2008年8月31日日曜日

St-Germain-en-Laye


今週は大家さんに会ったり、学校に連絡したりとバタバタ。あたらしい掃除道具を揃えて部屋の掃除も頑張りました。

ベルギーは田舎パン(丸い胚芽のパン)が種類が豊富でとてもおいしかったのだけど、フランスのバゲッドが恋しくなって、帰ってきて真っ先に食べました。
やっぱりフランスのバゲッドとクロワッサンは全然ちがいます。逆に、それ以外のパンはそれほど魅力なしです。その国のおいしいパンを食べるのが一番だと思います。 


さてフランスに戻ってようやく落ち着きをとりもどしたので、この週末は郊外のSt Germain en laye(サンジェルマン・アン・レイ)に行ってきました。クリックで町のHPにアクセスできます。

とても綺麗なところで、裕福なフランス人が住んでいるところらしいで、駅降りてすぐに見えるお城もまた気品をかもしだしていました。(写真下)


私は、パリが一望できるグランド・テラス(写真上)とイギリス庭園とそれに続くひろーーーい森のサイクリング、それから、先史時代の青銅器や鉄器がたくさんある国立考古学博物館に行きました。駅出てすぐの気品あるお城が博物館として公開されています。

ラスコーの洞窟の壁画やフランスがガリアと呼ばれていた時代の日常生活に使われていた品々が豊富だったのはフランスの博物館ならではで興味深かったです。
上の写真は国立考古学博物館の中庭の写真です。

公園はとても広く、イギリス庭園と森、パリを一望できるグランドテラスという全長2,4キロの長い長い散歩道があります。ピクニックは禁止、犬はリードをつければOK、自転車はゆっくり走ればOK。

パリの公園と違ってとてもひろいので全部回るには自転車が一番よさそうですが一箇所でのんびりするなら他のみどころは中心からそれほど遠くないので歩きでも楽しめます。

庭園はイギリス庭園らしいのですが、私が通った場所はどこもいかにもフランスの公園という感じで、どこがイギリス庭園なのかいまいちよくわかりませんでした。

森はベルギーのカンブルの森のような自然そのままの森ですが、ジョギングコースとサイクリングロードがあります。家族連れの人がほとんどでした。

サンジェルマンの森でゆっくりすごしてほとんど既に閉まっていたけれど、目抜き通りのお店もとてもおしゃれでした。チェックして、夕飯に駅の近くのインド料理を食べて帰りました。 この夏のイギリス旅行でアジア料理の外食が好きになったからです。まぁまぁだったかな。大勢でいろいろ頼めると楽しそうです。他のレストランはほとんど博物館の向かいの教会のあたりに集中していてどこもフランスの料理でした。おしゃれな感じの海鮮のお店があって、きになりましたが、やはりちょっと他より高めでした。

グランドテラスの始まりのあたりにあるホテルPavillon Henri 4 のレストランは景色が最高です。
ゆっくりお茶するのに良さそうです。

他にもみどころがけっこうあって、半日では足りないくらいでした。

□今度行ったら行きたいところ

・ドビュッシーの家

・モーリス・ドニ美術館美術館:ボナールの静物画がみたい

・サヴォア邸:言わずもがなルコルビュジェの近代建築の傑作。poissyからアクセス。

パリとは全然違ってのんびりした雰囲気と綺麗な空気が楽しめます。


【近々出かけたいパリ郊外の町】

□オーベル・シュル・オワーズ:ゴッホの作品に出会える町

□シャルトル:世界遺産の大聖堂

2008年8月29日金曜日

絵本の会(2007)の絵本リスト

これまで開いた「お母さんのための絵本講座」と「絵本の会」に登場した絵本の紹介です。

『はじめてのおつかい』
(筒井頼子 作 林 明子 絵: 福音館書店)

もう一回読んで!といわれることがとにかく多いこの本。誰でも「みいちゃん」と自分を重ね合わせて、100円玉を握り締める汗ばんだての感触まで感じてしまいます。


『てぶくろ』(ウクライナ民話 エウゲーニー・M・ラチョフ 絵 内田 りさこ 訳:福音館書店)

―子どもの想像力の中では、熊でも何でも無制限に入っちゃうと思うんです。面白いじゃありませんか。―(瀬田貞二 著 『幼い子の文学』より抜粋)


『ぐりとぐら』
(なかがわりえこ おおむらゆりこ:福音館書店)
 
早起きとおいしいおやつ。こどもの生活に寄り添った日本の誇る名作。世界各国で翻訳され、世界中の子どもたちに愛されています。


『おおきなかぶ』
(ロシア民話 A・トルストイ 再話 内田りさこ訳 佐藤忠良 画)

ことばの面白さに気付かせられるリズミカルなテンポが楽しい一冊。無駄な言葉が一切ありません。幼稚園では「うんとこしょ、どっこいしょ」とみんなで声を合わせたものです。なかにはものがたりをすっかり覚えてしまう子もいました。


『かばくん』
(岸田 衿子 作 中谷 千代子 絵 :福音館書店)

ポイントはどのページにも描き込まれている「かめ」の存在。かばの大きさが引き立っています。文と絵がちゃんとぴったり合っているのをこどもたちは見逃しません。さりげなく文章に書かれている下駄をはいている子どももいます。地味なのにずっと子どもに愛されているのはよい絵本の要素がつまっているからでしょう。


『にぐるまひいて』
(ドナルド・ホール文、バーバラ・クー二ー絵:)

古きよき時代の田舎で生活する人々の生活が静かに淡々と描かれています。大人も「素敵!」と感じる美しい絵本。春には種をまき、秋に収穫し、羊の毛を紡いだ糸で冬は毛糸の靴下や藁ぼうきをつくり、市場にすべて売りに行き、また春がやってくる。自然の恵みに本当に感謝してつつましく生活する家族の1年のお話。


『もりのなか』
(マリー・ホール・エッツ :福音館書店)

絵本の古典といわれる名作。ファンタジーの世界を壊すことなく現実の生活に連れ戻してくれる最後のお父さんの一言が好きです。続編は「また もりへ」


『かいじゅうたちのいるところ』
(モーリスセンダック)

まだ眠たくないいたずらな男の子は森になった自分の寝室から、ヨットに乗ってかいじゅうの島へ旅にでて、ぐりぐりの目をしたかいじゅうたちと出会います。「もりのなか」同じく、この作品も「行きて帰りし物語」。ストーリーはもちろん、かいじゅうが月夜に踊っている場面など絵の魅力に引き込まれます。
おやすみまえの読み聞かせにおすすめ。


『ぼく にげちゃうよ』
(マーガレット・ワイズ・ブラウン :ほるぷ出版)

