおざなりに読んでも良いかといえば、そうではなく、やっぱり愛情の感じられる雰囲気で読んであげることはどうしたって抜きにはできない一番大切なことなのです。

おしゃべりサロン3(子そだて勉強会)

8月25日(火)今日のテーマは「しつけはどこまで厳しく?」というテーマで開きました。

まず、しつけとは何なのか?わたしのイメージでは「~しなさい」というやつが「しつけ」です。

例えば

「~してはいけません」
「それはダメ!」
「~しなさい」

など子どもに何かを禁止したり、何かをなんとかしてさせようとするものです。

どんなにやさしく言ったところで、子どもはその内容が「命令」であることや「押し付け」であることはすぐに感じ取ります。言われることで余計に反抗したくなります。そこでお母さんはもっと強い口調で同じことを繰り返しいわなければならなくなります。そして子どもももっと意固地になり頑張る。そのうち大人の堪忍袋の緒が切れて最後は雷が落ちる、というパターンは参加者のお母さん方もほぼ毎日経験して頭を痛めていらっしゃるようでした。

では、しつけというのは命令口調でしかできないのでしょうか?

わたしはそうではないと思っています。

命に関わるような危険なことを止めるときには厳しくてもいいとおもうのですが、どんな些細なことにも同じように厳しく叱るというのはどうでしょうか?

そもそも、しつけというのは「帰ってきたら手をきちんと洗う」とか「食事のときはいすに座って食べる」とか何か目的があるのですから、目的が達成されればいいのですよね。

厳しくすることが一番よい方法なのでしょうか?目的を達成するのに一番近道だから厳しくするのでしょうか?

参加者のみなさんに「しつけってこわーく怒らないとできないことなんでしょうか?」「しつけって怒ったり怒鳴ったりすることなんでしょうか?」と聞きました。これはお母さん方が胸の中で自問してみるだけでもよいとおもったので、お答えを聞いたわけではなかったのですが、おそらく、みなさん、そうではないんだけれど、と思われたのではないでしょうか?「別に好きこのんで怒ってばかりいるわけじゃない、私だってもうすこし楽に子どもが言うことを聞いてくれたらうれしいと思うけれど、どうしたらいいのかよくわからない。だから悩んでいる。」という方が多いのではないでしょうか?


厳しくしているお母さん方の日々のストレスというのは相当に強そうですし、私も、やっぱり違うと思うのです。一番よいのは目的に親子ともできるだけストレスなくたどり着くことができ、かつ、子どもがきちんとなぜそうしなければいけないのかがきちんと理解できる方法は?

親子のストレスについて考えていくと、子どもが反抗したくなるような声のかけ方は逆効果で、やってみたくなるような声かけが大事でなはいでしょうか。そして、よい生活習慣をしっかり身に着けるという点で考えてみると、子どもが大人に怒ったり怒鳴ったりされるから、「しない、してはいけない」というそのときだけの理解ではなく「なぜそうしなければいけないのか」を本当に理解して、親がいないところでも実行できるようにするために、子どもがなるべく身をもって体験すること(頭だけでなく心から理解すること!)が大切で、大人はそれらを最大限に援助してやることが望まれているのではないでしょうか。


具体的にはまず、

「~してはいけません」よりは「~したらどう?」

「それはダメ!」よりは「~だったらいいよ」

「~しなさい」よりは「一緒にやろう」や「こうしたらできるんじゃない?」

というように努力しようという心持ちで子どもと接するということは、明日からでもすぐにできると思います。もしこれまで呪文のように「~ダメ!」とつい言っていたとしたら、意識し直すのは決して簡単ではないでしょう。でも、うまくできなかった、ということを考えるようになったというだけでも十分意味があるのです。無理せず、できることから続けていけばストレスに感じずにすみます。また、子どもの変化はすぐには目に見えるものではないので忍耐強く続けることが必要で、本当に大変なことですが、続けていたらいつかきっと子どものちょっとした言動を「これが成果かな?」とうれしく感じる一瞬がくると思います。

「育児」は、子どもを育てることでもあり、実は子どもに育てられることでもあります。決して一方通行ではないはずです。子育てをすることで自分もまた育てられる。そこを忘れてはならないと思います。

じつは「しつけ」という言葉には、親から子への一方的に命令し、行動を正す、というような印象があり、
私は非常に抵抗を感じる言葉なのですが、だからこそ、「しつけ」という言葉をテーマにいれて、実はそうではないんだ、ということをほんの少しでもお伝えしたいと思ったのでした。

子どもを育てていくうちに育児に関する悩みと出会ったとき、じつはそれは少しおおげさに聞こえるかもしれませんが、親になるもっと以前のこれまでの過ごし方により培われた価値観や性質、特徴、つまり自分自身との対峙であることは多いのではないかと思います。ですから、悩みにぶつかったときに「これは自分と向き合うよい機会」とまで思えたとしたら、自分自身の人間力というか、底力のようなものを成長させる好機となると思います。子育てをしていく中では自分の根底をゆるがすような問題を子どもに突きつけられることもあるかもしれません。けれどもそうしてことあるごとに自分と向き合い、立ち止まり、学びつづけられる人間はどこまででも何歳でも成長でき、とても豊かに生きられると思います。大人もずっと、生涯、学び続けるのです。

実は私が幼児教育の現場を離れ、今、お母さんや、お母さんにこれからなるだろう人の子どもとの接し方についていろいろ考えるようになったのは、子どもと接しながら、ある部分で自分が子どもに成長させてもらったという実感と、大人が学ぶこと、学び続けていくことの喜びや意味などを感じるようになったからに他なりません。大学院では「生涯教育」をテーマに教育を考えていけたらと思っています。しっかりと自分に向き合あう育児をしようとするお母さんにとっては育児はやはり大変豊かな学びのときとなると思っています。

