2010年3月30日火曜日

好きな言葉


「重要なのは病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ」(カミュ)

没50周年を記念してこの1月にはパリでもポンピドゥーセンター他さまざまな文化施設や書店などで記念イベントが行われていましたが、この言葉、今日大学の課題の調べものをしていたときに偶然出会い、惹かれてしまったので挙げておきます。

私たちの影がなくなることがないように「病」も人間がどうしても逃げられないものです。でも完璧に病と「おさらば」できることを理想としているのが今の世の中の一般的な形のように思います。

わたしにとっては「異邦人」の冷淡なまでに冷めた目の男の描写が印象的なカミュですが、この言葉には前向きに生きていこうよ、というようなメッセージが感じられます。

不の部分、闇の部分を受け入れつつ生きていく。まずここでも現状の自分のあるがままを受け入れることの重要性を示されていると感じました。





 

2010年3月29日月曜日

ご注意

フランスに住んでいると小さなことから大きなことまで毎日のようにフランス的ハプニングに出会います。スーパーの愛想のない店員に気分を害したり、電車がとまって遅刻したり、電化製品がこわれたり、原因不明の停電しちゃったり、大家さんとのトラブルだったり。便利さになれている日本人がパリにくるとへこたれるような出来事に次々起こります。

そういうハプニングにちょっと疲れたこころのときにひっかかりやすいのが、人の弱みに付け込む宗教です。宗教活動自体は個人の信仰の自由なのでいい悪いはないけれど、私としては自分の所属している宗教をかくして人に近づき、自分の所属の団体へひっぱっていく、というやり方はものすごく胡散臭くて信用なりません。パリでも勧誘目的で近づいてくる人があるようです。ご注意ください。



先週末の記録

せっかく写真を撮ったのでちょっと時差がありますが、写真を載せておきます。ここは近所の農場の一角のお店。新鮮な野菜やおいしい乳製品が手に入ります。ここにたどり着くには・・・

ヴェルサイユ宮殿の端っこをひたすらまっすぐまっすぐ歩いて歩いて歩きます。物思いにふけるにはぴったりのコース。これはプチトリアノンの入り口。シーズンオフなので封鎖中でした。マリーアントワネットが農民たちのような生活を楽しんだ人工的な田舎づくりのお庭の一角です。

ひたすらまっすぐ。道がぬかるんでいたのでゆっくりあるいて約一時間。

広いお庭の一番端の入り口から入ります。入場は無料で貸し自転車もありました。

なぜ歩いたかというと、じつは自転車を盗まれたので乗りたくても乗れなかったのでした。でも、もう寿命かな、というくらい乗り回したし、フランス生活ではこうしたハプニングは日常茶飯事。こんなことくらいでは全然落ち込まなくなりました!

この週末は研究中心にすごしていました。木曜日に教授との面談をして以降、今週はかなり緊張状態でしたが、おかげで論文の焦点がしぼれてきた気がします。よいタイミングで「お尻に火をつけて」いただいたようです。あせらずに、困ったときはシンプルに考えるように、地道にやっていくしかありません。

2010年3月27日土曜日

フィールドワークはじめ

今週からフィールドワークをはじめました。ある団体に属しているフランス市民に電話をかけて自己紹介し、取材のアポをとることから始まります。見ず知らずの人ですから、しかもフランス語ですからやっぱり電話をするにも小心者のわたしとしては結構勇気が要ります。

最近ワークといえばアートトレーニングワークのことを書いていましたが、こちらは世に言う実地調査、現地調査のことで、私の論文作成のためのものです。

私の担当教授はこの夏で定年退職される予定なので、何がなんでも6月の口述審査に間に合わせたい、とかなり硬直してしまっている私。これはなんとかしなくてはいけません。


こういうときこそ自分の内面に聞くことを大事にしなければ!せっかくアートワークやアトリエで内面に聞くことの意味をたくさん考えたのだし、一行でも論文をすすめなくてはいけない気がしていけれど、精神面で強くなることで結構乗り越えられる気もする。うまく舵取りできる方法などについても試行錯誤の時間も大事ですからね。


