・わが子のブランコを押しているとき、他のこどもから交代して、と言われることがある。どういう対応がよいのか?
こどもってブランコが大好きですね。なぜ、子どもはブランコが好きなのでしょうか?
その理由の大きな一つには、「繰り返しのリズム」があります。ブランコは子どもが大好きな「行って帰る」のリズムの繰り返しを楽しむことができる遊具なのです。親を心のよりどころとして子どもたちはいろいろな冒険に出かけ、また親の胸に戻りますね。これも「行って帰る」のリズムの一つと思います。絵本の体験もいわば向こうの世界に「行って帰る」行為です。
だから、思う存分ブランコを楽しんだ後の子どもの心は絵本を一つ見終わったあとのように、心が満ち足りて落ち着くのです。ブランコはできるだけそれぞれの子どもが満足して終われるようにすると良いと思います。
例えば、自分の子どもがブランコをはじめたばかりだったら、「今乗ったばかりだからもう少し待ってね」とのりたがっている子どもに伝えます。「待つ」ことが苦手な現代の子どもたちですから、すぐに「まだ?はやくかわってよ」と聞いてくることもありましょうが、だからこそ「待つ」ことを知るのがその子にとって良い体験になります。ですから、自分の子がブランコに満足するまで押し続け、しばらく相手を待たせることは悪いことでは消して意地悪なことではありません。次に乗りたい子が待っているということは、自分の子に知らせてあげると良いと思いますが、子どもの意思に反して交代するように子どもに強制するのは避け「自分で待っている子がいるからそろそろこの辺でやめとこう」と思えるための言葉掛け程度にして欲しいと思います。自分が満足したら、他の子に気持ちよく譲るということができるようになりますし、他の子が満足するまで「待つ」ということができるようになります。この「待つ」という行為にとても大きな意味があります。「待つ」というのはこの場合、相手を尊重する行為です。子どもはブランコでただ揺られているのではなく、相手を尊重するということを学んでいるともいえます。
ただ、いくら乗っても、なかなか交代できない子もいます。そういう子どもの心の中にはとても大きな欲求不満があることが多いように思います。ですからブランコに乗ると、満たされない思いを必死に満たそうとするかのように、ブランコをこぎ続けるのです。他の場面で満たされなかった思いをブランコで代償しようとしているかのようです。ですから、ブランコをいつまでもこぎ続ける子どもの親は、その子を叱るのではなく、まず、その子の欲求不満がどこからきているのかよく考えてみることが必要です。そこが改善されると、すぐに交代できるようになることがよくあります。
2 件のコメント:
お話会ありがとうございました。迷いながらも、なるべく子供が満足するまで交代を強要しないようにしてきた事が間違いではなかったとホットしました。また、なかなか交代できないときは、なにか別の欲求不満がないか考えてみる必要があるという話は、とても考えさせられました。ついつい目に見えている行動ばかりに気をとられがちなので…。またお会いできる日を楽しみにしています。
ブランコの交代については他のお母さん方もとても興味深い話題だったのではないかと思います。いい話題をありがとうございました。今度お会いできた際には日本での外遊びの経験をいろいろ聞かせて頂きたいです。
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