2009年8月25日火曜日

外遊びの会8月24日


今日はストッケルの森へいってきました。

アスレチックや遊具はほとんどなく、野原があるばかりのところですが、子どもは自然さえあれば遊べるんですね。落ち葉をあつめて「落ち葉のシャワー」にしたり、お相撲をしたり、ひろい野原でかけっこをしたり、みんなで手をつないで「なべなべそこぬけ」やハンカチおとしをしたりと楽しい遊び方はつきませんでした。

雨がぽつぽつ降り出しても「もっと遊ぶ!帰りたくない!」というくらい子どもたちがとても楽しんでいました。写真は森の広場でのおやつの時間です。りんごのジャムをのせていただくクッキーと焼きおにぎりです。どちらも手作りです。あっというまになくなるくらいの人気ぶりでした。


室内では積み木やおままごとのほか、絵本もたくさん読みました。

手遊びのリスト
「しあわせなら手をたたこう」
「いっぴきの子ねずみが」
「ずいずいずっころばし」

絵本のリスト
「ぐるんぱのようちえん」
「わたしのワンピース」
他にもたくさん

☆読み聞かせ参加希望の方へお知らせ

絵本の読み聞かせと手遊びの時間を楽しみにいらしてくださる方がたくさんきてくださってうれしいです。会ではさまざまな年齢の子どもたちが一緒にひとつの絵本をみることになるので、内容はシンプルかつ大きいお子さんでもたのしめるような本を選んでいます。絵本の読み聞かせは食事の前後もしくはおやつの前後、解散前にすることが多いです。集合時間に集まった子どもたちの遊びの様子、おなかのすき具合、その日のお天気などなどにあわせて、頃合をみますので前後することはあります。読み聞かせに子どもを参加させたいという方は、できるだけ外遊びの会のはじまりの時間から参加されることをおすすめします。

2009年8月24日月曜日

おしゃべりサロン2(子そだて勉強会) 

二回目のおしゃべりサロン。今回のテーマは「子どもと楽しく食事をしていますか?」ということで食事にまつわるお悩みについての意見交換とアドバイス中心の内容でした。


まとめる時間があまりないので以下、使用したテキストの抜粋をのせるのみですが・・・。

苦手な食べ物があって、当たり前、食べたくないときもある。それでも一週間ぐらいの幅を通してみるとバランスが取れていて、子どもが元気な様子なら心配ないでしょう。そのくらいゆったりした栄養管理で、肩の力を入れすぎない食卓作りを考えてみませんか。(特集 どうする?野菜嫌い! 子育て情報誌 コミュニケーション30号)

「食べるときにしつけや教育をすることはどうでしょうか。食欲がなくなり、消化液や唾液も出てこなくなります。楽しく食事ができることを優先に考えて欲しいですね。野菜が嫌いだったら、フルーツを食べればいいのです。自分の作ったものに子どもを合わせるのではなく、子どもに合わせて好きなものを創ってあげて欲しいと思います」(精神科医 佐々木 正美のアドバイス 同上の特集ページより)
我が家のこんな工夫

・一緒に下ごしらえを
・プランターで栽培
・自分が買ってきた野菜
・自分で収穫した野菜  (同小冊子 同特集より)

2009年8月23日日曜日

ブリュッセルの絵本屋さん

絵本屋さんに行ってきました。「こどものための本」と書いてあります。
ブリュッセルについて2日目で初めて町にでました。一人でふらっと出かけて、近所の商店街へ。ほとんどステイ先のお宅と公園のですごす日々で、いろいろ忙しいのですが、気分はすごくのんびりです。
ブリュッセルの空気はパリよりずっとのんびりしている気がするのは私だけ?





前回の滞在でみつけた絵本やさんで、絵本を一冊購入しました。本当は他にも2,3冊気になった本があったのですが、フランスに持ち帰ることを考えると、ためらってしまいました。どちらにしろフランス語の本なのでフランスで探したほうがいいということに。


絵本屋さん Par quatre chemin UCCLEというコミューンにあります。






今日選んだのは「くまくん、こわがらなくてもいいよ、ぼくがわるいやつらからまもってあげる」という意味の長い題名のついた絵本です。相棒のぬいぐるみくまくんと森へ出かける小さな男の子のお話です。物語絵本の基本構造ともいえる「ゆきて帰りし物語」となっているところや、着ぐるみのパジャマを着て森に出かけるところ、森のなかに恐ろしいけものがいる(かもしれない)という設定、イラストのタッチ、どれもモーリスセンダックの「かいじゅうたちのいるところ」と同じで、雰囲気がとてもよく似ています。

はじめは僕が守る、と息巻いていたのに、だんだん、森にいるかもしれないわるいけものたちがこわくなってきて、くまくんに頼るようになり、少しずつくまくんが大きくなっていく様は、子どもの自立心と依存心の有り様を非常によくあらわしています。このくまくんの大きさが変化するというのがこの本のファンタジーです。この絵本のオリジナリティでもあります。絵には余分なところがなく、やさしく落ち着いた色使い、こまかな表情も描いており、子どもに共感されそうな絵本だと思います。ただ、ひとつだけ残念な点があります。そのせいで、この絵本は名作にはなれないだろうと思ってしまいました。この男の子がどうして森に行くことになったのか、そこが描かれていないのです。どうして眠る直前の男の子がわざわざ森にひとりででかけていくのか?そこが描かれていないのです。これは大きな描き落としだと思います。子どもが共感できるためには、物語の始まりに、子ども(とすべての読者)が納得する理由がきちんとなくてはなりません。「かいじゅうたちのいるところ」にはしっかりとこの点が描かれています。これが名作たる由縁でしょう。物語には、物語の始まる理由がきちんと描かれているからこそ、しっかり帰ってこられるのだと思っています。本当に良い絵本は絵やストーリーの一部のみからでは判断できず、すべての必要な要素が一冊にきちんと盛り込まれているかどうかをしっかり見定めないといけないという良い例だと思います。