論文を書くのは大変だとたくさんの方が言いますが、いったい何が大変なのかって、実はそれが自分との戦いに勝たなければいけない、という所だと思います。体力も使うけれど、精神面でとても大変なことが起こるからです。

論文を書くときはきっと誰もが自分の考え得るなかの一番よいものを書こうとするでしょう?そうやって真剣に向き合おうとするとき、自分がこうであるべきと思う自分、つまり理想の自分と実際のふがいない自分のギャップをこれでもかという程につきつけられる。それがなにか書く人の苦しみのひとつなのでしょう。私自身が今ものすごくこれで苦しんでいるのでそう思うだけかもしれませんが。

理想の自分になりたいと妄想ばかりしていると、全然なれていない自分にはたと気づかせられたときにさらに大変です。理想の自分がものすごく高い人というのは鬱になりやすいと何かで読みましたが、このつらさにおぼれてしまったらそれは鬱になるな、と納得します。

やはりここでも今の自分のありのままを受け入れるということが必要です。私にはそれが足りてなかったということに気づかされます。特に知識・能力といった側面についてです。

はー。この辺にして研究にもどります。。。。








2010年3月23日火曜日

子どもの思考 


子どもってときどきものすごく面白いことを口にしますよね。この間シッターでみている6歳の女の子が大嫌いなクラスの子になにやらブチ切れていてご機嫌斜めだったのですが、大好きなキッシュを前に
「キッシュロレーヌは好きだけどステファンは大嫌い!」といったのにはおもわず笑ってしまいました。

今日は3歳の弟がはじめてお風呂に入る前にシャツのボタンを全部一人ではずせたので、私と6歳のお姉さんと二人でべた褒めしていたのです(彼女はこういうときに相手のよいところを褒めてあげられるよい子なんです)が、彼女の褒め言葉のひとつが妙に変なんですね。「すごいね!まだ3歳なのにもう5歳半みたいだね!大きくなったね!」と言ってあげているんです。

なんで中途半端に「5歳半」なんだろう?と思うでしょ?でもほら、彼女、6歳なんで、大きくなったといっても自分よりはやっぱり少し小さくしておきたいわけです(笑)。

そんな細かな彼女の思いには気づくよしもなく「うん、僕大きくなった!!」とご満悦の弟くんでした。


まったく気持ちのよい子どもたちです。


2010年3月21日日曜日

お茶淹れを意識する 2

アートワークが終わってからあっというまにもう一ヶ月。すっかり春めいてきて久しぶりに近所の農場まで往復二時間ほど散歩してきました。

ワーク後はあまりしっかりと振り返りや反芻作業をしてこなかったので、すすめられている一ヶ月レポート作成が書き出せずにいます。ついでにいまのところの本業である修士論文も書き出せずにいます。

ワークが終わってから続けていることとしてはお茶淹れを意識するということくらいです。これは自分を客観的にみるための訓練なんだとおもっていますが、わたしのアトリエで自分の絵をすこし遠巻きに眺める作業とまったく同じような作業に感じています。最近大学のセミナーと仕事の都合でアトリエをお休みしているので、日常のいろいろな場面で客観的になることをこれをきっかけにより客観的に自分をみることを意識できるようになればとおもいます。週末に前から気になっていた素敵な陶器の茶碗を購入したのはたまたまだったのですが、一ヶ月意識してきたのもあってこの陶器でお茶を飲むのが楽しみになっています。

 つき替わりの修養
何かを意識することははじめてもうすぐ一ヶ月経つので次は違うことを意識しようかとおもいますが、こんどは「月替わりの修養」というのを初めてみようかとおもっています。今回のワークのときにいただいた「才能と障害」という本のなかにあった各月の修練のテーマが素敵なのでぜひやってみたいとおもっているのです。これは月ごとにテーマが決められています。四月のテーマは献身・畏敬の念です。献身・畏敬の念というのはもともと私たち人間の本質の中に埋め込まれた素質のひとつで、この修練のあかつきにはもともとは人間が素質としてもっていない力がはぐくまれるそう。一ヶ月間同じ修練を繰り返すことによって、新たな習慣や、誠実な考え方や愛情や、心の広さといったさまざまな面での変化に出会えるそうです。詳しい方法はとくに書かれていませんが自分のなかの献身、畏敬の念というのを見つめ感じてみる、ということができるかと思います。