うさぎのぼうやとお母さんとのおはなし。「ぼく~~になっちゃうよ」「それならかあさんは~~~」という2匹の会話の繰り返しで構成されています。おかあさんはどこまでも子どものあとをついて寄り添おうとします。家庭でお母さんから読み聞かせて欲しい一冊。「怒り過ぎてしまったな」と感じた日にはぜひ。

『こんとあき』(林 明子 作)

林 明子さんの絵は人の表情や背景の細部まで、とても細やかで味わいがあって大好きです。子どもが何かを見つけたら納得するまでページを繰る手をとめて、お母さんも一緒に楽しんでくださいね。

『ババールのこどもたち』(ジャン・ド・ブリュノフ:評論社)

フランス生まれの人気絵本。もともとは画家だったこの作家が、自分の子どもたちを喜ばせようとしてお話を方って聞かせたことがはじまりで、家族の愛がつまっています。シリーズのなかで私はこの作品が一番好きです。

『3びきのこぶた』(イギリス昔話:福音館書店)

擬人化技法のリアルな豚がユーモラス。古くからイギリスで受け継がれてきた物語を忠実に描いていると思います。わたしにとってこれがほんとうの「3びきのこぶた」のお話です。

2008年8月28日木曜日

フランスに到着


外遊びの会のみなさんへ

26日火曜日、ブリュッセルからフランスに戻りました。

外遊びの会ではたくさんのお母さん、お父さん、子どもたちとの素晴らしい出会いに恵まれて大変充実した夏をすごすことができました。この夏一緒に過ごしてくださったみなさんに心から感謝します。ほんとにありがとうございました。みなさんとのご縁をつなぎ、すこしでも深いものにできるように、これからも子育てに関することを綴っていきたいと思っています。フランスにお越しの際はぜひお会いしましょう!


・絵本の会のまとめ代わりに質問集とお奨めの絵本紹介
・私の住んでいる町の紹介(ヴェルサイユ近辺)

の記事を現在準備中です。

2008年8月27日水曜日

絵本の会 

8月25日 
ブリュッセルの外遊びの会で 絵本の会を開きました。

シッターのお2人、お家を提供してくださったお母さん、お昼をつくってくださったお母さん、
このような貴重な経験の場をくださって、本当にありがとうございました。
       
午前の回、午後の回あわせて計11人のお母さんが参加してくださいました。
        
「海外で、よい日本の絵本を見つけるには」「よい絵本とは何か」
私の好きな絵本の紹介、絵本に関する質問などであっという間に1時間が過ぎてしまいました。

参加された方みなさんの疑問は多くのかたが知りたい、と思っていることだと思うので、この会の詳細の変わりに 「絵本に関する質問集」「おすすめの絵本」トピックを作る予定です。

紹介しきれなかった絵本や会のなかで話題にできなかったことなども加えて、随時拡充していく予定です。


      
      
       
       

2008年8月23日土曜日

むすめちゃんとの会話 イギリス旅行にて 2

美容院で髪の毛を切ってもらってオンザ眉毛になったむすめちゃん。
今日は将来の夢について語り合いました。

私「むすめちゃんって、おおきくなったら何になりたいんだっけ?」

むすめちゃん「んーんとね、バタフライ」

私「バタフライって何?」

むすめちゃん「ちょうちょのこと。ハチにはならないのよ。」

私「どうして?」

むすめちゃん 「ハチはさすからよ~。ほんなら、おねえちゃんは大きくなったらなにになりたいの?」

私「うーんとね、お母さんになりたい。」

むすめちゃん「やっぱり わたしも お母さんになるー。」

私「どうして?」

むすめちゃん「だってお母さんになりたいから。」

私「どうしたらお母さんになれるのかなぁ?」

むすめちゃん「いっぱいごはん食べたらなれるのよ」

私「じゃあ、むすめちゃんのお母さんはいっぱいごはんたべたからお母さんになったってこと?」

むすめちゃん「うん、そうよ。」

2008年8月22日金曜日

今日のむすめちゃん

今日一日を振り返りながら彼女のおもしろい言葉をかきとめてみました。

朝 おじいちゃんが芝刈り機で芝を刈っている横で、「しばばば ばばば ばっばばば~」
  と芝刈りソングを作曲。口ずさみながら近くの商店街へお使い。


昼  みんなでお庭のあるレストランでのんびり昼食

 ・むすめちゃんは大人にはお父さんとお母さんはいない、と思っている。
 
 「おねえちゃん、どうしてお父さんとお母さんいるの?もう大きいのに~。」

  ・むすめちゃんにとっては鏡もパソコンやテレビの一種なのかしら。
   鏡に近づいて目のなかのごみを取ろうとした時

 「だめよ、そんなに近づいたらおめめ痛くなっちゃうよ。お母さん言ってた。」

午後 大きなアスレチックが楽しい STANZWICK LAKESへ 

・車の中で3カ国語カラオケ

「une souris vert (みどりいろのねずみ)」フランス語
 
「ロンドン橋」英語と日本語

「やまごやいっけんありました」日本語 :手遊び(オリジナルはフランス語?)
 
 歌詞 

 ♪ やまごやいっけんありました まどからみていたおじいさん
   かわいいうさぎが ぴょんぴょんぴょん こちらへにげてきた
   たすけてたすけて おじいさん りょうしのてっぽう こわいんです
   さあさあはやくおはいんなさい もうだいじょうぶだよ


 むすめちゃんが歌うと
 
 ♪ やまごやいっけんありました そこからまどからおじいさんがみていましたぁ
   うさぎさんが ぴょんぴょ~~ん~ こちらへにげてきました~
   りょーしてっぴょがこわいんです
   さあさ、はやくおはいりください もうだいじょうぶです~

*むすめちゃんとは私の子どもではなく、夏のステイ先のご家族の女の子のことです。

2008年8月19日火曜日

ベルギー フラワーカーペット

8月14日 木
三年に一度のフラワーカーペット初見物。夜10時くらいだけれど写真に見えるようにたくさんの人髪に来ていた。大きすぎて柄がわからなかったけれど、市庁舎の上にいけるのかどうかよくわからず時間もおそいのでちらっと見た程度。花はみたところすべてバラ。近くにいるだけでほんのりいい香り。

2008年8月18日月曜日

イギリスでトマトピューレ作り

8月16日 土

トマトピューレづくり

早起きで働き者のおばあちゃん。起きたらすでに茹で上がったトマトの山が。

ピューレはマシンを使用。ゆでトマトを上から入れてくるくるハンドルを回すと種と皮が取り除かれて
果肉のピューレだけが取り出せて便利。トマトの下準備に時間がかかるけれど、この作業は子どもが楽しめそう。