でも、せっかく他の面では良い絵本なので、お手伝いしている育児サークル(外遊びの会)で子どもたちに是非読みたいです。物語の始まりの部分におはなしを付け足して読んでみることにしようと思います。作者の作品であるひとつの完成した絵本に生意気な試みをして申し訳ない気もしますが、絵本は子どもの文学作品の一つであると同時に子どもと大人が一緒に楽しむ道具の一つとも言ってよいのではと思っています。足りない要素があれば足して、この本がもっと活きるようにすればよい。そう思います。


絵本の作者のHP

Martha Alexander
http://www.geocities.com/scbwihawaii/members/alexander-m/alexander_m.html

2009年8月22日土曜日

おしゃべりサロン(子育て勉強会)

今日はおしゃべりサロンと銘打って子育て勉強会を開きました。

おしゃべりサロンの様子

13時からと15時から、各1時間半ずつ、合計11名のお母さんが参加、2組にわかれて2回開きました。シッターにあたったメンバーの方、この日のために来てくださったシッターの方、どうもありがとうございました。おかげで、腰をすえてじっくりとお話することができました。


今回テーマは「子どものほめかた叱り方」ということにしました。これは主催者の方と相談して決めました。子そだてに、たった一つのよい方法なんてないのに、なんだかHOW TOものっぽくってどうかな、と思っていましたが、「叱り方」というのはお母さん方にとって、かなり気になるキーワードなんですね。

話の内容は、ちょっと脱線しつつも、「叱り方」に関してがとても多かったと思います。反対に褒め方については意見ゼロ。親子の日常ではかなり叱る・叱られる回数が多く、皆さんこれについて頭を悩ませていらっしゃるようでした。

考えてみれば、それは無理もないことです。ずーっと一緒にいると、人間だれしも良いところばかりではなく、むしろ悪いところに目がいってしまって気になって仕方ない野ではないかと思います。この人のここをなんとかしたい、と頑張ってみるけれど、でも余計悪い結果になって悪循環。ご夫婦同士、恋人同士にだってよくある話ではないでしょうか。そう考えると、相手が子どもっていうだけで、子育て論の枠をこえて、これはもうコミュニケーション論でもあるんですよね。とくに親子は同じ遺伝子をもっているし、もともと一体だったわけですし、どうしたって似ているところがありますから、余計難しいのでしょう。

自分の嫌な一面をわが子の中にみつけて、つい叱りたくなってしまう、というのもよくあることです。


悪いところを叱るよりは、良いところを伸ばす

それなら、思い切って逆転の発想で、ネガティブな部分を直そうとするのではなく、ポジティブな部分をのばしてあげることに重点をおいてみませんか?


「褒める」でも「叱る」でもない感覚:
丸ごと受け入れていることを伝える


・その裏にある大人の価値観をまず確認

でも「おにいちゃん(おねえちゃん)さすが!」という褒め方は、よくないときいたことがある、というお母さんもいらっしゃって、ではどんな褒め方がいいのか、という話になりました。上の褒め方があまり、好ましくない、というのはまさにその通り。子どもによい兄(姉)であるべし、という無言の圧力、親の価値観のおしつけが感じられるからです。子どもはお母さんに愛してもらいたいので、お母さんが理想とする子どもになって、「いいこね」といわれたいがために必死に、親の思う「いい子」になろうとします。褒めるときは自分が何を良しとするのか、どこを理想とするのか、という親の価値観が非常に深くかかわってきます。子どもを褒めるときにはそのあたりまでよく考えないといけないので、なかなか難しいですね。


・子どもに与えてもらっているものを考えてみる

とかく、小さなわが子に対しては、「何かしてあげる」、というつもりになることも多いかとおもいますが、「叱る」「褒める」どちらも親が子どもになにかをしてやる、という行為をさす言葉で、実はどちらも好きではないのですが、「叱る」にばかり注意が行きがちなお母さんには、いいところをのばす、という視点をもてるように、とおもって「褒める」ことも同じくらいしたほうがいい、と話しました。しかし、子どもが一番親に欲しているのは丸ごと受け止めてもらうことです。自分自身だって、弱いところ、嫌なこころがありますよね?子どもだって、親だって完璧ではありません。すぐに遊び相手に手を出してしまう子を叱るお母さんだって、人間関係がうまくいかずに悩むこともあるでしょう。完璧でない私、いろいろなことが大人になっても器用にできない私なのに、子どもはそんなお母さんでも親として丸ごと受け止めてくれているのです。お母さんも、子どもが自分の理想とする子どもと違っていたって、まるごと受け止めて欲しいと思いますし、丸ごとを受け入れていることを子どもにわかりやすくシンプルに伝えて欲しいと思います。


次回のテーマは「子どもと楽しく食事をしていますか?」です。
8月23日の夕方からの予定です。

2009年8月21日金曜日

外遊びの会2009年 8月21日




今日は早速外遊びの会があって、26名の方とにぎやかな一日を過ごしました。午前中は公園で思い切り遊び、お昼も芝生の上でお弁当をみんなでいただきました。

午後は室内に設定したレストランごっこが大人気で、かなり長い時間よく遊んでいました。まったく、お仕事熱心な子どもたちです。これが、午後の室内遊びの遊具の設定です。


今日は私のこの夏初めての親子での活動日でした。子どもたちの遊び日の様子が予測のつかないところが多かったので、お店屋さんごっこやおままごとなど柔軟に対応できるようなベーシックなおままごとの設定をしました。すぐに遊べるように整えてあることで、子どもたちの「遊んでみたいな」という気持ちを掻き立てます。とくに3歳以下の子どもたちは自分で遊具を設定したり工夫したりするのは難しいので、大人の環境設定が遊びに大きく影響します。外遊びの会ではハイハイやヨチヨチ歩きの子どもも大きな子どもたちと一緒のスペースで遊びます。




部屋の入り口付近は絵本やパズルなど、静かな遊びがじっくりたのしめるようにしました。一部屋におままごとコーナーと絵本コーナーのおおきく2つのコーナーをつくりました。