この修練について書いてあるページにはこんなことが書いてありました。

「ここで重要なのは、私たちは人生で成功し肩書きを手にいれるために学ぶのではなく、美徳そのものへの愛と、ひいては人間形成への愛によってこのような修練を試みるということであって、そうして初めて成果がでるということです。」

こういう一文には、ぐっときてしまいます。





2010年3月19日金曜日

週末のブリュッセル滞在


この週末はまたもやブリュッセルにいっていました。


日本の大学の先生がブリュッセルの外遊びの会の取材にいらっしゃるということで、わたしも同席させていただくのが今回の主な目的でした。

今は大人の教育、生涯教育、社会学などに関心が移りつつあるのですが、やっぱり自国の教育事情は常に気になる分野なので、生の情報を大学の先生に直接伺うことができとても貴重な時間でした。とくに国内外の子育て支援に関していろいろお聞きしました。性教育やよい親になる市民を育成するというところでは、保育を中学校や高校の必修にしていこうという新しい動きがあるそうで興味深い取り組みです。

4ヶ月ぶりにお会いできた会のメンバーのみなさんもいらしていて一緒に夕食をいただき、とても楽しい週末になりました。

2010年3月15日月曜日

おもちゃの共同購入締め切りました。

おもちゃの共同購入の今回の注文は締め切りました。
ご参加くださったみなさんありがとうございました。
たくさん注文があったので送料無料になります。






2010年3月11日木曜日

おもちゃの申し込み締め切ります


北欧とドイツのおもちゃや画材の共同購入、なかなか好評です。

送料無料ラインはは確実に突破しました。

立替分がおそろしいことになる恐れがあるので、恐れ入りますが申し込みは明日の夜で一度締め切らせていただきます。

(すでに購入希望の旨をいただいている方は金曜までokです。)

購入申し込みは基本的にお支払いをもって完了となります。

それ以降に購入希望の方は各自でお店のほうにお振込みください。
ただ手数料がかかるのと書類が面倒なのでおすすめしません。

みなさまご理解・ご協力のほどどうぞよろしくお願いします。
申し込まれた方はどうぞお楽しみにー。




2010年3月9日火曜日

休暇あけの子どもたち

2週間の冬の休暇が終わって久しぶりにフランス人の二人の子どものシッターをしてきました。幼稚園にお迎えにいくといつものかわいいはにかみ笑顔がなんだか2倍くらいかわいらしく感じてしまいました。お姉さんの6歳の女の子もいつにもましてとても感じよく、すすんで食事の用意を手伝ってくれたりテーブルセッティングをしたり。手のかからないどころかカードゲーム(針のない時計の絵に時計の針の絵をつなげたり、ランプシェードの絵に裸電球の絵をつなげる)をしながら私の知らない単語を教えてくれて、たとえば他にも花の茎の部分だとか教会の塔とかヨットの帆などのフランス単語を覚えました。

彼らの小さいころの写真をみていたら、6歳のお姉さんは

これはツリーに飾りをつけてるところなの

とか

これはわたしのいとこのカミーユなの

と説明してくれるのに、その脇で3歳の弟くんは

ほらみて、ここは道路だね!

となぜか道路にフォーカスして大興奮だったのに笑ってしまいました。

彼は車や電車などが大好きなので、カメラ目線のお姉さんよりもそっちに目がいったのですね。

この休暇中、二人はスキーを楽しんできたのですが、そのおかげか二人ともとってもご機嫌ですごく楽しい休暇明けのお仕事でした。

2010年3月8日月曜日

バーレイ食器も共同購入しませんか?


