



ヴァンセンヌの森(Bois de Vincennes)はパリの東に広がる森林公園である。
ヴァンセンヌからは南方にあたる。広さは9.947km2であり、ロンドンのハイドパークの4倍、ニューヨークのセントラルパークの3倍の大きさである。
この森はもともと王家の狩猟場だったが、フランス革命の後は軍の演習場になっていた。その後1860年にナポレオン3世によって市民のための公園になった。そして1929年にパリ市の12区に編入された。
森の北方にはヴァンセンヌ城がある。14世紀の王は好んでこの城に訪れた。森の南西には19世紀、ルイ・フィリップの時代に建てられた砦がある。東にはヴァンセンヌ競馬場と自転車競技場がある。また西には広さ14.5ヘクタールの動物園があり、アジアゾウを飼育しているほかムフロンの住む高さ65mの人口岩山もある。他に花公園として整備された区画を有する。
また、4つの湖もある。これらの湖はマルヌ川とつながっている。
森の中にはまた万国博覧会の折にパビリオンとして建てられた仏教寺院が移設されている。
建築史上有名なのは附属する礼拝堂の建築である。教会の建設は1677年に始まり、後に兵士の教会とドーム教会に分かれジュール・アルドゥアン=マンサールのもとで1706年に完成した。ドーム教会の地下墓所にはナポレオン・ボナパルト(フランス皇帝ナポレオン1世)の柩が中央に置かれている。また、それを囲むようにして、ナポレオンの親族やフランスの著名な将軍の廟が置かれている。
現在も100人ほどの戦傷病兵が暮らしている。一部は軍事博物館として公開されている。