この後、大なべにピューレを移し一時間火にかける。お鍋の底のトマトが小さくなるように、底にナイフを入れてかき混ぜるという知恵にはびっくり。

ピューレ作業の間、むすめちゃんはお庭でおじいちゃんとボールと三輪車遊び。

おじいちゃんの靴のストラップ取り付け作業も見学した。むすめちゃんご機嫌。


その後使い終わった鍋洗いに没頭。


おばあちゃんに「GOOD GIRL!」とほめられさらにご機嫌。
今日も赤い靴をずーっと履いている。

午後はノンナのおやつにつられてお留守番。おかげでホテルのティールームで「大人のアフタヌーンティー」を満喫。おしゃべりの内容は今後の外遊びについて。夢が膨らむ。

みんなが自分に注目してくれるからか一日ご機嫌のむすめちゃん。寝る前に自分で髪の毛を結んでお父さんびっくり。カメラを向けると変な顔や変なポーズをとるので大爆笑。

むすめちゃんが髪を結ぶと・・・・

8月18日

おやすみ前に髪を自分で結んで妙なテンションになってしまったむすめちゃん。

妙なポーズとともにうたを歌ったり、プリンセスになったり。


お母さん「誰ににそんなの教えてもらったん?お母さん知らんでそんなん。」

むすめちゃん「おね~ちゃ~ん」

私「してない、してない~。」

面白すぎてお腹がよじれました。



イギリス旅行記  家庭菜園の写真日記

8月18日 日 おじいちゃん(ノンノ)の畑でプラムの収穫
木になっている実は白っぽいが、指やTシャツでこするとこんなにピカピカに。太陽の光がいっぱい。

ポニーにキャベツの芯をあげるむすめちゃん。足が短くて超小型のかわいいポニー。

お父さんとむすめちゃんがプラムをとっているところ。
枝によってはプラムが鈴なりになっていたりして、採りきれないほどの大豊作。

かご一杯のプラム。撮ったばかりで表面が白っぽいのがわかる。とても甘くておいしい。リュバーブの葉。子どもの傘に使えそうなくらい大きい。茎をジャムにするとおいしい。

帰りに寄った公園でひと遊び。おじいちゃんのブランコを押しているむすめちゃん。今日もパワフル。

むすめちゃんとの会話 イギリス旅行にて

8月18日 日
イギリス旅行3日目。

今日はおじいちゃんの畑でプラムの収穫を体験。

お昼はおいしいトマトソースのパスタとチキンフライ、サラダをみんなでゆっくりいただいて、午後はのんびり写真鑑賞。いつも軽快に動きまわって、時間の限り遊びつづける元気なむすめちゃんは「静モード」のときは写真を見るのが好き。

私の住んでいるパリ郊外の写真をむすめちゃんと見ていたら、ヴェルサイユ宮殿の写真がでてきた。


「おねえちゃん、もしかしてここに住んど~の?」

とむすめちゃん。流れにのって会話をつづけてしまった。

「うん、そうよ。(ここの近くだけどね)」

「じゃあ、おねえちゃんはプリンセスなん?!」

「うん。そうよ。」

「じゃあ、プリンセスの靴もっとうの?こういうの。(つま先立ちしてハイヒールを履いたような格好)」

「足が痛くなるから、持ってないのよ。」

「ほんなら踊ってる写真みせてー。」

「踊ってる写真?」

「王子様とおててつないで踊っとう写真よぅ。」

「ああ、舞踏会のね。踊ってる写真はまだ撮ったことないのよね。」



だんだん庶民であることを隠すのがつらくなってきたところで詰問終了。

ということで、私はベルサイユ宮殿に住んでいるお姫様で王子様と毎晩舞踏会していることになってる。

せっかくだから夢はそのままにしておこうっと。


(「むすめちゃん」は私の夏のホストファミリーの4歳の女の子。現在一緒に旅行中。)

子育ての悩みQ&A 順番を待つことについて

・西欧は「並んで待つ」という文化、しつけがない子どもが多い気がする。自分の子どもには言えるが、公園などではいろんな子どもがいるので難しい。

この順番を待つことについては外遊びの会のオープンハウスの際に話し合われたテーマです。そのときに
話された内容、意見のまとめと、そのまとめを読んだ私の感想を載せておきます。

順番を守る
並 ぶ、順番を守ることは世界共通のように考えがちですが、この意識が存在しない文化もたくさんあります。これは「文化のレベルの高低」ではなく、「文化の違 い」であるということを理解する必要があります。日本は順番を守ることは非常に大切だと考えられています。外遊びの会の場でこれをどのように 見守るか。
社 会では何かをしたいときは順番で待つことが必要な場合が多い。順番を早く廻して欲しい場合は相手に交渉したりすることもあるが、普通は相手が終わるまで待 つ。これを学ぶためには使っている側に「ほら、皆待ってるよ、かわってあげたら?意地悪ね~」などと親が催促するよりも、順番を待っている側 に自分で交渉させてみる、あるいは「XXちゃんが遊び終わるまで待ってね」と順番は待つものと教えるほうが自然ではないかという意見がありました。

→自分で交渉させてみる、というのはとてもいいですよね。
どちらかの親が異文化をもっている家族も外遊びの会にはたくさんいらっしゃると思います。世界にはいろいろな文化があり、「順番は守るもの」という日本人 の共通意識を絶対と思ってはいけないという意識。皆であらかじめ了解しておくというのは海外の子育てでつまづかないための知恵ですね。そして私もやはり 「順番は守る べきもの」と思います。文化のつくったルールかどうかとは関係なく、割り込みされた人はだれでも嫌な気持ちを抱くと思うからです。

子どもには「社会一般のルールだから」では通じません。子どもにわかる理由が必要です。「抜かさないの」「ここで待ちなさい」「順番は待つものなのよ」と言われただけでは子どもは「なんで?自分の番がはやくなってうれしいのに」と思うだけです。理由無く大人の従わせていると、自分で善悪を判断できない子どもにになってしまう可能性もあります。
私たちはどうして順番は待つものなのか、と言うことをこどもに自然なやり方で伝えてあげる必要があります。
社会全般のルールにもちゃんとした理由があるので、そこを子どもに教えてやることが大事だと思います。順番を守ることに限らず、すべてのルールはまず、どうしてそうしなければならないか、ということを子どもにわかるように答えてあげることが出来ます。
だ から順番を守ることに関して言えば、例えば「先に来て待っていたのに抜かされてしまった人は嫌な気持ちがするから」とか、「一度にみんながきたら、前の人 が押しつぶされて痛い思いをするから」ということを伝えた上で、「だから自分の番が来るまで待とうね」と教えるのが良いと思います。