ワークの宿題で意識してお茶を淹れる事にしたのにまたもや無意識にお茶してしまいました。ポットに水を張るまでは意識するんですが、お湯がわいた後は完全に意識するのを忘れてましたw。

・「買う」を意識する
今日も共同購入のお知らせです。今度はイギリスの素敵食器バーレイのお皿やカップなどなどです。気づけばすっかりぺリピコッリさんのフランス営業担当になってますが(笑)わたしがこのお店を気に入っているのはここのオーナーさんがただ品物を売るのではなくて、大切にしたいこと、提案したいことをたくさん説明していて「大事につかってね」という願いが感じられるところです。手作りのものが多いので届くまでに時間がかかることがありますが、発送素材が職人の手もとに来て物がつくられて私の手に届くまでが一つの物語なんだと思い出させてくれます。今書きながら気づいたんですがまさに「買う」を意識するということですね。

アートワークをきっかけに、みんなで何かを分かち合う楽しさに目覚めてしまいました。商品は手渡しですからこれを機にまたよい出会いがあるのではと期待してます。同じおもちゃや食器を使う毎日ついておしゃべりするのも楽しそうだなと思ってます。


☆バーレイ陶器の共同購入☆

・共同購入参加条件

私の自宅(ヴェルサイユ)まで取りにくることが可能な方。(大量でなければパリやヴェルサイユ内のどこかでの引きわたしでもOK)


・申し込み方法

3月30日までに私にメールしてください。

お名前・電話番号・商品番号・購入希望商品の総額を明記してください。


・お支払い方法

小切手を私まで3月中に郵送にて。送料がかかった場合、引渡し時に負担していただきます。


・カタログ

バーレイ陶器 http://www.peripiccoli.com/home.htm  

お茶淹れを意識するのエントリーに使ったティーカップもバーレイ陶器です。



☆北欧・ドイツのおもちゃの申し込みは3月12日まで受け付けます。http://www.peripiccoli.com/burleighjp.htm



2010年3月7日日曜日

「お茶淹れ」を意識する



ここ2,3日お天気で気持ちが続き太陽の光が心地良いです。市場でみつけたムスカリも日に日に小さな青い花を増やしていくので毎朝の観察がちょっとした楽しみになっています。


さて先のヴェルサイユでのアートトレーニングワーク、江口さんも無事日本に帰国されて、MIXIやこのブログなどで江口さんの感想やわたしたち参加者のワークの感想を読んでくださった日本のワーク経験者のみなさん中心にわたしたちのワークの興奮やら波動やらがじわじわと伝わっているように感じます。まだ会ったことのない遠くの方とでもこうしてすぐに思いを共有できたりするのですからすごい時代ですよね。


ワークが終わってから毎日しばらくはつづけるように、と江口さんにといわれている宿題ワークがあります。

それは毎日やっている動作を何か一つ意識してやること、というものです。

ずっと続けているうちになにか変化が訪れるそうで、今のところ何がなんだかよくわかっていませんが、とにかく意識する動作を一つ決めてはじめました。

私の場合、意識する動作を何にするかあれこれ考えてしまってすでにつまづいてしまったのですが、なかなか決められないことを江口さんに相談したら、とにかく何でもよいのではじめてみるとよい、ということだったので、とりいそぎ毎朝お茶(もしくはコーヒー)を淹れることを意識することにしました。江口さんに言われて気づいたのですがすでに決められないというところに私の性格が如実にあらわれていて、それに気づけたことも一つの学びといってよいのだそうで、なんとなくワークの目的が見えたようにおもっています。ワークが終わってからも江口さんと行動を共にすることが多かったので、この宿題についていろいろ質問・疑問にたくさん応えていただきました。(これはコーディネイト&ガイドの役得!)

さて、お茶淹れの動作の意識化、初めてまだ数日ですが、これをはじめたことにより、毎日ちょっと面倒だった電気ポットに水を満たしてポットのスイッチを入れるという作業を面倒と思わなくなりました。お茶淹れ作業にこんなにスポットを当てる日々は生まれてこのかた初めて(笑)。何の変哲もない動作もスポットを当てるだけでなんだか特別な作業に思えるのは面白いです。