子どもたちがくると、レストランごっこがすぐにはじまりました。子どもたちは主にお店屋さんです。お客さんはレストランに招待されたお母さんたちです。メニューは食べ物がたくさん描かれている絵本です。





明日は子育ておしゃべりサロンという親向けの勉強会を一日2回開きます。今日も、午後子どもたちが落ち着いて遊んでいる隙に、お母さん方とたくさんお話して、盛り上がったし、資料の一部もお渡しして、ちょっとした勉強会のようでした。

明日はお子さんをできるかぎり預けあって、お母さんだけの時間をつくるので、もうすこし落ち着いて話しができると思います。すでに12名が申し込まれていて、どんなふうに話題がふくらんでいくのかとても楽しみです。

みんなが帰ったあとは、イタリアンファミリーのお食事のお誘いにわたしも便乗して、おいしいピザを山ほどいただきました。デザートのパンナコッタとアイスロールケーキまで手作りでとってもおいしかったです。イタリアに行ってきたばかりで、ちょうど古いイタリア映画をみてきたばかりだったことも重なって、おしゃべりも楽しかったです。テーブルではイタリア語、フランス語、英語、日本語、と4言語が飛び交う、インターナショナルなディナーでした。

2009年8月12日水曜日

ブリュッセル「外遊びの会」に到着 


フランスを離れ、おととい19日からベルギーに来ています。ベルギーまではいつもEUROLINESという会社のバスを利用しています。行きは大変スムーズで休憩を含め3時間半くらいで到着しました。今回でたしか5回目の滞在です。

ベルギーといえば曇天の灰色な空。しかし今年はこの国としては信じられないくらい暑いです。こちらではブリュッセルの「外遊びの会」という現地の日本人の親子を対象に活動している育児サークルの夏休みの活動を約2週間お手伝いをします。今回はほぼ毎日催しを企画しているのでこの1,2週間はフランス・ベルギー間でメールをやりとりし、内容をつめてきました。いよいよブリュッセルの熱い夏のはじまりです。ブログにお知らせもかけないくらいてんてこまいでしたが、今年もたくさんの方との出会いがほんとうに楽しみです。どうぞよろしくお願いします。

以前の外遊びの会についてのエントリーは右側の目次「外遊びの会」タグからご覧いただけます。

TOEIC TOFLE TFI メモ

TOEIC、TOFLE、TFI などがオンラインで申し込めるサイト

https://www.fr.etsglobal.org/store/index.php

TOEICの頻出単語など無料で試験対策ができるサイト
http://www.toeicbook.com/tango/tangoindex.html

TCFの申し込み案内ページ
http://www.french-course-paris.com/news/tcf.php?rub1=Learn%20French%20in%20Paris&rub2=TCF

アリアンスTCF申し込み
http://www.alliancefr.org/article.php3?id_article=543#

2009年8月4日火曜日

自己肯定感を育てる眠る前の「おはなし」

夏の夜の思い出

暑くて寝苦しい夜には、母親が添い寝して、私が眠るまでうちわで扇いででくれたのを思い出します。一体いつまで扇いでいてくれるのか、本当に眠るまで手をとめないでくれるのか薄目を開けて確認しながらも、いつのまにか眠ってしまう、というのが常でした。今思うと母親への絶対的な信頼感、親の無条件の愛というのは、こういうところで感じていたように思います。実際はクーラーの冷風の方が涼しいとしても、お母さんのうちわに勝るものはないわけです。

眠る前のおはなしタイム

うちわとともにおすすめなのが、夜のおはなしです。私の母もよく昔話や、昔話をリメイクしたようなへんてこなおはなしをしてくれたものです。暑くて寝苦しい夜には、しんとした夜のひんやりとした空気が浮かんでくるようなおはなしをつくってみるのはいかがでしょう。部屋を暗くして、小さなあかりだけにするか、ろうそくをともすなどして、そのまま眠れる状態にして、子どもに添い寝して、おはなしをはじめます。

私のつくったおはなし

私は8月の後半にホームステイするベルギーのお宅の女の子にお手紙に、こんなおはなしをかきました。


                ~なつのよるのおはなし~

なつの子は ねむるよ 

つきの りんごの きの したで。


お魚と いっしょに 泳ぐよ ゆめの中。


おとうさんが さっき おふとんで 

きかせてくれた おはなし。


きんいろの おほしが ふたっつ  池に おっこちて


お魚の くびかざりに なったって。

おやすみ なつの子 また あした。

おやすみ おやすみ また あした。

(送ったものには、「なつの子」の部分に女の子の名前をいれました。)

たったこれだけの短い詩です。これでも立派なおはなしになります。この子のお家ではお父さんも自作のおはなしをつくるのを愉しんでいるので、お父さんを登場させました。シュタイナーのおもちゃのお店でみつけたポストカードの絵からイメージしたものです。


もっと短くてもっと単純でもいいので、おはなしをつくる才能がないとあきらめずに。たいそうなものでなくていいんです。大好きな人がそばで語りかけてくれる、ということ自体が子どもにとって大事です。こういう短いおはなしならば、何度か繰り返したり、でてくるものを魚じゃなくて、うさぎにしたり、くまにしたり、子どもの名前やお母さん、お父さんの名前に変えてもいいのです。

身近で起こったことをおはなしに仕立てるのも良いです。

たとえば、今日公園に行ったらすずめが水たまりで水浴びをしていたのを一緒に見たのなら、

「おふろが好きなすずめさんのおはなし」とか。


では突然ですが、ちょっとここで、おはなしミニ講座、やってみましょう。


~眠るまえのおはなしづくりミニ講座~



子どもが喜ぶおはなしづくりのポイント



ポイント1-子どもにわかる、親しみのある言葉を使うこと。


例えば、先のように公園ですずめが水浴びをしていたのに出くわしたときのことをおはなしにするとき


「今日公園に行ったらすずめが行水していました。」
 
と語るのはあまりおすすめしません。「行水」という言葉は大人はわかるけれど、幼い子は理解できずおはなしの世界にスムーズに入れないいと思います。語るほうも単なる説明になりがちで、次に続きにくいです。