人を押しのけて我先に、という行為は相手を嫌な気持ちにさせる、ということに気付かせてあげることが大事です。

ポイントは出来る限り具体的に語ることです。抽象的、全般的な言葉は10歳前のこどもには理解ができません。
例えば

たろうくんがはなちゃんを抜かして列の前に出たとき、母親が

「たろうくんがはなちゃん抜かしちゃったから、はなちゃん、涙が出そうな顔になっているよ、見てごらん。」

と言ってあげる。

はなちゃんからも

「たろうくん、抜かさないで」

といってもらえると一番いいのですが、まだ上手く言葉で言えない場合はママなり、近くの大人が

「はなちゃんは順番を守って待ってるから抜かされたら悲しいのよ。」

とはなちゃんの気持ちを代弁してたろうくんに伝えてあげるといいでしょう。
また同時に「僕(わたし)の番なんだけど」と自分で言えるように親が手助けできるといいですね。

子どもは「~並びなさい」と親に言われるより自分と同じ立場である他の子どもから言われた言葉が一番心に響くものです。気持ちを直接伝えられることで、自 分がした行為を相手がどのように感じたか、知ることができます。こうしたやり取りを幾度と無く繰り返して次第に相手の気持ちに気付けるようになっていくの です。と言 ってもすぐに思いやりが身につくものではありません。親がどれだけよく対応できても、子どもが翌日すぐに割り込みをやめるわけでもありません。同じことを 繰り返し言われていつか本当の意味で「わかる」ときが来るのです。半年後かもしれませんし、1年後かもしれません。でもその子の育ちを信じて待っていればいつかそのときがやってきます。根気よく付き合うことが親に求められているのです。

このページは外遊びの会で開かれたおしゃべり会の報告のリンク部分です。この他には
の質問と応答があります。

2008年8月17日日曜日

イギリス旅行 2008夏

8月15日 金

ホストファミリーの実家にくっついてお邪魔することになり、イギリスへ。

ベルギーからイギリスだとユーロスターが一般的だが、今回の交通手段は車。ユーロトンネルはトンネルを通る電車に車ごと乗車して通過する。車ごと乗る場合は犬を連れて行くことができる。
だから、今回は愛犬のイングリッシュコッカーも一緒。トンネルを通るまえにペットもコントロールをすませる。通行証には猫、フェレットのマークも。


・イギリスのお家

ご主人の実家はイタリアからの移り住んできた家庭なので、とってもイタリアン。
おじいちゃんとおばあちゃんは英語のほかに南イタリアのなまりのあるイタリア語も話す。
とくにおじいちゃんはフランス語なまりのイタリア語の単語がときどき英語のフレーズに登場するのでおもしろい。

りんごの木と家庭菜園とお花がたくさん咲いている可愛らしいお庭と掃除の行き届いたレンガのお家は
丁寧な暮らしぶりが感じられる。台所と靴作りのためのアトリエスペースは隣り合っていて仲良し。庭に面しているからすぐに畑に行くことができる。


・お昼は庭でとれた野菜のブイヨン煮とトマトパスタ

とれたての野菜は味が濃くてしっかりとしていてとてもおいしい。
ジャガイモ、インゲン、ズッキーニ、お豆、バジルの葉も。
パスタのトマトソースも自家製。シンプルな味が体に良さそう。
真ん中に穴の開いたパスタ。


・靴職人のおじいちゃん(ノンノ)

おじいちゃんがむすめちゃんに赤い靴をプレゼントしてくれた。皮でできていてすごくしっかりしている。娘ちゃんがお父さんと日曜日教会にいくのに使う。サイズがちょっと大きく、ストラップをつけることなったが、うれしくってずっと履いていたいむすめちゃん。脱がないとストラップがつけられないので明日つけてもらうことに。


・お料理名人のおばあちゃん(ノンナ)

到着直後におばあちゃんによるトマトピューレ作りがはじまった。大量のトマトをカットしてバジルの葉をいれて瓶につめ、それをぐつぐつ煮る。バジルは生のまま中間に2、3枚入れる。

おばあちゃんの声はとてもおおきくてむすめちゃんとお父さんと同じくっきりとして意志の強そうな眉毛。むすめちゃんはピンク色のキャリーバックをもらってご機嫌。さっそく荷物を入れ替え赤い靴をはいて家中を練り歩く。

・わんこの遊び。

愛犬のわんこ、トマトピューレをぐつぐつ煮るための薪が気に入ってしまい、一本ずつくわえてはりんごの木の下にコレクション。薪が少しずつ減っていく・・・。

・むすめちゃんの遊び。

到着直後に精力的にトマトピューレ作りに参加したため、私は夕方ちょっと休息。夕食のフィッシュ&チップス店への買い物へは行かず、留守番することに。同じく留守番することにした娘ちゃんの「一緒にあそぼう」に応えて学校ごっこをすることに。これがすごくパワフルだった。

私は学校ごっこの先生役に任命された。体育の授業中という設定らしい。ベッドでトランポリンをはじめたむすめちゃんはおまけで何かもらえるのが大好き。

「この本はトランポリンが終わったらもらえるっていうことだから、どうぞ、っていって本を渡してね」

と子ども向けの雑誌を渡された。雑誌を床において待つ私。

娘ちゃんトランポリンを終え、ダッシュで「おまけ」を選びに来るが、止まれず雑誌の上にのってしまい、滑って派手にこけるむすめちゃん。結構痛そうだったか、笑い飛ばして、再びおなじ勢いでベッドに飛び乗る。枕もとのぬいぐるみを

「今度はこの子たちも一緒に見るのよ」

と投げる。私椅子の上に並んで座っているように並べる。ベッドからベッドへと飛び移り、観客に一人づつに拍手を求めるむすめちゃん。そういえば学校ごっこではなかったのか?

本当に拍手できる人間の観客は私一人なので、私はぬいぐるみや人形ひとつずつの手をとってパチパチやっているように動かす係りに任命された。拍手が終わると今度は

「上手?って私が聞いたらみんな「うん」って答えてね。みんな言うのよ。」

と次なる指令をもらった。私はぬいぐるみの首をちょっと曲げて一つずつに「うん」と言わせる。

テディベアの首の曲げ具合が少し足りないとやり直しさせられた。観客はこぶた、お人形、スノーマン、ペンギン、くまのプーなど体型さまざまなので、小さいテーブルに落ちないように並べ直す私は結構な神経の集中が必要だ。

ものすごい勢いでベッドを飛び移っているのに、観客がテーブルからおっこちるとすかさず

「ほら、くまさん、こぼれてるよ」

等すかさず指摘されるので気が抜けない。

その後ベッドの端に腕の力だけで乗っかり、ひざで着地する技を編み出し、取り付かれたように繰り返す。キャンディーをみつけてようやく一休みするも、私のひざの上でサイケな柄のコイル状のおもちゃを「びょんびょーん」と言って振り回し、何度か私の顔を直撃しそうになった。

すごい。

・フィッシュ&チップス

イギリス名物といえばこれ。白身魚のフライとポテトフライにビネガーと塩をお好みで振りかけて
食べる。サーブしてくれる魚やフライの大きさ、量はお店によって差があるが、このお店のは特別量が多いとノンナが言っていた。ポテトは粉末のものではなく、本当のジャガイモをカットして使っている。ビネガーをたくさんかけるので意外と胃もたれしないが、ランチを食べ過ぎてすでに胃が疲れ気味だったので、私は魚のフライだけでお腹がパンパンに。

2008年8月12日火曜日

子育ての悩みQ&A ブランコの交代について

・わが子のブランコを押しているとき、他のこどもから交代して、と言われることがある。どういう対応がよいのか?