でもまだ動作の一つ一つの細かい点までは意識を向けられていないような気がしています。もっと意識しなければならない筋肉の動きみたいなのがあったりするんじゃないか、とか自分がやっていることに妙に自信がない自分にこれを書きながら気づかされました。ただ、この動作、まだ全然習慣になっていなくって、気づいたら無意識にすべてを済ませてお茶を飲んでいる自分にはたと気づくことすらあるんです(笑)。これがわたしの習慣になるまでにどれくらい時間がかかるのか?。きっとそういうところにも個性があらわれるのでしょうね。とりあえずまずは忘れてもそれはそれ、という感じでひたすら続けてみます。

北欧とドイツのおもちゃの共同購入


わたしのごひいきにしているお友達のお店「ペリピッコリ」さんのおもちゃと雑貨の共同購入することにしました。パリでは手に入りにくい良質で安全な北欧・ドイツの木のおもちゃやオーガニックの食器などなどカタログをみているだけで楽しめます。素敵なおもちゃはインテリアにもなるし、子どもも長年楽しむことができます。わたしは知人の子どものプレゼントにいつも使っているんですがいつもすごく喜ばれます。


ベルギーの小さなネットショップなんですが、今月からフランスにも配送してくれることになりました。(共同購入のみのようですが)

みんなで購入して送料負担を少なくしましょう。(200ユーロ以上は送料無料)


とーーーーーーーっても素敵なのでパリ近郊の方はぜひお見逃しなく。

とくに友人の間で人気なのはコロコロ動く虹色のかたつむりです。

■お店


PERIPICCOLI(ペリピッコリ)
http://www.peripiccoli.com/


■商品をみるには

☆日本語を選択すると3月のカタログにアクセスできます。


■購入方法

☆3月のカタログの商品からお好みのものを選び3月15日までに私にメールにて注文し、注文から一週間以内に小切手を郵送してください。メール注文の際にお名前と連絡先、購入希望の品の商品番号と商品名をお知らせください。


☆来週末に販売元のあるベルギーに出かけるので12日までにお支払いの方は私が直接支払いますのでベルギーへの送金手数料が無料になります。お得なので3月12日までの注文をおすすめします。

☆送料がかかった場合は引渡しのときに別途人数で割った分を、3月12日以降の注文には送金手数料の実費を負担していただきます。

☆商品到着は一ヶ月くらいかかるかもしれません。早めの出産祝いや誕生日プレゼントを準備するのにはぴったりです。


■共同購入参加条件

☆パリ近郊での引き渡しが可能な方
☆木のおもちゃが大好きな方





私のメールアドレスはブログ右側です。

2010年3月6日土曜日

たまご狩り

メールで近所の農場からのおしらせが届いていました。

今年の復活祭(4月の4日)に農場に行くと「たまご狩り」ができるんだそうです。

レオニダスのチョコ(きっと卵やうさぎの形でしょうね)も配られるそうで、ものすごく行きたいのですがどうやら子ども向けのイベントらしいです~。大人も行っていいのなら広い農場の芝生でたまご探しをしてみたい!

ちょっと先取りですが、写真のたまごがあんまりかわいかったので紹介しました。

GALLY農場

2010年3月2日火曜日

フランスの家庭保育事情


今日はお仕事の研修でシャンゼリゼに程近いパリの事務所に行ってきました。(写真はあまり関係ないSt-Michelの界隈です。)

なんと偶然にファシリテータの女性が私と同じ大学、しかも同じ学部出身(まあ保育関係の研修なので当たりまえですが)だったので、わたしがついこの間課題提出でかなり悩まされた教授のことをよく知っていたりして話がはずみました。

休暇中だからなのか参加者は私を含めて6名とこじんまりで、部屋の広さや丸テーブルがアートワークとかなりシンクロしてしまいました。おかげでワークの続きのような雰囲気でわりとリラックスして参加できたのはよかったです。人数が少ない分発言の機会がたっぷりあってかなりみっちりと内容の濃い意見交換のときとなりました。

参加者は私以外今回みんな既婚者の女性で子育て中。その中の二人は自分の子どもが3人もいるのになぜベビーシッターの仕事ができるのか不思議でならなかったのですが、そのうち一人に質問してみたところ旦那さんが朝ものすごく早くから午後2時までの仕事をしているので子どもの送り迎えや子どもの食事をつくってくれるんだそうです。