「OOちゃんとお母さんが公園にいくと、すずめさんがお風呂にはいっているところでした。」


こんな風に語ってみましょう。

「OOちゃんと同じで,頭を洗うのが大嫌いでした」

とか

「お風呂にはいるきれい好きなすずめさん」に対抗してお風呂がきらいなすずめを登場させたり、

「その後、服をきて、おめかししてお出かけしました。」


というふうにしても愉しいおはなしが続きそうです。

残念ながら「水溜り」が「水溜り」にしか見えない方も、「子どもの言葉で易しく語る」のが難しい方も、ちょっと訓練すれば、きっと子どものものの見方を思い出せます。子どもを観察して、子どもの視線の先にあるもの、子どもの発言などから子どもが何を考えているか想像する、という訓練です。これさえ突破してしまえば、子どもと過ごすことは発見にみちていて、大変面白いことに気づくことができるはずです。そして、子どもがおはなしづくりの天才であるのがわかるでしょう。

それから、子どもは動くものが大好きなので、植物よりは動物、乗り物などを主人公にするのがよいです。

また、けして、教訓的ではないものにしてください。いくらやさしい声で話しても教訓は教訓と子どもにはすぐわかります。特に一日の終わりにはその子がまるごと、そのままの存在を認められているという実感を持てるお話をしてあげてください。難しいことではありません。その子が喜ぶはなしならいいのです。



おはなしをするときのポイント

ポイント1-話し手が落ち着いた気持ちで語ること ポイント2-ゆっくりと、眠りを誘うような小さな声で語ること

おはなしを親や養育者が語ってくれることに、子どもは他に替えがたい喜びを感じます。

一日、この世界を冒険してまだ心身の「波風」がおさまらない子どもたちも、大好きな人からおはなしを聞くことによってその波を静め、心地よく夢の世界に入っていけます。

ポイント2-子どもができるだけ落ち着いておはなしを聴けるようにしてあげること


例えばおはなしをはじめる前に

-部屋のカーテンを閉める
-寝室にろうそくをともす
-家族に「おやすみなさい」を言う

などを習慣にすると子どものほうでもスタンバイに気持ちが向くでしょう。

管制塔(養育者)から冒険船(子)へ「そろそろ母港へ向けて戻ってきなさい」とサインが送られるわけです。子どもを養育する人はよいサインを早め早めに出すことが求められるわけです。子どもは一日の過ごし方を予測し、計画し、実行することがまだできません。よい生活のありかたを子ども示すのは親、養育者の役割です。サインを早めに、というのは子どもの生活を導く大人の意識するとても大切なポイントですが、忘れがちなところなので、また違う機会に書くことにします。ここでは、子どもの方でもおはなしを聴ける状態をつくってあげる、ということだけ挙げておきます。


おはなしの語る準備、聞く準備が双方でできたら、あとは愉しい時間をすごすのみです。


大好きな人がおはなしをきかせてくれることを通して子どもは自分が愛されるべき存在であることを確認することができます。これが一番大切なことです。そして、こうした経験の積み重ねにより自分が愛されるべき存在であるのと同じように、他人もまた無条件で愛されていること、愛されるべき存在であることを認識します。自分を大切にし、また他人も同じように尊い存在として接することができる、そういう人に育ちます。


ですから、ここではおはなしをすすめましたが、「自分が愛されるべき存在であること」を確認できることなら、正直言ってなんでもいいわけです。

おはなしする時間がとれなければ、子どもの顔をみて「大好きだよ。」とにっこり微笑むのでもいいし、数分ひざにのせてゆらゆら揺らしてあげるんでもいいのです。

一日の終わりに毎回幸福な気持ちでいられた子どもとそうでない子、その差は今はわからなくても、大きくなったときにその子自身が感じる自己肯定感に大きく影響することでしょう。

ですから夜のこどもに語って聞かせる「おはなし」の効果は、日々実感できるほど大きなものでないとしても、確実に子どもの将来を明るくするものだといっていいでしょう。あなどるなかれなのです。

うちわで扇ぐ手間。おはなしを考える手間。確かに手間と言えば手間ですが、子どもは手間隙かけて育てるものです。その手間も、ちょっと普段の目線を変えるだけで、自分の愉しみにすることができます。もちろん、もともと子どもにおはなしをするのが大好きで愉しくてしかたないという人もいますが今回は、苦手とする人も愉しくなるように、と願って書いてみました。

正しく愛された子どもは、正しく人を愛するようになります。

子どもが「おはなしなんて、はずかしいからいい」と言う程大きく育ってしまってからではできない愛情
のかけ方です。

寝苦しい夜には涼しくなるような「おはなし」をひとつ、考えてみてはいかがでしょうか?








2009年8月3日月曜日

こどものあゆみ7月・戦いごっこは暴力ではない

昨年9月にはじまったトマとテオの家でのシッターをして感じた二人の成長の記録をもとに、彼らのあゆみをもう一度振り返ってみることにしました。

前回「こどものあゆみ」を書いたのは2008年の11月11日でした。

現在はトマ 4歳 テオ 5歳になっています。


1、 2人とも家に着くとまず第一に手を洗うこと 

2、 風呂場に飛び散ったお湯を自分で拭くこと

3、 靴下をくっつけてから洗濯かごに入れること


ができるようになったとそのとき書きましたが、じつは毎回必ずするようになったのは1の手洗いくらいで、あとはそのときの子どもの気分によってしないこともあります。靴下をくっつけるのはこの家の習慣です。テオはできますが、トマはまだできません。