こどもってブランコが大好きですね。なぜ、子どもはブランコが好きなのでしょうか?
その理由の大きな一つには、「繰り返しのリズム」があります。ブランコは子どもが大好きな「行って帰る」のリズムの繰り返しを楽しむことができる遊具なのです。親を心のよりどころとして子どもたちはいろいろな冒険に出かけ、また親の胸に戻りますね。これも「行って帰る」のリズムの一つと思います。絵本の体験もいわば向こうの世界に「行って帰る」行為です。
だから、思う存分ブランコを楽しんだ後の子どもの心は絵本を一つ見終わったあとのように、心が満ち足りて落ち着くのです。ブランコはできるだけそれぞれの子どもが満足して終われるようにすると良いと思います。

例えば、自分の子どもがブランコをはじめたばかりだったら、「今乗ったばかりだからもう少し待ってね」とのりたがっている子どもに伝えます。「待つ」ことが苦手な現代の子どもたちですから、すぐに「まだ?はやくかわってよ」と聞いてくることもありましょうが、だからこそ「待つ」ことを知るのがその子にとって良い体験になります。ですから、自分の子がブランコに満足するまで押し続け、しばらく相手を待たせることは悪いことでは消して意地悪なことではありません。次に乗りたい子が待っているということは、自分の子に知らせてあげると良いと思いますが、子どもの意思に反して交代するように子どもに強制するのは避け「自分で待っている子がいるからそろそろこの辺でやめとこう」と思えるための言葉掛け程度にして欲しいと思います。自分が満足したら、他の子に気持ちよく譲るということができるようになりますし、他の子が満足するまで「待つ」ということができるようになります。この「待つ」という行為にとても大きな意味があります。「待つ」というのはこの場合、相手を尊重する行為です。子どもはブランコでただ揺られているのではなく、相手を尊重するということを学んでいるともいえます。

ただ、いくら乗っても、なかなか交代できない子もいます。そういう子どもの心の中にはとても大きな欲求不満があることが多いように思います。ですからブランコに乗ると、満たされない思いを必死に満たそうとするかのように、ブランコをこぎ続けるのです。他の場面で満たされなかった思いをブランコで代償しようとしているかのようです。ですから、ブランコをいつまでもこぎ続ける子どもの親は、その子を叱るのではなく、まず、その子の欲求不満がどこからきているのかよく考えてみることが必要です。そこが改善されると、すぐに交代できるようになることがよくあります。

2008年8月11日月曜日

子育ての悩みQ&A おもちゃの貸し借り

  • 自分の子がおもちゃを友達に貸してあげたが、本当は貸したくなかったので、「代わりに」と貸してらったおもちゃを投げて相手に嫌な思いをさせてしまった。謝りに行ったが、親にとっても不本意な結果になった。どう対応すればよかったか?
「謙 虚に振舞うこと」「他人様に迷惑をかけないこと」は日本の文化ですし、自分の子どものもっているおもちゃを欲しがっている子がいたら、親はたいていの場合 「貸してあげなさい」と声をかけることでしょう。でも、そのおもちゃがその子にとってかけがえの無いものだった場合、使い始めて間もない場合、まだそのお もちゃで遊ぶことに満足してない場合もあります。そんなときに、「貸してあげなさい」といわれても貸してあげられなくって当たり前なのです。「満足するま で遊ぶこと」は子どもにとって大変大きな意味のあることですから、ときには親が子どもの遊びを守ってあげることがあってももちろんよいのです。
お もちゃのトラブルでよくあるのは、まだ貸したくないのにとられちゃった。という気持ちがたたく、押すなどの行為で表されることです。「いま、使い始めたば かりだから、もうすこしまっててね。」「これはこの子の一番大事なおもちゃで、貸してあげることができないの。」「もういい、と思うまでやったら貸してく れるとおもうからまっててね」などと声をかけることが出来ると思います。たくさん遊んで満足した経験のある子は他の子どもが満足するまで待てる子どもにな ると思います。自分が遊んでいるときはすぐに貸してあげないとならないのに、順番はちゃんとまたなくてはならない。そういうことは子どもにだってとても不 条理なことなのです。自分の子どもだから、どんなときでも待たせてもいい、他の子のために我慢させてもいい、というわけではありません。自分がもし子の子 だったら、という風に考えて、子どもの気持ちみることはいつでもとても大切です。

子育ての悩みQ&A 園でのトラブル

  • 幼稚園の先生には言われなかったが、自分の子が友達をたたいてしまったらしいことを他の子どもから聞いた場合、当事者の子どもと親にはどうアプローチしたらいいか。
一 緒にあそんでいた子ども同士はお互いの遊びのなかでなにがあったかよく見ていますので、何人もの子どもがそういうのなら、本当にあったのかもしれません。 5歳くらいになれば状況をずいぶん説明出来る子もいます。ただ、子どもの「このこがあのこをたたいたんだよ」だけを聞いて子どもをしかるのはまだ早いで す。それ以前に、手をだしたくなるような理由があったのかもしれませんから、真相がわからない段階で「あなたがやったんじゃないの?」と推測のみで問い詰 めたり、やみくもに叱って、子どもの心を傷つけないように注意してください。子どもが萎縮してしまっては、余計に真相を知るのが難しくなるだけでいいこと は何一つありません。まずは、幼稚園の先生に事実を確認するのが良いでしょう。トラブルがあったときに、担任の先生が傍にいたとは限りませんから、近くに 居た先生を子どもに聞いてみるといいかもしれません。ただし、ベルギーやフランスの幼稚園では、先生がけんかに全く介入しなかったり、ただ静止するだけ、 という対応が普通といったところも多いようです。周りにいた子どもと本人からもよく事情を聞いてみましょう。

2008年8月10日日曜日

子育ての悩みQ&A 食事について

・幼稚園ではゆっくり食べる子どもはどうしているか?自分の子どものようなケースはあるか?