自分が帰るのは8時過ぎになることが多く、帰ってからアイロン掛けや明日の準備など一仕事して朝はかなり早起きをするといっていました。他の子を育てることで自分の子を養っているわけで、なんだか妙なことになっていますよね。彼女も自分の家でアイロン掛けをしたのか、他人の家でしたのかときどき混乱するといっていました。そんな彼女に毎日の大変でしょう?と聞いたところ「いかにきちんとその日その日をオーガナイズできるかできまるわねっ!」という答えが返ってきましたよ。

教育学者のイヴァンイリイチは家事や育児など報酬が発生しない仕事をシャドーワーキング「影の仕事」といっていますが、現代はこの影の仕事が市場にでてきていて、自分の子そだてをしても報酬は発生しないので他で子育てをして生活をたてるという人もこれからもっと多くなりそうです。


日本の保育ママさんにあたる職業はヌヌ(乳母)と呼ばれたりガルダンファン(子守り)と呼ばれたりしていて、その多くが移民の女性です。

私もフランスの法律上では「移民」になりますが、彼女たちは困ったらいつでも帰ればいいや、と思っている多くの日本人仏滞在者とはまた全然違った背景を持っています。家庭育児は元植民地の国々からきている人たちが断然多い職種です。

わたしはフランスの植民地主義とはなんの脈絡もないミステリアスな極東の辺境人。必然があってフランスにやってきた彼女たちからするとなぜフランスに来たのかまったく想像がつかないのでしょうね。たいてい最初は質問攻めにされます(苦笑)。今回も然り。

ただ、今回は研修の進行役の女性が私と同じ大学出身だったり、私の大学の近くに住んでいる人が多かったりしてかなり感じよく受け入れられてるのですごく楽に交流できたのには救われました。

わたしの他はカメルーン、アルジェリア、ポルトガル、フランスはブルターニュ地方出身の人(進行役の女性)。やはりここの研修ではアフリカ出身の人が多くフランス人はほとんどいないことに機会不平等な社会を感じざるを得ませんが、それでものさまざまな文化背景の人がフランスの家庭保育という一つの項目でこうしてつながって一日意見交換ができるというのはなんとも面白いことです。まったく異文化な背景、辺境人の私には内容はもちろん彼女たちの思考回路が垣間見られるのが非常に興味深いです。内容はすべて教育に関わることですしね。

人数が少なくてじっくり話し合えたのと今回二回目でなんとなくどういう感じで進行するのかイメージできたので今回はなかなかよい経験になりました。同業の人との会話はやはりすごく興味深いです。

今回特によかったのはかなり実践的な内容だったこと。さすがラディカルなパリ8出身なだけにファシリの彼女の保育感は私とかなり近くて(これはかなり珍しい)それがとても良かったのだと思うけれど、例えばオルタナティブ教育が好きな彼女が提案する紙一枚とペンさえあればできる子どもとのストーリーテリングの手法やその訓練などでなかなかよい刺激をもらいました。




繋がる


28日(日曜日)は朝からパリへ出かけてまずは農業見本市、その後ワークの参加者の一人のお宅のランチパーティで旦那さんの出身地のレバノン料理と美味しいワイン、多国籍なおしゃべりを楽しみました。それから夕方はモンパルナスでお店を貸しきるくらいの大人数でのクレープの夕べに参加。ものすごく盛りだくさんな日曜日になりました。

なんだか朝から晩まで食べてばっかりですが、食事ももちろん、じつは一番愉しいのは人とつながっている感覚だったりします。喜んでガイド役を引き受けてくれたフランス人の友人がいるから見本市がより深く楽しめたし、ワークでの出会いが異文化の違いを出し合い理解しあう豊かな昼食のひと時につながったのもすごくうれしいです。

自分のペースでゆっくりすごせる静かな毎日もすごく好きですが、特筆すべき出来事が毎日あってブログに書き切れないくらいです。なんて、なんて恵まれているんでしょう。

読んだらクリックお願いします!

にほんブログ村 大学生日記ブログ 修士課程大学院生へにほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

最近の記事