昨年秋に課題(私が勝手に課題だと思うことをあげたものです)として書いたこと


1、家に着いたらコートとマフラー、通園かばんを所定の位置に置くこと。
 
2、セーターを一人で脱ぐこと。

3、 上の方のボタンの着脱

についてはだいたいクリアしましたけれど、するかしないかは子どもの気分次第です。ボタン掛けは二人ともだいぶ成功率が高くなりました。自分で挑戦する意欲はなかなか高いです。


私が感じた10月からの変化は以下の通り


トマ

1.テオとけんかした時、嫌なことがあったとき「ママー!!」と母親を求めて泣いていたのがなくなった。

2.髪の毛を洗うのはいまだに苦手だけれど、泣くことはほとんどなくなった。

3.語彙がいちじるしく増えて、話し方がものすごい生意気になった。


テオ

1.お風呂の水をいれて、服を脱いで湯船に入るまで一人でできるようになった。

2.アルファベットや小さいものがうまく書けないので、たくさん練習させられて嫌になってきている。





戦いごっこは暴力ではない

さて、これも成長過程の変化なのでしょうが、二人に共通する最近の特徴があります。それは、時々悪ふざけが過ぎること。幼稚園に勤めていたときはどうしていたっけ?と思い出しながらどんな風に対応していました。


力試しがしたい

私は、この二人の悪ふざけの無意識の目的は、力試し・相手の限界を知るということだと思います。私の隙をついて「つっついたりおしりを叩いたりしては逃げる」を繰り返して私が「じろり」と視線を送ると「きゃあー!」とボーイソプラノで歓喜します。たいてい二人だけで遊んでいるんですが、一日中、二人きりも飽きるので、ときどきは一緒に遊んで欲しいということでしょう。近所の友達の家に遊びにいったり、公園に行ったりできるといいのですが、雨が降って遊びにいけず、エネルギーが有り余っているのにやることがない、面白いことなんかないの?という状況のときは私をつっつきはじめます。


お兄さんのテオは「一緒にかくれんぼしようよ」と提案できるので、そういう場合は一緒に遊びます。でも、単に「おしりを叩いては逃げる」がどんどんエスカレートして何もしていないのに平手でバシバシ叩かれてとても痛いことがあります。私の反応を面白がって、やめて欲しいと本気で言っても通じない。

私は、これは遊び相手を求めるとともに「どれくらいやったら怒るか、どうやって僕を叱る人か」を確かめているんではと考えました。

こういうとき、ただのつまらない大人と思われたくない私。どんなにイラッとしても怒鳴り散らしてベッドにつれていくというフランス人のお決まりの「おしおき」だけはしたくない。

そういうときは、もうコレしかありません。


一対一でガチ勝負(笑)



ただし、これは「遊び」としてします。

私はこれを「戦い遊び」とか「戦いごっこ」とか言っています。フランス語では知りません。

遊びにはルールがあるので、まず大事なルールを伝えます。

初めての相手にはルールは1回につき1つか2つだけに絞ってあとは大目に見るのがコツです。

最初からルール全部は理解できませんから一回につき1つのルールを体で覚えるようにしていきます。

このとき守ってもらったルールは

私がこの遊びに応じるときだけ、子どもたちは蹴ったり叩いたりすることが許される

ということでした。二人でかかってくる・戦いごっこをして いないときに不意打ちをする、などルールを守らない場合は

「ルールを守らない人とはもうあーそばない。」

と怒った口調で言って、私は遊ぶのをやめます。

遊ぶときは大人とか子どもとかは関係なく対等だからです。

(このときわたしは子どもとまったく対等な友達の一人であり、よき生活者のモデルにもなっています。)

ただし、体の大きさと力の強さには差があるので、そこはこちらが力を加減して「対等」にします。具体的に言うと、私は主にメッタ打ち(テオはいつても両腕ぐるぐるパンチ)して来る相手の手をなるべく封じ込め、攻撃をかわしつつ、子どもに尻 もちをつかせるようにします。そして絶対勝ちます。ここもポイントです。真剣に戦います。私のルールでは床におしりがついたら負けですが、このときはまだそういうルールまで話せる段階ではなかったので、テオが勝てないことを悟ったところでやめました。私の勝ち。トマはそれを見て恐れ入って「そんなのバカげてる!!」と捨て台詞を吐いて、逃げたので不戦勝でした。


「戦いごっこ」にも意味がある

このくらいの男の子が戦い遊びが好きなのは昔から「ちゃんばら」遊びがあることからもわかります。(フランスでは昔から騎士ごっこでしょうか。子どもたちがよくしています。)これが始まるのは幼稚園では4、5歳が多いように思います。時々3歳児も影響されて見よう見真似でやったりします。

大人、とくに保育者でも母親でも、女性の多くは子どもが暴力的な遊びをするのを極端に嫌う傾向があり、そういう遊びをしてはいけない、と止めに入ろうとすることが多くあります。

しかし、多くの子どもがその年齢で求めることというのは、必ず必要があってしているのだと考えられますから、こういった一見乱暴な遊びにも意味があるはずです。

本当のところはもっといろいろな理由があるかもしれませんが、私は少なくとも

「本気で叩かれたらすごく痛い、だから誰かを叩くのは僕もやめよう。」

と叩いたり叩かれたりする経験を通して学ぶことができるという点で、力の弱い幼いときに思い切りこういう遊びをするのは意味があることだと思っています。

ですから遊びの範囲内で、ルールを決めて、子どもがそういう経験をできる場をつくってあげることができれば、一見暴力的な子どものエネルギー発散も「遊び」の枠に入れてあげることができます。


昔はもっと親や大人が介入せず、ガキ大将からなる上下関係のなかで学べたことが多かったのでしょうが、現代は大人が成り代わってあげないと、こうした遊びをうまく楽しむことが大変難しいので、こうした大人の子どもの欲求への深い理解が現代ではより求められているといってもいいでしょう。