ゆっくり食べるこどもはいますが、もともと食べるのに時間がかかる子、友達とのおしゃべりが多くて進みの遅い子、いろいろな子がいます。幼稚園では決まった生活の流れがあり、後の活動のことなど考えるとどうしても時間の制限があるので、たいていは時間がきたらお弁当をしまわなければいけないことを伝えて、もし食べる意欲がある子ならば時間の許す限りは食べさせます。単に食べ方の問題であれば、お弁当を食べやすい形にきってもらうよう保護者と話すこともあります。いつも食べるのが早いのに、今日は時間がかかる、という場合にはお弁当の前になにかしらのトラブルで気分が乗らない、ということもよくあります。もともと食欲にムラがある子も居ますので個々の様子をみていちばんいいと思われる援助を考えます。それから「ゆっくり食べる」、といえば幼稚園ではおやつに1人1つずつさくらんぼを渡すと、たいていクラスに1人か2人くらいは、口のなかでかまずにとっておいて、みんなが食べ終わった頃に友達に口を見せびらかして食べる、という子がいます・・・。

2008年8月8日金曜日

おしゃべり会「親のストレス、子のストレス」

8月8日(金)の外遊びの会の活動内容の記録です。


10時半から11時半までwolvendael公園での外遊び。
午後、おしゃべり会をしました。おしゃべり会は

「親のストレス、子のストレス」


がテーマでした。はじめてお会いした方も多かったにもかかわらず、皆さん気さくにお話してくださったので、最後までとてもなごやかな雰囲気で、濃い時間を過ごすことができ ました。ご参加くださった方、私の拙い話におつきあいくださりほんとうにどうもありがとうございました。以下にまとめました。感想などお気軽にお寄せください。





これは去年の夏のwolvendael公園の風景です。天気はこんな感じでした。レインコートで雨のお散歩を楽しんでいるのは外遊びの会の子どもたちです。ちょっとくらいの雨ならレインコートを着て外に出かけます。雨の匂いや音、雨にぬれていっそう美しい緑の公園を散歩するのも楽しいものです。



さて、おしゃべり会には未就学児、未就園児の保護者9名と私の計10名が参加しました。

お弁当を食べながら、日本とベルギー、フランスの幼稚園のすでにおしゃべりが始まり、そのままおやつ休憩を挟んで午後3時まで。あっという間に時間が過ぎました。


参加者の方々は当事者だけあって、ご自分の感じているストレスについて、日常生活の様子を多くの方がリアルに語ってくださいました。


以下、事前に参加者みなさんに考えていただいた質問にあてはめながらまとめてみました。

子どもとの生活の中でストレスを感じるとき

・食事にものすごく時間がかかる。皿を下げようとすると怒る。
・他のこどもに手を出してしまう。
・エネルギーがあり余って困る。
・寝かしつけるとき
                   
ストレスの原因

・できるのにやらない(一人で食べられるのに食べない)
・他の子どもに手を出すので困る
・エネルギーがありすぎてつきあっていると疲れる
・長い時間腕や胸をさすられ続ける                                

ストレスをなくすにはどうしたらいいと思うか?(問題にどう対処しているか)

・いろいろ工夫はするものの効き目が無い。一人で出来ることも、やってほしいと子どもが言うときは手伝ってあげてよいのだろうか?
・どうしたいいのかわからないのでずっとストレス。
・食べ終わるまでそのままにしておくがどうしたらいいかわからない。
・もって生まれた気質なので、なるべく友達とエネルギーを発散させられるように遊ばせるようにしているがどうにかもっと落ち着かないかとは思っている。
・つい手をはらってしまうが、後にトラウマにならないかと心配ではある。親がとことん我慢すればいいのか?
                                
ということで、一時的なことよりも、日々繰り返し現れる「子どもの困った生活態度」が、長い間改善されないことによりストレス状態にある方がほとんどでした。


お話を聞きながら、子どもの側のストレスに目を向けて解決の糸口を考えていきました。
ほとんどのケースは、お母さんにとってのこどもの「気になる生活態度」「問題行動」の裏側に、「お母さんにもっと甘えたい」「愛情を確認したい」という子ども側のストレス(愛情に対する欲求不満)があるように感じられました。

とはいっても、みなさん子どもに愛情を注いでいないようには決して見えないのです。むしろ外遊びの会に参加されるくらいですから、自分の子どもにとって良いことことをいつも考えている愛情たっぷりのお母さんたちだと思うのです。

では、なぜ子どもたちはもっともっととお母さんを求めるのでしょうか?

根拠はありませんが、幼稚園でたくさんの子どもをみてきた先生たちの意見が一致したことがあります。それは「子どもの『愛情の器』の大きさは人それぞれ」ということ。もしくは器の100パーセントで満足する子もいれば、50パーセントでも満ち足りる子、120パーセントでも満足しない子がいるということです。親が「もうこれくらいで充分だろう」と思ってもこどもが「充分愛情を受けた」と思っていなければ、その子は欲求不満なわけです。

実際、参加した方のお子さんのなかには一時間くらいなら平気で本を読んで静かに遊んでいる子もいれば、「この子と居るときは一人の時間なんて絶対に持てない」というくらいべったりな子もいて、もって生まれた気質がそれぞれの子にあることは満場一致でした。

「ではもっと付き合ってあげるのがいいの? さすがに付き合いきれない。くたくたになってしまう。」

という声もあがりました。

私はお母さんが頑張りすぎたり、無理をすることは、後で疲れてよくない結果になったり、長く続けることができなくなってしまうことにつながると思います。完璧なお母さんなんていませんから、無理をせず、出来るところからはじめる、くらいのつもりで根気よく子どもと付き合っていくほうがいい結果になるのではないかと思います。


それから日常的ではないけれど、

「一体どうしたらいいのかわからなくて困っている。」
「こうかな?と思って対応しているけれど本当にこれでいいのか自信がない」

というさまざまな生活場面でのお母さん方の悩み、質問もたくさんでました。以下に思い出せる範囲で参加者の声をまとめてみました。

私は「親がストレスを感じているとき、子どももストレスを感じている。」という視点を前提にして、親がストレスを感じているときの子どもの側のストレスに ついてそれぞれのケースで推測できる限りのところをお話しました。(クリックして質問への答えに飛べるように準備中。)



どんなストレス(悩み)も「子ども側のストレス」を親が改善したり、やわらげたりすることで、状況が良くなるはずです。たいていの場合、子どもの気になる行動、問題行動は、じつは子どものストレスの表れで、無意識のサインともいえます。でもそこになかなか気がつけないために行き詰っているお母さんたちがストレスを感じているということではないでしょうか。

外遊びの会 おしゃべり会

外遊びの会の8月8日午後のおしゃべり会の詳細です。

参加される方はご一読ください。


テーマ「親のストレス、子のストレス」


今回は既に感じている子育てストレスに向き合い、親子の関係を見つめなおすためのおしゃべり会です。

お子さんとの毎日の中で
「なんだか上手くいっていないけれど、どうしたらいいかわからない」
という生活のシーンは誰にもあるのではないかと思います。

そんな時、親だけでなく、子どもも又歯がゆい思いを感じているものです。

そのような日々の「はがゆさ」は親だけでなく、子どもにも大きなストレスとなって、さまざまな問題行動のおおもとになることが多々あります。

たとえば赤ちゃん返りは弟が生まれて親にかまってもらえる時間が急に少なくなったことが原因だったりします。

私は日本の幼稚園で出会ったたくさんの親子の姿を基に、「不器用な子のケース」、「頑張りやさんのケース」などよくあるケースについてなどお話する予定で す。育児のストレス(悩み)に関することでしたらリクエストも受け付けます。リクエストは加藤さんにメールしてください。参加者のみなさんはその場で質問 や我が家の 場合など子育てのストレスについてなんでもお話ください。



☆参加にあたっては以下のことをなんとなくでも良いので事前に考えてお越しください。より良い時間を過ごせると思います。

(具体的なストレスの内容やお悩みをお話くだされば、その分具体的で役立つ意見が聞けるかもしれませんが、人に言えない悩みを無理にみなさんに公表する必要はありません。より実り多い時となるようにするための心の準備です。)


□子どもとの生活の中でストレスを感じる時はどんな時ですか?
□ストレスの原因は?
□ストレスを感じたときどうしていますか?(発散、我慢、爆発?)
□ストレスをなくすにはどうしたらいいと思いますか?

□お子さんはどんな時にストレスを感じていると思いますか?
□ストレスの原因は?
□お子さんはストレスを感じたときどうしていますか?
□お子さんのストレスをなくすにはどうしたらいいと思いますか?

ブリュッセルビーチ 「こどもは地球で遊ぶ」


ブリュッセルの夏のイベントの一つ「BRUXELLES LES BAIN (仏語)/BRUSSEL BAD(蘭語)」にいってきました。ここは外遊びの会の活動で、去年も行きました。

今回も遊歩道沿いの各国屋台が楽しみなのもあって外遊びの会のみなさんにくっついて行って来ました。

このブリュッセルビーチ、パンフレットには今年で6回目とありました。残念なことにカメラを忘れてしまったので写真は上のサイトから去年の様子をのせました。

写真でみてわかるようにビーチと言っても、人工の砂浜を川沿いの遊歩道につくってあるだけです。
パリプラージュのまねをして、最近ではどこの都市でも同じようなイベントが開催されていると聞きました。

スチームミストがでる場所があるので、幼稚園児くらいの子どもにはちょうど良い水遊びの場所です。


これも去年の写真で、やしの木のようなデザインは今年は無く、もっと簡素な銀のバーのスチームミストでしたが、とても暑い日で、浜辺にいるような雰囲気は楽しむことが出来ました。ミストのあたりはこどもたちで大変にぎわっていました。プールなどもなく、水が使えないのでさらさらの砂はちょっとくずれやすいのですが、こどもたちはみんなとりつかれたかのように砂遊びにも没頭しました。ちいさな日陰に座って暑さをすこしでもしのごうとする大人たちとは対照的に、顔を真っ赤にしてしゃがみこみ、砂遊びに夢中のこどもたちは暑さもわすれて砂と戯れていました。水と砂があれば高級なおもちゃなんてなんにも必要ないんですね。まさに「地球で遊ぶ」子どもたちでした。

大変暑かったのですが、外遊びの会の子どもたちと触れ合いたかったので、わたしも砂遊びに参加しました。ずっとしゃがんでいたために背中は真っ赤になってしまいましたが、子どもたちの経験の差が砂との付き合い方に如実に現れていて、一人ひとりのこどもたちの遊びの経験の多い、少ないが本当によくわかりました。得るものは大きかったので変な形の日焼けの跡くらいたいしたことではありません。最後は肩で連結し、電車ごっこ。近くで遊んでいたベルギー人の女の子も加わって7両編成くらいの電車になりました。あー楽しかった。

2008年8月7日木曜日

外遊びの会 親子にじみ絵ワークショップ

ブリュッセルの「外遊びの会」で8月4日に行った「親子にじみ絵ワークショップ」の様子です。

少し前のトピックでお知らせした「親子でにじみ絵ワーク」の事後報告です。

ワークショップには外遊びの会の会員親子10組が参加しました。
会員の希望者ですぐに定員になっていたこと、私のブログの読者にほとんど該当者はいないこともあって、お知らせではなく事後報告で記録しておくことにしました。

「青い小鳥」と「黄色の小鳥」が子どもたちに「お話のできる絵の具」をプレゼントしてくれました。
こどもたちはお母さんと筆と絵の具でお話をするイメージで描き出しました。

「お母さん、ここに描いたらだめよ~!!」
「なんで~?お母さんここに描きたいのに。」
             
全体的にはとても落ち着いた雰囲気。穏やかで幸福な時間でした。
にじみ絵は8組の親子が初めての体験でした。画用紙は市販の薄めのA3、絵の具は植物性のシュトックマーを使いました。紙は大きめのたらいを使って水に浸しました。ボードはDIYショップで大きなベニヤ板をちょうどいい大きさにカットしてもらったものを使いました。耐水性の面でプラスチックの板のほうが向いていますが高くつくのが難点です。

後半はお母さん同士で描くペアも。

親子のペアはきれいな緑色が自然に生まれます。
母と子の距離の近さ、というか「一体感」が感じられ、大変興味深かったです。
他人同士は色が混ざるのに時間がかかることが多いのです。
色は親子で相談して好きなほうを選びます。途中で交代する親子もありました。

筆を洗うための水で遊んでいるところ。今回は単色なので色はあまり混ざりませんでしたが、それでも子どもは水の色が変化するのに大変な興味を示している子もいました。この子のほっぺたが青いのはお母さんとフェイスペイントをして遊んだから。思い切り楽しむには絵の具がついても気にならない服を用意すること、それから少しくらい汚れても気にしないことです。
ガラスの瓶は取り扱いに注意が必要ですが、色の変化を楽しむには好都合です。筆や瓶をを洗って片付けるのも遊びのうちです。大人とペアを組むことで絵の具の取り扱いについて留意する必要が少なかったのでその点はとてもスムーズでした。場所と道具さえあればもう何組か増えても一度にできそうです。

目的と経緯
ちなみに、今回のワークショップの目的は「親子で楽しい時間を過ごすこと」でした。お母さんが自分の子どもと一緒に、対等な立場で遊べるようにという祈りからです。