まあとにかく、子どもは全身全霊かけてくるので、結構痛いです。

腕が真っ赤になり、激しく疲れます。

体力に自信がなければご主人に代わってもらうとか、何か代案を探してください。

でも是非からだを鍛えて、一回くらいはやってみてください(笑)。

その後の子どもたちの変わりように気づくはずです。

2009年7月30日木曜日

閉塞感で悲観にくれる国内に新鮮な視点を与える「ブログ文壇」



■ブログで日本の未来論が話題ブログ文壇という新しい討論の場所


ネット上では、今、日本人の日本の現状・未来について書かれているブログが大変盛り上がっているようです。

昨日、今日(7月27日)と日本人の「日本のこれから論」が話題のブログの上位に入っていました。

ブログを利用して、全世界に自分の考えを発表しようという人が増えているんだそうです。

ネットの有効活用をしている人たちですから、20代から30代の若い層の意見が多くに偏りがちという弱点はあるかもしれませんが、私もネット世代の若者なので、どの意見にも共感できることが多く、大変興味深く読んでいます。以下、二つの海外在住者ブログより楽観論、悲観論を参考に貼り付けます。

これまでずっとなるべく言わないようにしていたのだが、もう平たく/明快に言うことにしました。
1)日本はもう立ち直れないと思う。
だから、
2)海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。

これまでは、1)は言わずに、2)だけ言ってきた。 
http://www.chikawatanabe.com/blog/2009/04/future_of_japan.html¥


  • ベストケース:一世を風靡した時代の力は面影もなく、国内経済に活力はないが、飯うま・割と多くの人がそれなりの生活を送れ、海外からの観光客は喜んで来る(フランス型)
  • ベースケース:貧富の差は激しく、一部の著しい金持ちと、未来に希望を持てない多くの貧困層に分離、金持ちは誘拐を恐れて暮らす(アルゼンチン 型。あの国も19世紀終わり頃には「新たな世界の中核を担うのはアメリカかアルゼンチンか、と言われたほどだったんですけど・・・・)
  • ワーストケース:閉塞感と絶望と貧困に苛まされる層が増加、右傾化・極端で独りよがりな国粋主義の台頭を促す。http://www.chikawatanabe.com/blog/2009/04/future_of_japan.html¥



日本がもうダメだと言う時はだいたい経済 が取り上げられます。ヨーロッパの国々と比較するならば、日本経済は異常に絶好調と言えるくらいです。さらに言え ば日本経済がもっともっと落ちぶれても日本は大丈夫です。150年前の開国以来、西洋の知恵を取り入れるようになってからの、たゆまぬ蓄積があります。水 道網、電気、交通、ネットなどのインフラは世界最上位で、教育水準も高く、世界上位の科学技術を持つと言われています。僕の携わる高度交通システム (ITS)やロボットの研究では、技術調査というとアメリカ、EU、日本の技術動向を調べる習慣があります。いちおう今のところ、世界の3極のうちに入れ てもらっているわけです。http://mesetudesenfrance.blogspot.com/2009/07/blog-post_28.html



■国外に住む日本人からみた日本の意見への関心が高い


特に海外に住む日本人が日本を外から見た客観的な生の意見はブックマークに登録される率が高いようです。




■ブログの意見は両極端 

海外在住者によるブログでの日本の現状や日本の将来についての認識はそれぞれです。ただ、国内にいない分、客観的な視点で日本を見ているのは共通していて、例えば、ほかの国をモデルケースにして未来の日本の姿を予想したり、自分が住んでいる国の人が日本をどう思っているか、というのを紹介したりと、日本国内に住む人にとって興味深い切り口です。




■日本の読者の反応の基本にあるのは閉塞感

ブログ読者の反応もまた賛否両論あります。

しかしコメント欄を眺めていると、賛否はわかれているものの、基本的には日本の将来は暗いと考えている人がほとんどという 印象を受けます。

「日本は大丈夫」との楽観的な意見のブログに同意する人のコメントの中は、「励まされる」「ありがとう」「頑張ろうと思う」「元気がでた」というコメントが見られ、すでに日本の現状をかなり暗いものという前提で捉えているのがうかがえるからです。

楽観的意見を栄養にして、これから頑張り たい、という人々のようです。

一方楽観的な見方を否定する人はもちろん、「日本はもう駄目だ」と思っています。ですからどちらも、根底に日本に対する非常にネガティブな 認識があるのは共通しています。

つまり、日本人の基本認識としては「日本はこのままだとまずい」というネガティブな認識が多数を占めており、その中で「努力すれば何とかなる」派と「何をしてももう駄目」派に分かれている、と言えるのではないかと考えます。




では、このネガティブな視点はどこからくるのかというと、やはり個々が日本の中で生活の中で感じている「閉塞感」にあるように思います。

日本に住んでいる読者の反応ではよく見るのに、海外に住んでいる人たちからは聞かれない言葉です。

海外に住んでいても日本人としての意識を少しでももっていれば、ある程度の情報はネットや新聞、ラジオなどを通して手に入れているはずなのに、海外の人からは閉塞感という言葉を聞きません。

しかしブログの反応をみていると、「閉塞感」は相当なんだなと思わされます。この閉塞感が、ネガティブな日本認識の根底にあると思われます。


この「閉塞感」の理由は

1、就職氷河期に大学を卒業した人たちはネット世代ど真ん中でもあることから、「ブログ文壇」に接する人の中には就職や生活の面で苦しい思いをしている人が多い。


2、日本国内の人が接しやすい情報、つまりマスコミ、特にTVによる影響がかなり強い。

からだと予想します。海外に住む人は生活の苦労していたとしても、日本の社会システムは関係していないし、毎日日本のTVを見る人は極端に少ないのでどちらの理由ももちません。