「会話をするように一筆ずつ順番に描く」というルールは子どもと親との対等なふれあいを生むのではという予想があり、去年絵画療法のスタージュに行った際に体験したペアでのにじみ絵体験を親子ペアにアレンジしてやってみることにしました。

感想

今回一番印象的だったのは「お母さん、次描いていいよ~」と母親のほうを振り返る子どもの安らいだ笑顔です。親が描いた線の上を同じようになぞる、色の上に色を重ねる、という子どもが大半で、きれいな緑色に仕上がるペアが多かったのが大変興味深かったです。親子は(心理的な)距離がとても近いのですね。子どもの無意識が表れ出たようでした。言葉での会話がうまくかみ合わないと感じている親子やこどもと自分との心理的な距離を知りたいと言う場合に有効なのではと思いました。
また、子どもが絵を描いているとき、「こんな風に描いてみたら?」、「こんどは黄色を使ってみたら?」、「筆は優しく扱いなさい」とかつい言ってしまいがちな方は普通の絵の具でかまいません、絵の具での対話を試してみてください。参加してくださったお母様方、本当にありがとうございました。感想やご意見が大変励みになります、コメントにてお気軽に送って下さいね。

にじみ絵
にじみ絵はシュタイナー幼稚園や小学校で子どもたちが親しんでいる絵画表現です。私がフランスで通っているアトリエや学ぼうと思っている絵画療法もこの手法のものです。翻訳途中の資料があったりして、まだこのブログではまだにじみ絵に関して書ききれていないのがはがゆいのですが、今後も関連ページを増やしていく予定です。現在までの関連ページはブログ右端「パリでシュタイナー」のラベルにまとめてありますのでお時間があればご覧下さい。

2008年8月2日土曜日

映画から考える戦後の日本家庭

小津作品がとても気に入っている。
日本の映画の名作の一つに数えられる傑作。
雰囲気はサザエさんの実写版のような昭和の日本の普通の風景、人生が描かれている。

「東京物語」は

戦後8年の日本の縮図のような作品。高齢化と核家族化の問題を先取りしている。

尾道の老夫婦が息たちの顔をみに東京へと向かう。

(東京と言っても老夫婦が身を寄せた町医者の息子の家は下町で、東の端っこの北千住、牛田駅のあたり)

千住大橋と荒川の土手、今は無き真っ黒の煙を吐き出すおばけ煙突が見えた。
ふた世代時代は違うけれど、このあたりに私の母の実家があり、私はここで生まれた。
たまたまそんなこともあったので一気に映画にひきつけられてしまった。

(映画のあらすじ)

上京して自立した子どもたちはみな元気にしていて医者だったり美容院経営など忙しく日々を送りながらもよく働き、立派に自立して家族を持っていた。汽車で長い道のりをやってきた老夫婦をそれぞれ迎え入れる息子たち。邪魔だ、と口には出さないまでも、どこか形式的で温かみに欠けている息子たちの雰囲気を感じさせる。もちろん老夫婦もそれを感じるものの、「これでもずいぶん仕合せなほうさね。」「みんなの顔がみれてよかった。」と満足する。いたって謙虚でつつましい姿が切なかった。
そんな中、戦死した息子の妻がただ一人、楽ではないやもめの生活をおしてこの老夫婦を精一杯もてなした。

(映画の感想)

特に、おばあちゃんがのりこさんの家に泊めてもらった日ののりこさんとの夜の2人の会話と、お葬式の帰り際のおじいさんとのりこさんの会話のあたりがすごく良かった。
映画の後半からヒロインはこののりこさんという戦争で夫を亡くした女性にシフトした。原節子さんが演じるのりこさんはとても美しく、立ち居振る舞いが美しく魅せられる。
全体を通して綺麗な言葉遣い、老夫婦のゆったりしたしゃべりも見所だと思う。


(変わりはじめた家族形態)

この当時は核家族という形ができたころで、親の危篤に立ち会うことすらできなくなってしまった(当時の)現代のせちがらさを描いているのではないかと思う。

当時本家で何世代もが同居するスタイルからの核家族の誕生は「家族の崩壊」と写ったかもしれない。現代はどうかというと、この核家族という形はもはや当たり前であるのは言わずもがな、私たちの生きる現代ではこの核家族が崩壊の危機にある状態。老人をすみに追いやって好き勝手やっている世代の子どもが私の世代だ。杉本春子が演じる自分勝手な娘だって、一応は兄弟と相談してお金を出して熱海につれていってやったりするのだから、「なんてまともで親切な娘だ」と思えるくらいだ。つまりそれくらい私たちの親へのいたわりや尊敬の念は失われてしまったということだろう。そういうことを自覚し、自分の生き方までも考えさせられる映画だ。

戦後の日本はこんな風にお年寄りを地方に残し、都会に出て必死で稼いで、稼いで 親の死に目にも合えず働いて、という家族が増えた。そして日本の経済はものすごく成長した。そして食べるのにほとんど誰も苦労せず、物質にも恵まれた生活を送れるようになった。戦争で食べるものがなかったのだから、とりあえず豊かになりたかった。そして物は豊かになった。

では心はどうだろう。豊かに暮らせるようになった喜びでここまで気がつかないフリをしてなんとかきてしまったが、心に余裕の無い家族が増え、家庭内には親と子のひずみが生じたのではないか。今の私たちの世代の心はその親の世代に、その親はそのまた親の世代に影響を大きく受けている。そういう意味で私たちの世代もまだ戦後をひきずっていると言える。まだ戦後を生きている。現在深刻な犯罪が多いのは、日本社会の戦後の歩みの背景にある「家庭」の枠組みや機能の変化が大きく関係している。日本は戦争から心身ともに立ち直ったわけではない。身体的な空腹はおなかが「ぐう」となればすぐにわかるが、心が空腹はすぐにきがつくわけではない。

常軌を逸した不道徳な犯罪が後をたたないのはまさに日本人の「心」が崩壊しつつあるサインだ。法律を変えたって変わらない。人の中の「心」が変わらなければ何も変わらない。日本が戦後歩んだ道を全否定するのでないにしろ、歴史をもういちど見つめなおさないと。自分の家族との関係やこれまでの人生を省みて痛いところをほじくりだす作業は確かにつらい。でも、子どもや親の育て方や教師の質、テレビゲームを悪者にしていつまでも本質をみようとしない今の雰囲気がこれからも続くのならば、日本は自滅の道を転がる一方だと思う。

ネガティブな意見になってしまったけれど、こうやって吐き出すことで頭と心を整理して、今の状況と私たちの持つべき意識を考えていければいいと思う。とにかく何でも考えることが大事だと思う。今度は家庭教育についても、考えていることを書いていきたいと思う。


東京物語(1953) - goo 映画

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