■TVで感じた違和感

2008年の暮れに日本に帰国した際に私が非常に違和感を覚えたのは年末の音楽番組、紅白歌合戦を見ていたときのことでした。

この一年を代表する歌手の曲とその 合間のちょっとしたエンターテイメントにより、2008年度日本の気配を嗅ぎ取ることができたのですが、

「日本の未来は大変暗いが、みんな、気を落とさずがんばりましょう。」

とやたらと煽られているような気がして別にブラウン管の向こうにいる人に励まされるほど、気を落としていない私は、「気を落としていないといけないのか」と妙な気分になりました。「日本は危機的状況なんだ」という価値観を植えつけようとしているようにすら感じました。

こんなのを毎日みていたら楽観している人でさえ、暗い気持ちになってしまいそうだと思いました。

数字で見ると、現状の日本経済はそんなに悪くないのに、海外の日本の漫画ブームだって相当なものなのに、まるで日本全体が最悪なように煽るというのは、日本人に危機感をもたせて働かせるためか、今現在まったく痛手を受けていない裕福層に不満の矛先が向かないためなのか。

よくわかりませんが、とにかく何か裏があるように勘ぐってしまうのはひねくれた見方でしょうか。日本を離れて鈍感になってしまっただけのでしょうか。


■「ブログ文壇」の台頭「世界の中の日本」を正しくつかむ必要性

ブログへの反応をみても、海外数字でしっかり現状をとらえているというよりは、はっきり根拠はないが、日本は駄目だと思っているという人が多いように感じます。

海外在住日本人の意見は、そのような知らぬ間にかけている色眼鏡をはずすのにはちょうどよいと思います。まず「世界の中の日本」を悲観も楽観(主観)もしないで、正しく認識しようとすること(客観)が必要だと思います。

「なんとなく日本はもう駄目なんだろうけれど、実際はどうなのか」

という人たちにとって、自分の体験をもとに「世界の中の日本」を論じている海外の「ブログ文壇」の意見はこれからさらに注目を集めるのではないでしょうか。

2009年7月27日月曜日

サントリーニ島:美しいのは夕日か街か?








夕日が美しいといわれているイオの街ではすっかり観光客になって見晴らしの良い小道を散策しながら写真をたくさん撮りました。



イオの家々、教会の真っ白な壁には太陽ががよく反射するので夕焼けがよく反射し、街全体が透明なオレンジ色のフィルターをかけて見たような幻想的な美しい風景となります。初めて訪れたのにどこか懐古的な感情を覚える静けさがあります。

この街は本当にどこでも「絵になる」のですが、よりよい構図を探して小道を登ったり下ったりしてたくさん撮影しました。自分が「撮ろうかな」と思っている位置にすでにカメラを構えている人がいるのは国籍年齢関係なく、自分と似た感覚の人があることを知ってうれしいものでした。私が「撮りたい」と思うところはたいてい人がぽつぽつとしかいなかったのですが、自分の感性が揺さぶられるにまかせて写真をとるのは実に心地よい集中でした。



ただ、海のほうを向いている人たちは、街の景色よりも海に落ちる夕日をみている人の多いことがちょっと不思議に思えました。


わたしはオレンジ色に染まる街と、それを背景にした太陽が美しいと思いました。


「夕日が綺麗な街イオ」

というこの街の謳い文句は、ここを訪れてみて、「夕日に照らされた街の美しさ、街を背景にした夕日という風景美」でもあり「イオから見える夕日自体が美しい街」でもあるのでしょう。

ローマ→ナポリ→バーリ 読書が愉しい電車の旅

7月のイタリア・ローマ旅行の雑感です。


ローマの建国者は狼に育てられたと言われているそうです。


ナポリからバーリへ行く電車のなかでローマ帝国史を読んでいました。


ローマ帝国の中心地であった地でローマ帝国の遺跡をめぐりながらこの本を読むのはとても贅沢なことでした。



高校の時、世界史の先生が面白おかしくさまざまな歴史上のエピソードを話してくれたのが
思い出されました。

地を這うような電車の旅、時間はかかるので効率は悪いけれど、電車の中での読書のひと時は結構好きです。ときどき車窓からローマ帝国の遺物と思われる建物が見えました。

2009年7月24日金曜日

イタリア・ギリシャ旅の所感 旅行から帰って

ギリシャ サントリーニ島 イオの町


誕生日の記念にイタリア・ギリシャを旅してきました。旅行中にメッセージをメールで寄せてくださった方々、ありがとうございます。

ローマ コロッセオ 

飛行機、バス、タクシー、フェリーと外国3国のあらゆる交通機関を利用して地を這うに廻った今回の旅行は、旅先の感動もさることながら、すべてほぼ完全にトラブルなく終了したことが何よりでした。

ローマ 期待どおりのおいしいきのこのリゾット


やるべきことが片付け切らないままに出かけることになったので、帰ってきたらさぞかし「どんより」するかと思いきや、まったく逆で、最後の滞在地ギリシャですでに日常への回顧といとしさのような感情があらわれ、帰ったときにはいままでにないほどの安堵と「地に足がついた」心地よさがやってきました。

ギリシャ サントリーニ島 イオの町 夕暮れの少し手前

バチカン市国 キリスト教の総本山


いや、エーゲ海に落ちる太陽をフェリーからすっかり見届けている間にも、すでにそうだったかもしれません。

バーリ(イタリア)→パトラ(ギリシャ)の船上からみたエーゲ海に沈む太陽


天井からの日光の熱で寝苦しいベッドでかすかに自分のにおいのする枕に鼻をうずめたときには、あれほど「また近いうちに絶対訪れよう」と思ったサントリーニのイアの村の絶景もすでに遠い旅の記憶になっていることに自分でも驚くほどでした。


イタリア ナポリの下町通り

「よーし明日は買い物に洗濯、料理もしよう。そうそう、こんな普通の毎日が一番!」という気持ちでまたフランスでの一週間ぶりの夜があけました。

冬があけてからの旅への憧れがすっかり満たされたようです。

いつものような誰もが撮るような観光地の写真はこのページで、私の心が動いたことや旅に連れて行った本のことはまた別のエントリーで、忘れないうちに時間みつけて書いていこうと思います。



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